3月23日(日)
「大浜海浜公園」の朝が来た。

静かな夜だったが時たま突風が吹き、車体の揺れで目が醒めた。

結局他のクルマのオーナーの姿は全く目にしなかった。普通に日々の駐車場として利用しているのかもしれない。

まだ薄暗い中、となりの堤防まで散歩してみよう。

見るからに釣れそうなポイントだが、誰一人竿を出していないという贅沢さ。今回も一応釣り道具を荷台に忍ばせては来たが、オヤジ一人勝手に遊べるような時間は旅の中ではなかなか取れない。やはりそれ自体を目的としたひとり旅をいつの日かのんびりとしたいものだが、それまで元気に居られるのかが心配だ。

お、向こうには鳥居が見える。

須佐神社だそうだ。

廃屋の脇には朽ち果てた100系ハイエースベースのバンコンが置かれていた。どうやらロータスRVというよく聞くビルダーで今でも売っているE-SPiRitというモデルの旧い型のようだ。もったいない。

今日もいい天気になりそうだ。

今朝は、上蒲刈島の「ナチュラルベーカリーこはる舎」さんで昨日仕入れたパンによるパン祭りに、せとかの食べ比べという豪華企画だ。パンはどれもハズレが無く、最高に美味かった。

せとかは、しまなみ(大三島)vs.とびしま(大崎下島)という対決で甲乙つけがたかったが、軍配はとびしまに上がった。酸味と甘みの絶妙なハーモニーで、極薄皮の身の食感がたまらない。
今日はさらに贅沢にもいつものインスタントではなく、

先代犬の頃からの友人であるねねゆきは家から頂いた「猿田彦珈琲」のレギュラーコーヒーにレモンケーキを添えて頂いた。*ワタシが普段、賞味期限切れのスタバとか飲んでいるのを見て不憫に思ったらしく贈って頂いた。

何という贅沢なひと時。普段はインスタントでも旅情の助けのおかげで充分満足なのだが、やはりレギュラーコーヒーの方が美味いに決まっている。ねねゆきは家の皆さま、ご馳走様でした。
さてたっぷりと寛いだ後は、お世話になった「大浜海浜公園」を後にし、再度西へ向かう。

またまた豊浜大橋を渡って豊島に入り、


豊島大橋を渡って上蒲刈島へ入り、

昨日ふられた「県民の浜」にやって来た。今日は、

ここ「恵みの丘レストラン」で昼飯を頂こうという魂胆なのだ。

ここは建物の裏手にはオーシャンビューな広場とドッグランがあり、


4テーブルのテラス席が用意されていて、犬もOKという嬉しい所だ。日曜だが開店と同時なら大丈夫だろ、と高をくくって来てみたら、既に2テーブルは予約されていて危なかった。
ちなみにこういう造りの場合、犬は建物の周りをぐるっと迂回して裏手からテラスに入るのがほとんどだと思うが、ここは何と正面玄関から犬を歩かせながら入って裏手に突っ切ってOKという寛容さだった。

クチコミによるとこちらのメニューはかなりボリューミィらしく、大盛り無料だがそれに乗せられてはいけないとあった。やがて運ばれてきた定食を見て納得。


主菜の量が半端ないのに、さらにたくさんの小鉢類がこれでもかとお盆に乗せられている。カキの味がとにかく濃く、グレとカンパチの刺身も素晴らしかった。鶏カラはデカイ見た目に反して衣の味が薄味でアッサリでGood、トンカツもサッパリしていて実に美味かった。

