10月9日(木)
「道の駅信州蔦木宿」の朝が来た。

冬用の寝袋じゃあまだ暑そうだからってんで、こんなもんで上等だろうとポチっと買って今回持ってきた、

コールマンのペラッペラの寝袋だと明け方プルっと寒いくらいであった。
さて皆で朝トイレでも行くべとコンパスを出ると、見るからに人の好さそうな親爺さんがコンパスのポップアップルーフを眺めながら話しかけてきた。
「これは、、、ベース車は何なんですか?」
どこからどう見てもハイエースだろ、とは言わずにこやかに「ハイエースです」と答えると、
「これは、、、架装にどれくらいかかったんですか?」と続く。どうやらワタシが独自に作ったクルマだと思ったらしく、「いやこれ既製品ですよ」と答えるとようやくご納得のご様子だった。この親爺さんも同じくポップアッパーらしく、「上に寝られていいですよね」「そうですね、でも外でアイドリングされるとうるさいすよね」と軽く会話を終えて別れた。

おお、あれが親爺さんのクルマだな、と横を通りつつ散歩に出る。

大型ゾーンにはかなり気合の入ったペイントのトラックが停まっていた。

それではこちらも気合を入れて川っぺりに下りるか。。
熊さんたちが最も活発なのは早朝と夕方らしいので、

今朝もしっかりと熊鈴を鳴らしがら歩くが、エルはその音が気に入らない様子でやたらとこちらを振り向いていた。お前が責任持って追っ払ってくれるんならこんなん要らないんだけどね。


まさに、今にも親子熊が出てきそうなシーンではないか。


ほどほどにして駐車場へ戻りましょう。

そんな中、なんとこの爺様、ベンチで野宿した模様。まさに無敵の人だ。
さて今朝は、

昨日「ひまわり市場」さんで買っといたパンを頂く。

家から持ってきたもやしの酢の物と粉末スープとともに頂いたが、どれも実に美味いパンだった。

エルブレにもほんの少しおすそ分けすると、目の色を変えてがっついた。
さて今回はシーズン初っ端の旅ということもあるので、無理せずに今日はこの近辺で過ごすことにする。久々にアウトレットでも行ってみっか?と検索すると、

もう二年も前に潰れていたとは。。知らなんだ。

どっかいいとこないかなと地図を見ると、ここから少し南へ下ったところに無料のドッグランがあるようなので先ずはそこへ行ってみることにした。

最後にダメ押しで川っぺりを散歩してからお世話になった蔦木宿を後にし、

気持ちの良い田舎道を走ってやって来たのは、

「尾白の森・名水公園べるが」さんだ。

キャンプ場や温泉もある公園ということらしく、入場およびドッグランは無料とのことだ。
さっそくドッグランに行ってみよう。


早いもので今やエルブレも8歳と立派なシニア犬になった。ドッグランに入れても大して走らないんでは、、

まだまだやるもんだね。
貸し切りだしなかなかいいランだなと感心しつつ中を歩いていると、

ん?

トゲトゲしたものがやたらと落ちているではないか。

栗だ。

エルブレは走り回っているけど踏んでも痛くないのかな?と触ってみると、完全なる「針」だった。こんなの踏んだらブレアなら大袈裟に絶叫するだろうに、奴らあれだけ走っていても意図的に交わしていたの??

やるな、おぬしら。

イガイガで怪我する前にドッグランを切り上げて、公園内の散歩にスイッチだ。

全長1kmとは散歩にちょうどいいね。
いざ道案内に従って歩きだしてみると、ここから先はグランピングエリアで利用者意外ご遠慮ください、などあって、どうにもコースがわかりにくい。

散歩を切り上げて公園を後にし、昼飯を食いに北上してやって来たのが、

「キッチンハートランド」さんだ。
こちらは犬同伴OKの店らしいが、

それはこちらのテラス席はもちろんなのだが、

なんとありがたいことに店内も同伴OKなのだ。テラスも気持ち良さそうなのだがあいにく風が強めなので、店内に入れて頂くことにした。

面白いことにワンコ店内OKなのだが、人は土足禁止という。え?それでワンコはそのまま入っていいんですか?と思いきや、足を拭く雑巾を貸してくれるというシステムだった。変わってる。

優しそうなお母さんが二人で切り盛りしているお店のようで、「人生の楽園」にそのまま出てきそうな雰囲気だ。

素朴で美味そうな言葉が並ぶメニューからなんとか選んだ後で、出された水をグイと飲んでそのあまりの美味さに唸る。「この近くの湧水だから美味しいですよ」と言われたが、ホントに美味いのだ。

