北の酒場通りには、ひとり飲みの聖地あり

またまた当ブログを一か月以上も放置してしまった。季節はすっかり冬となったが、その間もぼちぼちとちょっとした出来事があった。

11月のある日、母親が入院したと連絡が入った。御年86歳、すっかりと老人になり電話ではさっぱり要領を得なくなってしまったので、主治医を捕まえて様子を聞いた。軽い脳梗塞とのことだった。最近脚がやたらとむくむので別のところへ行くと、即「ここへ行け」と言われた今の脳外科専門の病院に入院となったようだ。杖をつきつつも自力で歩いて辿りつけたので、まあ軽い症状なのだろう。穿通枝(せんつうし)という細い血管が詰まったようで、いわゆる本格的な脳梗塞じゃなくてラッキーだった。一週間くらい血栓を溶かす点滴をしてからリハビリになるとのことだが、幸い麻痺などは見られないそうだ。まぁ症状が軽いなら別にいいかと思ったが、来てほしそうな雰囲気だし医師と詳しい話もしておいた方が良さそうなので、急遽帰省することに相成った。

何年振りかの飛行機は、もちろんケチってAIR DOだ。それでも急遽3日前くらいに予約したので、そこそこ取られる。

機内ではいつものようにオニオンスープを頂いて機内誌なんぞをパラパラとめくって時間を潰していたのだが、

いつの間にか時代がすっかり変わっていて、スープが鼻から出そうなほど驚いた。以前なら席の穴にイヤホンを差し込んでせいぜいラジオの録音くらいしか余興が無かったが、今やQRコードを各自読み込んで機内WiFiに接続し、各自のスマホで動画が観られるようになっていたのだ。知っていたらイヤホンを持ち込んでいたのに。。音を出すのも憚られるのでささっと観るだけにしておいた。

それにしても、、我ら酒飲みのカリスマ吉田類氏、けっこう色んな仕事してんだな。

そうこうしているうちに無事に千歳に着陸し、素早くJRに乗り込んだ。

目指す病院は地下鉄東西線沿線なので、新札幌でJRを降りた。ここいらで昼を済ませたいところだが、何かあるかな?

今回のひとり旅は飲食くらいしか楽しみが無いので外したくないのだが、あまりこだわって探していると時間が無くなる。新札幌の改札を過ぎると、目の前にラーメン屋があった。

中を覗くとそこそこ客が居て、しかも年配のいかにも地元民風のご夫婦や外回りのリーマン風が食っていたので、思い切って入ってみた。「龍竜」さんだ。

今回の一食目は、こちらの味噌ラーメンだ。味はアッサリで薄目だが、健康には良い。さすが年寄客が多いはずだ。その年寄たちは、ライスだの大盛りだのとけっこうヤンチャに頼んではいたが。麺はご存知西山だけに、あの独特の香りが食欲をくすぐる。この香りを嗅ぐと、ああ故郷に帰ってきたな、と思う。

ラーメンを啜り終わると、地下鉄南北線に乗って病院へと向かう。

地下鉄を降りて地上へ出ると、雪はほとんど無くて助かった。当然、冬靴なんて準備していないからだ。

病院へ着いて母親の病室へと行くと、「あら?来たの?」と拍子抜けなリアクションだった。確かに顔面にも四肢にも何の麻痺も無いようでとりあえずひと安心。着の身着のままで入院となったので眼鏡だのケータイの充電器だのと色々欲しいと言うので、ちょっと話した後で母親のマンションへと向かった。

ごみ溜めのような部屋を覚悟していたが、そこまで酷くなくてほっとした。

問題は冷蔵庫の中身だ。入院が何日くらいになるのか全くわからないので、野菜やら卵やらをどうすべきか。。

とりあえずはそのままにして病院へ戻った。看護師さんにお願いしてみると主治医と少し話せるという。やたらとオペがある先生らしく、ラッキーだった。

脳のCTを見せてもらったが、小さい脳梗塞という割には想像よりも大きかった(左側の白い部分が梗塞だそうな)。今やれることは点滴しかなく、その後はリハビリなので先生としてはもうやれることは何もないとのことだった。そりゃそうだな。入院がどれだけ長引くかも、後はリハビリのセンセイに聞いてくれとのこと。