サービスのコーヒーまで頂いて、大満足なランチとなった。

メシの後は園内を散歩させて頂こう。

ところどころで海が見えて素晴らしいロケーションだった。


さて今日でこことびしま海道を離れるが、その前に残った最後の島へと行ってみよう。

蒲刈大橋を渡ると、

そこが下蒲刈島だ。

奥さんは橋の下にある土産物屋を覗きに行ったが、目ぼしい物は全く無かったらしい。

最後に島の南端にある展望台へ行ってみたのだが、

通行止めで行けず。
入ったばかりの下蒲刈島をあっという間に出て、再び上蒲刈島へと戻って立ち寄ったのは、

「であいの岬公園」だ。

あの向こうに見える展望台が良さそげなので、行ってみよう。





たしかに絶景だ。

さて、フェリーの時間もあることだし、そろそろ東へ向かおう。

さらば、安芸灘の美しい島々よ。


次に訪れる時は、もうちょっとのんびりしたいものだ。

再び岡村島の宗方港に到着した。かなり余裕をもって着いたのだが、昨日とは打って変わりクルマの数も多く、ライダーもかなり居た。

出航まで時間があるので、近所の港をふらついてみる。





お、コンパスが見えるな。

「へき地出張診療所」というのがあった。Dr.コトーみたいな先生が派遣されてくるのだろうか。

やがて船がやって来て、ようやく乗船タイムとなった。

さらばとびしま、また逢う日まで。

やがて大三島に上陸し、ライダーたちは風のように去って行った。

さてお次は三つ目の海道を目指して大三島からしまなみ海道へ上がり、


因島南で下り、

やって来たのは土生港だ。

ちょうど出航直前の船に飛び乗った。


あっという間に対岸の立石港に到着し、

上陸したのは三つ目の海道である「ゆめしま海道」の生名島だ。

生名島から佐島へ渡り、

ようやく本日の目的地である弓削島の役場が見えてきた。二年ぶりの訪問だ。
今回もご厄介になるのは、

「弓削港ひだまり公園」だ。

とりあえず安着散歩に出ようか。

今回の旅は島旅ということであまり広い範囲を散歩させていないせいかエルは若干ご機嫌斜めで、コンパスから降ろす時もダッコの際に癇癪をおこして大暴れして、まるでハトヤのCMの魚のようだった。


下に降ろして少し散歩させてしばらくすると何事も無かったように穏やかになる。何かあってもすぐにコロっと忘れるところがエルのいいところでもある。


さらに通りを渡って「友愛の水」記念公園に足を延ばす。


元町長の碑の前で。

やがて陽が暮れていった。
さて今宵はこちら、

人気店だという「ゆげしまダイニング彩」さんにお邪魔する。

人気店というだけあって、離島とは思えないオシャレな店内だった。

注文もタッチパネルシステムだし。




先ずは枝豆にここ上島町産の鯛とタコの刺身からスタート。当然ながら全て美味し。

こちらは豆腐もウリだというので一品頂く。うーーん、美味い。


さらにガンガンと注文する。そうなると欲しくなるのが、

日本酒だよねえ。この辺の酒で辛いのが欲しいんだけど、とホール係のお兄さんに言うと、奥の厨房から、

愛媛は西条の賀儀屋ブラックラベルがレアで良いとリコメンドされたので、迷わず頼んだ。

ワイングラスで供されたブラックラベルはフルーティで最高だった。
いい感じに酔っぱらっていると、ホールのお兄さんから「どちらから?」と声をかけられそこからしばし雑談となった。このお兄さん、元々は伊豆七島は三宅島の出身で、三原山の噴火やら何やらで色々思うところのあったお父さんがここ弓削への移住を決断したとのことで、お兄さんが中学の頃にここへ来たとのこと。どおりでまるで訛っていないと思ったわ。ワタシとしては現在、終の棲家のランキング1位である弓削島だけに、「いいとこですよねー」と顔を赤くして気楽に言うと、
「・・・いい時はいいんですけどね・・・・」
と一瞬、翳のある表情になったのを見逃さなかった。まぁ、どこも色々あるんだろうな。

さくっと飲んで食って、エルブレの待つコンパスへと戻る頃は外は漆黒の闇であった。そして海はようやく待ち焦がれた湖面のような静けさであった。

ホロ酔いの状態で、昼間やった愛媛vs札幌の試合をDAZN観戦した。ちょうど愛媛に居るのだから試合会場まで行こうかとも考えたが、試合後のちょうど良い泊場が見つからなかったので断念した。J2最下位争いなので昨年までのようにすぐ寝落ちするかと思いきや、意外にも最後まで観られた。やはり勝ちゲームだと違うんだな。

二年前と同様に今宵も静かな夜になりそうだ。
本日の走行距離:105km (フェリー 9km)
