エルの6か月検診の結果が特に問題が無かったことで安心して気が緩んだのか、先日近くの某所にて、、

やっちまった。。左後輪の周りを派手にガリッと。。。
この4年間、まあまあキレイに乗れていたのに、ついにやっちまったか。ここ擦ってると
「ワタシ、運転ヘタなんです」
って言ってるようなもんで実にみっともない。しばらく落ち込んだ。
早いもんで今年は二度目の車検イヤーでもうすぐ馴染みの工場に持って行くからついでにその時にチャチャッと直してもらうべと、社長にLINEしてみた。
5万くらいは余計にかかるのかなー、なんてかるーく思っていたら、、
「やっちゃいましたねー(笑)。これ、ヘタしたら10万以上かかりますよ」
というまさかの答えに気絶しそうになった。じゅ、じゅうマン!?
しかもいつの間にやら板金系は社長のところで作業するんじゃなくて、外注しているとのこと。前のクルマをガリっとやった時にはサクっと直してくれたんだが、人手不足なのかどうなのか。
それから2時間ほど悶々と無い頭を使って考えたが、いっそ自分で直したるわ!と決心した。10万も払ってられっか!!そんだけあったら九州行く時の往復のフェリー代にしたるわ!金は無いがヒマだけは売るほどあるんじゃ!
そこからはクルマの傷直し系の動画を観まくったが、「素人にも出来まっせ」的なのもあるのだが、「いやいや素人がヘタにやると取り返しつかなくなるからやめとき!」的なのもあって何とも悩ましい。後者系のある動画では、「シロウトがやっても90%は失敗します!こんなのは小さい頃からプラモデルを作って最後の最後に塗装で失敗して泣く、ということを数多く経験してきている人がいずれやっと上手く出来る、くらいな大変なことなんです!」とプロの整備士さんが力説していた。うーーーん、なるほど。自慢じゃないがブキッチョぶりには自信があるワタシ、プラモデルなんてまともに完成した憶えはほとんど無いな。
やっぱハードルたけーのかなー、なんて暗い気持ちでYouTube内を彷徨い遭難しそうになった際に一筋の光を放つ灯台が見えた。
それがこちら、
「よーさんガレージ」さんだ。このよーさん、軽妙なトークで素人にも実にわかりやすく解説してくれており、これならオイラにも出来んじゃね?と思わせてくれるのだ。よーさんを勝手に師と仰ぎ、数あるよーさんの動画の中からコンパスの症状に最も近そうなケースを扱ってくれている上記の動画を選び、擦り切れるほどしつこく観た。そして、「よっしゃ、いっちょやってみっか」という気になった。だが、動画の中の全てが観るのも聞くのも初めての新鮮な世界。師匠みたいに美しい仕上げになるとは逆立ちしても思えないし、思ってはいけない。とりあえず出来は汚くても、錆びなきゃそれで御の字だ、くらいの気持ちでいざ行かん!
ということで早速必要な道具たちをAmazon中心に仕入れ、発送に時間がかかるものはイエローハットに買いに行った。

先ずは磨き用のアイテムたちだ。何かと使いそうなクロスに、紙やすり、コンパウンドにウールバフだ。コンパウンドは師匠オススメの3Mのセットをチョイスした。

塗装系アイテムは、最初は動画内で使っていたタッチアップペンをスプレーにするエアータッチに、同じエアータッチ用のクリアー、ボカシ剤と揃えた。だがこれらは容量が12mlしかなく、コンパスの方が動画内のキズよりも範囲が広そうで、塗装作業の最中に足りなくなったら目も当てられないので、

300mlのスプレー缶を買いなおした。そして忘れちゃいけない脱脂用のシリコンオフも揃えた。
さぁ道具が揃ったのですぐにでも始めたいところだが、屋外作業なのにここのところ強風の日が多く、なかなか決行出来ずに居るところに雨も降ったりなんかしたもんだから、、