リハビリは午前と午後とあり、午前は脳トレ系、午後は運動系で、午後の担当者がリハビリチームのリーダーだそうで、明日の午後に話が聞けそうだとなった。じゃあ明日の午後にまた来るわと病院を後にし、今夜の宿へと向かった。

いつの間にか札幌の中心部はビジネスホテルだらけになっており、しかも物価高の昨今なのにやたらと安くて驚いた。熾烈な価格競争が繰り広げられているのやら。

そんな数ある中から選んだお宿は、「ホテルリブマックスプレミアム札幌大通公園」だ。なんと天然温泉のあるこの宿が、Booking.com経由で4,000円で予約出来た。なんとまあいい時代になったものだ。

しばしローカル番組なんぞを眺めた後で、いざ街へと繰り出した。さぁてどこへ行こうか?まさによりどりみどり。なんせ、北の酒場通りには、男を泣かせる歌がある、のだから♪

ホテルで色々と検索し、ふらふらとススキノ方面へと吸い寄せられるように歩いて行き、辿り着いたのは、

狸小路6丁目の入口にある「居酒屋 瑠玖&魚平」さんだ。クチコミによると、ひとり飲みに最適っぽいのだがどうだろう?

カウンターに通されてキョロキョロ店内を見渡すと、確かにひとり飲みのオヤジだらけだった。これは居心地良さそうだ。

何はともあれ、サッポロクラシックで喉を潤す。くーーー、この瞬間のために今日生きてきたんだ。

クラシックの喉ごしを楽しむのも束の間、若いイケメン店員が「よろしかったらあちらからお通しどーぞー!」と声をかけられる。

行ってみると、魅力的なおばんざいがこれでもかと並んでいる。なるほど、1回限りで盛り放題だそうな。

けっこう意地汚く盛ったつもりだったが、後から来たカップルはさらにこれでもかとてんこ盛りにしていた。もうなんならつまみはこれの特盛だけでいいのかもしれない。しかもあら汁は無料で飲み放題らしい。なんだこの店?素晴らし過ぎないか??

とは言いながら北海道くんだりまでやって来て魚を食わないわけにはいかんだろと、当然のごとく刺身を頼む。

よりどり3種盛り1,580円ということで、悩みに悩んだ挙句に選抜したトリオは、真いか、つぶ貝、真鯛というメンバーと相成った。この刺身は、とにかく素晴らしかった。鮮度よし、味よし。いかもつぶもとにかく甘く、真鯛はモチっとした食感で味が濃い。

こうなりゃ欲しくなるのが日本酒だ。増毛は国稀の鬼ころしを頂く。

いやー、いい店だった。こんなに心地よくひとり飲みが出来る店は初めてだ。それもそのはず、後からも続々とソロドリンカーたちがやって来ていた。ここはリピート確実だな。

上機嫌でホテルへと戻り、温泉に行ってみた。大浴場と呼ぶには小さいが、実に気持ちよく入れた。入った途端、全身紋々のお兄さんと目が合ってビビったが、腰の低い方でほっとした。

部屋に戻って軽く寝酒を呷ってから、眠りについた。

二日目の朝は、

セコマのベーコンおかかオニギリを頂いた。昨夜買った時はせっかくホットシェフで温かったのに、冷蔵庫で一晩冷やしてレンジでチンしたらさほど美味くなくてガッカリだった。

食後に飲むコーヒーは、コンパスの中から引っ張り出して持ってきたスタバのドリップコーヒーだが、

とっくに賞味期限切れで、若干香りが弱かった。

昨夜飲みに行く前に、今後のスケジュールを立てた。今日リハビリの担当者と話してから帰ろうとも考えたが、前日予約だと飛行機が目が飛び出るほど高くて止めた。AIR DOで3万超え、試しに見るだけ見てみたJAL,ANAだと5万オーバーだった。これって、大昔の固定料金時代よりも高いだろ。