美味い水をすすりながら貸し切りの店内でのんびり待っていると、頼んでいたおふくろセットが運ばれてきた。素朴だが実に魅力的なビジュアル。これこれ、こういうメシが食いたかったんだよ。

メインは鶏挽肉を油揚げで巻いたというおそらく初めて食した料理で、なんとも美味だった。その脇を固める小鉢クインテットは、当たり前だが全てお母さんたちの手作りでどれもレベルが高くて美味い。中でも素晴らしかったのは、ひじきと豆の煮ものだ。ビジュアル的にはどこのスーパーにも置いてあるありきたりのものだが、市販品のような嫌な甘さなど皆無で異常に美味い。文句なく、今まで食ったこの料理の中でダントツのトップだった。もしかしたら今後これを越える味には出会えないのではないかと真剣に思えるくらいのクオリティだった。

奥さんが頼んだハンバーグドリアはというと、もちろん美味いのだがドリア特有のあのマグマのような熱さが無かったのがちょっと物足りなかった。こちらを訪れる方々には是非とも和食をオススメしたい。
そして困ったことに、ここの名水で炊いたご飯がこれまたべらぼうに美味いのだ。

旅がオフとなった6月以降、秋冬の暴飲暴食に備えて少しでも減量すべく自らに科した掟が、「お代わり&大盛り厳禁」だった。この4か月ちょっとの間、なんとか掟を守ってこれたのだが、「新米だから美味しいですよー。どうぞお代わりしてください」というお母さんの言葉にあえなく陥落となり、当たり前のようにお代わりを頂いてしまった。だってあまりにも美味しいんですもの。この夏に掟を守ってこれた一因が、令和の米不足だ。コココマイとやらのせいか外の飲食店で食う米があきらかにレベルダウンし、白米に対する欲望が上手いこと抑えられていた。だがここの新米を一口食ってしまったら、もうダメだ。

いやー、食った食った。近くに来たらまた寄って、今度はテラス席でのんびりと頂きたい。
さて食う物食ったばかりなのに、早くも心配は夕食だ。いくつか道の駅を覗いてみたが、この辺りはあまり惣菜類を置いていないようだ。北海道の道の駅っぽい。
結局やって来たのは、

昨日に引き続き今日も「ひまわり市場」さんだ。

夕食を調達した後で県道を北上して向かうは、バブル期には日本を代表するリゾート地としてブイブイいわせていた清里だ。先代犬と来て以来実に16年ぶりで、思い出の清泉寮でソフトクリームでも舐めようかと思ったが、最近のクチコミがイマイチなのでその代わりにやって来たのが、

「清里ミルクプラント」さんだ。

こっちにして正解の美味さだった。
さてちょいと早いが今宵の宿へ向かうとしよう。

やって来たのは、

「道の駅南きよさと」だ。今宵はこちらでご厄介になる。

こちらは犬連れに優しい駅のようで、ドッグランも二か所用意されている。

せっかくの貸し切りなのにさっぱり走らなかった。イガグリランで昼間走ったからもういいやという気分だったのか、はたまた徐々に疲れやすくなってきているのか。

それなら場内の散歩に切り替えよう。

池には鴨がプカプカと浮いている。

池に架かる橋の先には犬も入れる食堂があるが、残念ながら夜はやっていない。さらにその先には、

場合によっては犬も乗れるリフトで行く山頂には花の森公園というのがあるらしい。空いてそうだし行ってみるかとも思ったが、そんなでもないか?と思い直してパス。
直売所を覗くと、

さすがは山梨、シャインマスカットが安い。今回の旅の最大の目的がブドウなのだが、もう夕方で売れ残っていたこれらは鮮度もイマイチそうと奥さんが言うのでスルー。明日の朝に並ぶであろうブツに期待することにする。

そうこうしているうちに陽も暮れてきたので、そろそろ夕食としよう。

今宵は昨日に続いてひまわり市場の馬刺しにまぐろほほ肉の竜田揚げにコロッケと、ここで買ったミニトマトというラインナップだ。

馬刺しは相変わらず新鮮で美味く、マグロの竜田揚げも従業員のなんとか君(将来の店長候補らしい)のオススメだけあって良かった。

ここも山間の静かな場所なので熊鈴をつけての最終散歩に出た。

今夜も静かに眠れそうだ。
本日の走行距離:54km