うわ!!もう錆びが出てきてる!!
車検から戻ってきてGWの前半あたりにでものんびり作業するかなんて暢気なことを考えていたが、こりゃダメだ。車検前日に緊急作業開始と相成った。
先ずはキズをコンパウンドで磨いてみる。一見派手な線キズも、塗装まで行かないような軽いのはコンパウンドで消えてしまうとのこと。そうやって処置するキズと処置しないキズを見極めるのだ。

コンパウンド作業してみると、たしかに線キズはけっこう消えた。茶色いサビもコンパウンドでけっこう取れるのね。
さてお次は、

いよいよ恐怖のペーパー(紙やすり)がけ作業だ。こんなん手にするの中学の技術家庭の授業以来じゃないか?ホントにクルマを研いじゃっていいの?うーー、怖い。

キズに水を霧吹きし、ビビリながらもひたすらペーパーをシャコシャコかける。忌まわしき錆びは取れたようだが、どうにも元の塗装とキズの段差があるな。師匠は動画でそこをテキトーに済ませると後で失敗する、みたいに言っていたが、なにぶん正解がわからない。

まぁ、こんなもんでいいんじゃね?くらい研いだところで止めにして、いよいよ塗装作業に移ろう。タイヤとスライドドアの端っこをマスキングしてみた。

いよいよスプレー缶で塗装開始だ。このスプレー塗装ってやつはとにかく噴き付けすぎるとすぐに液ダレして失敗するらしいので、緊張MAXだ。

師匠の動画の教えの通り、ひたすらタレないようにフワッフワッとスプレーしては休み、またスプレーを繰り返した。ただ肝心の傷口は塗装で埋まるものと思っていたが、とりあえず色は入ったっぽいが「ここにキズがあります」という感じはどうにも解消しない。やはりこれはペーパーの研ぎが甘かったのか、はたまたこのキズならパテ埋めとかしないとダメなレベルだったのかよくわからない。

しつこいくらいの重ね塗りをしてみたがやはりキズの段差は塗料では埋まりそうにないので、塗装はこの辺で妥協することにした。

お次はクリアーを塗装面より多めに何度塗りかして、

最後にクリアーと非塗装面との境目にボカシ剤を振りかけてこの日は終了だ。

このまま一晩乾かして、

翌日、最終仕上げだ。なんかモロ艶消し塗装な感じで、これはクリアー噴きが甘かったのかもしれない。

午後には車検に持って行くので、その前に仕上げねばならない。先ずはコンパウンド作業だ。これが手作業だととんでもないくらいの重労働だとネットでは言われていた。
やってみると確かにコンパウンド作業は大変だった。右手が疲れたら左手にバフを持ち替えて磨いては拭き、磨いては拭くの繰り返し。プロはポリッシャーなる機械でやるそうだが、ヒマなジジイは手でシャコシャコと磨くしかない。

ひたすら磨いてみたが、やはりどうしても塗装面は艶消し感が消えず。

キズはニキビ跡クレーターのようにモロに目立つが、一応は色は入っていてまぁ錆びは防いでいるんじゃね?
もう、、、この辺でカンベンしてやろうか。10万以上かかると言われたのが、1万ちょいでなんとか処置出来たと思えば、オイラ的にはこれで上出来だ。
両肩が筋肉痛になりながらも車検に持って行ったら、社長は「キレイに直ってますよ!」とお世辞を言ってくれた。ま、それで良しとしよう。次がもしあれば(もうあって欲しくないが)、その時は傷の完全埋めと入念なクリア噴きを心がけることにする。
ちなみに今年から導入された二か月前車検でお願いしたが、あっさりと通った。その際、冷却水漏れを入念にチェックしてもらったところ、古いハイエース特有の原因だと判明した。こちらでも触れられている通り、ウォーターバイパスパイプなる部品が樹脂製なのが全ての元凶で、かなりポピュラーな不具合だそうだ。現行のハイエースはこの部品が金属製だそうで、もちろんそれに換えてもらった。あぁ原因がわかって良かった、、ってそんなんリコールじゃないの?天下のトヨタさんよ。
ま、とりあえずこれで安心して次の旅に出られるというもんだ。