結局、今夜もう一晩ここに泊まり、明日の午後にスカイマークで帰ることに決めた。

さて病院の面会は午後からで、それまではフリータイムだが何をしようか。迷った挙句、やって来たのは、

白い恋人パーク」だ。

6月にも訪れており、まさか年に二度も来るとは思わなかった。

これまではここを訪れるのは決まって午後だったのだが、今日は午前ということで初めてコンサドーレの練習を観ることが出来るのだ。

我らがコンサドーレは残念ながらブービーの19位で2024シーズンを終了して既にJ2降格が決定したが、この日の時点では崖っぷちではあるが残り2試合を残して数字上はまだJ1残留の可能性が残っていた。

そのためかド平日の午前中にも関わらず、練習を観に来たサポーターが少なからず居た。

そんな状況下で選手たちはというと、ピリピリとした緊張感は皆無で、楽しそうに歓声を上げながらボールと戯れていた。

しばらく遊びの延長線上的なウォーミングアップをした後に少しは来る広島との決戦に備えて実戦的な練習に移行するかと思ったが、結局最後まで楽しく攻撃するのに終始していた。素人にはわからないのかもしれないが、ここに来てもどうも現実的なというか対戦相手の対策というよりは気持ちよく自分たちのやりたい練習だけやっているように感じた。例えると、受験生が試験に出るであろうエリアを徹底的に対策することもなく、自分が好きなやりたいところだけ勉強して試験に挑み、結果惨敗という感じに思えた。とりあえずJ2に落ちてしまったが、悪夢のようなここ数年はようやく終焉してくれた。ここからは新監督の下でシビアに闘いに挑み、見事にV字回復してもらいたい。

練習見学の後は奥さんからの指令により、ショップへ移動して指定のお菓子を買い込み、宮の沢を後にした。

練習見学中に母親から「肌着を買ってきてくれ」とリクエストが入ったのでイオンで済ませた後にランチへと向かった先は、

ラーメン鴨鍋 純平」さんだ。

今回の旅の二杯目のラーメンは、

醤油にした。スープの色は濃いが、味はクチコミどおり優しかった。練習見学で冷え切ったカラダに染みた。そういえば昨日の新札幌に続き、ここも麩が入っていた。札幌ラーメンに麩なんか入っていた記憶はこれまで無いのだが、これが王道なんだっけ?

まだちょっと時間があったので札幌の中心部へと戻り、

奥さんからさらなる指令により、六花亭、ロイズ、きのとや等々を駆けずりまわり、お土産を買い漁った。

ちなみに札幌丸井のコンサドーレショップも覗いてみたが、スッカラカンでほとんど商品が置いていなかった。シーズン終盤だからもう入荷していないのだろうか。

札幌の街中には相変わらず市電が走っていたが、子供の頃から見ているようなオンボロな車両も元気に姿を見せてくれたが、たまに宇都宮のトラムのような近代的なのも居た。

買い漁った奥さんへのお土産スイーツをホテルに置き、病院へと向かった。しばらくしてリハビリの時間となり、現れた理学療法士は見るからに善人を絵に描いたような人だった。

椅子から立ち上がったり階段を登り降りするという、いずれ母親が実生活に戻れるようにトレーニングをしてくれつつ、色々と話が出来た。母親の状態は、想像していたよりも幾分マシな感じでしっかりめに歩けていた。

退院はどれくらいになりそうですかね?と質問したが、理学療法士の立場ではハッキリとしたことは言えず、主治医の先生次第とのことだった。昨日主治医は、「リハビリのセンセイのご意見次第」的なこと言ってたんですけど。。。どこの組織も似たり寄ったりですな。

とりあえず感覚的にはあと2週間は退院は無いなとなり、じゃあ冷蔵庫の中身どうする?捨てるか?で母親とあーだこーだ話した結果、再び母親のマンションへ行って捨てることにした。

これで明日はもう東京に帰りますよと母親に言い残し、マンションで小さ目の札幌指定生ゴミ袋3つに野菜やらヨーグルトやら卵やらを詰め込み、ゴミ置き場に捨てて本日の業務は終了と相成った。そういえば夕方にススキノで何やら爆発事故があったと報道されていたが、どうなったんだろ?

さて今宵の店はどうしよう?また昨夜の「居酒屋 瑠玖&魚平」さんでもいいかと思いながらホテルへ向かっていると、一軒の店が目に入った。

てまひま」さんだ。この晩酌セットの文字に魅かれて入ってみた次第だ。

札幌には珍しく?クラシックではなくサントリー生を先ずはグイっと呷る。滅多に飲まないせいか、妙に美味く感じてあっという間に空になった。

先ずはおでんがやってきた。出汁がきいていて実に美味い。

お造りは量は少ないが、どれも新鮮で美味かった。

大将に「2杯目はどうします?」と聞かれ、迷わず日本酒をチョイス。

まる田の純米を注いでもらう。キリっと冷えていて実に美味かった。

二品目のおばんざいは天ぷらだった。当然美味し。

この晩酌セットでお勘定してもらい、店を後にした。この後、二軒目でも行こうかとも思ったが、セコマに寄って部屋飲みにしておいた。

温泉に浸かった後で、ひとり二次会をしてから二日目も終了した。

札幌最終日の朝を迎え、ザブンと温泉に浸かってから朝食だ。

写真を撮る前に一口かじったが・・

安くてでかくて有名な札幌が誇る街パンチェーン、「ボストンベイク」のパンを何年振りかに頂いた。当然だが、ここも昔に比べれば値上げしていた。

テレビでは昨日起きた爆発事故を盛んに取り上げていた。

さて今日は16:15のフライトを予約したが、それまで何をしようか。

仕様がないのでこちらのサイトを見てみたが、当然と言えば当然だが過去に行ったことのあるところばかりだった。そんな中、16箇所中でたった一つだけ行ったことの無いところがあったので、ヒマつぶしに行ってみることにした。

それがこちら、

AOAO SAPPORO」だ。昨年の夏にオープンした狸小路のビル内にある水族館だという。

先ずは室内に置かれた数々の水槽から始まる。

魚だけではなく、ニョロニョロしたのやら両生類や爬虫類など、色々と観られる。

最も人気があるのはやはりこの方々、

ペンギンだ。

いい時間つぶしになった。

さて、そろそろ空港に向かおうか。と、その前に、

野次馬根性出してやって来たのは、

昨日の事故現場だ。ほぼ原型はとどめていたが、よく見ると炎が出ていたところが黒ずんでいた。

通りを挟んだ歩道には数名の報道陣が待機していた。

さあてとススキノを後にし、一路空港へと向かった。

奥さんからのさらなるお土産指令をこなし、

北海道最後のメシにとやって来たのは、「函太郎」だ。

なんか気のせいか、えらい値上げしているような。。

とりあえずお得なメニューを選択した。

調子に乗って食ってたら大変なことになりそうなので、適当に切り上げた。

やがて搭乗時刻となり、超久々となるスカイマーク機だったが無事羽田に着陸した。最近はAIR DO専門だったが、スカイマークでも全く問題ないな。

ちなみに椅子はレカロらしい。

こうして突然の二泊三日の札幌旅は幕を閉じた。

その間、我が家ではオヤジが不在でせいせいした女子3名がのびのびと羽を伸ばしていたようだった。

最後までお読み頂き、有難うございました。もしよろしければ、最後にポチっと押して頂けると幸いです。↓

にほんブログ村 旅行ブログ ペット同伴車中泊の旅へ にほんブログ村 アウトドアブログ キャンピングカーへ にほんブログ村 犬ブログ 元捨て犬・元保護犬へ