2025 晩秋の四国九州旅 十七日目 さらば五島また会う日まで

11月26日(水)

「有川運動公園」の朝が来た。

静かに眠れていたところにカーステをジャカジャカ鳴らしながら1台のクルマがやって来た。その竹内まりやのセプテンバーで叩き起こされたのが夜中の1時。。。そいつはすぐに立ち去ったようだが、そこから熟睡できず朝までウトウトのみ。

今朝もジョギングコースを散歩した。ここは肉球も汚れないし最高だ。

昨夜のお仲間は2台だけだったようだ。

朝食は「エレナ」で買ったサンドイッチだ。

素朴で美味し。

さて今日で五島も最後で、13:35発のフェリーで島を出る。無事に運航しているようだ。

お世話になった有川運動公園を後にする前に、最後にもう一度散歩させて頂こうか。

誰もが自由に使えるバーベルともお別れだ。

お、球場のスコアボードに上れる階段が開いている。

めったにない経験なのでちょっと失礼して、

こういう手で付けたり外したりするスコアボードも絶滅危惧種なのだろうな。

さすがは五島、公衆トイレにもステンドグラスが

有川運動公園、素晴らしいところでした。

昨日まで教会巡りに無理やりつきあわせて引っ張りまわしたので、今日はフェリーの時間までのんびりする予定だ。

有川運動公園を出発して先ず寄ったのは、

わずか2分ほどのところにある「グリデキッチン」さんだ。ここで今宵のおかずを仕入れた後にダメ押しでエレナに寄り、いよいよエルブレタイムだとやって来たのが、

蛤浜海水浴場」だ。

日本の水浴場88選や日本の海水浴場100選などにも入る、白い砂浜にコバルトブルーの海が広がる遠浅のビーチとのことで来てみた次第だ。

残念ながら空が白い雲でビッシリと覆われているせいか、コバルトブルーとまではいかないが、

白いビーチは贅沢なことに無人だ。

とりあえず散歩を楽しもうぜとエルが引っ張る。

来てみて初めてわかったのだが、なんとここは有川運動公園のすぐ裏手だった。まさに灯台下暗し。

遠浅の白いビーチに出てみよう。

すると突然、エルにスイッチが入った。

大はしゃぎでブレアとグルグル走り回って追っかけっこを開始したのだ。

久々の砂浜が嬉しかったのか、はたまた故郷の与論を思い出したか。

無人のビーチにまるでミステリーサークルのような二つの円が描かれた。

さんざん暴れた後は、遠浅の浜辺を歩いてみようじゃないの。

昨日のシケが嘘のような穏やかな海だった。

砂浜は石畳のようにボコボコして硬くしまった部分もあれば、フカっと柔らかい部分もあった。

砂浜は好きだが、波打ち際には決して近づこうとしないエルだった。

ブレ、鼻がひどいことになってるよ

奇跡的にエルとカメラ目線ツーショットに成功

ママとは難なくスリーショットに応じるエルブレ

さて、この後もあるしそろそろ行こうかと言っても、

いつまでもここに居たそうなエルだった。

最後に無理やりオヤジとのスリーショットを撮って、蛤浜を後にした。

今日はフェリーに乗る前にまともな昼飯を食いたいとやって来たのは、

蛤浜からほんのわずかなところにある「かもめ亭」さんだ。

グーグルのスコアを4.3も取っている期待のお店だ。

色々あって悩んだが、せっかくだから五島牛のサイコロステーキと、評判のいいチキン南蛮とハンバーグを選択した。

五島牛のサイコロステーキランチ

チキン南蛮&ハンバーグランチ

サイコロステーキは柔らかくて肉の味がしっかりして実に美味かった。塩コショウだけでよく、タレは不要だ。ハンバーグも当然美味いが、チキン南蛮も酢がガツンと効いていてこれまたGoodだった。そしてご飯ももちろん美味いが、特筆すべきはスープが激ウマだったことだ。アオサと豆腐のスープでもう一杯お代わりしたいほど美味かった。地図を見ると有川運動公園から歩いて8分くらいだと知り、実に悔しかった。知っていたら昨夜も来たのに、と。

腹も膨れたのでそろそろ有川フェリーターミナルへと移動しようか。

ターミナルビルの天井には鯨の骨が

13:35発の便なのに発券が12:30とまあ暢気だ。まだ30分くらいあるので、

周辺を散歩しよう。

この有川港は江戸時代から捕鯨で栄えたところらしく、鯨のオブジェや捕鯨砲などが展示されている。

ん?あちらには誰かの銅像があるな。

なんと第五十代横綱の佐田の山はこの島の出身とのことだ、って聞いてもピンとこないな、、

顔はパンサー尾形っぽい

おお、出羽の海理事長のことか!ワタシの世代にはそちらの方がピンとくる。

それにしても今日は暖かい。エルもすっかり寛ぎモードに入ってしまった。

やがて12:30になり、カウンターで無事に発券してもらった。行きと同様にエルブレは今回もターミナルビルから徒歩乗船とするが、何時に乗船開始とか何も言われなかった。

クルマの待機列でも、待てど暮らせど誘導員が来ない。また、後ろのドアを開けられるところに停めたい旨を会話したかったが、長崎港と違って一向に姿が見えない。

そうこうしてたら乗る船の姿が見えて来た。ラチがあかないので慌ててカートを組立て始めると、隣の列のクルマたちが乗船口に進み始めたではないか。いつの間にか誘導員らしき兄ちゃんの姿があったが、この期に及んでもうちのクルマの列には近づいても来ず、ただただ向こうで突っ立ってる。

奥さんたちがターミナルビルへ向かうのを見送り、コンパスへと飛び乗る。うちが待機列のポールポジションだったのに隣がガンガン乗船口へと進んでいるので、うちの列ももう行ってもいいと勝手に判断し、動き始めた。だがミラーを見ると後ろの車は続いてこない。あちゃ、やっぱりまだ動いちゃダメだった?ま、いいや。ダメだったらフェリーのケツんところで作業員に何か指示されんだろ。しかしはっきりしない兄ちゃんだったな。暢気にもほどがある。

いざ乗船というところに来たが、作業員は何も言わず中に誘導してくる。すかさず窓を開け、行きと同様に「後ろのドア開けれるところにー」とリクエストをぶつけ、あっさり受け入れられ広い場所に停められてとりあえずホっとした。

やれやれとエスカレーターで船室へと上がると、ちょうどエルブレたちが行きと同様に椅子席のコーナーに入るところだった。

後はまた2時間半の間、ただ乗っているだけだ。

やがて出航の時間となった。さらば五島、さらば中通島。いずれきっとまた来るぜ。

行きのサッカーと違い、テレビでは古臭い2時間ドラマっぽいのが流れていてつまらない。若き日の生瀬勝久が大したことない役で出ていた。

ふと隣の席を見ると、年の頃は30半ばといった風の姉さんがボリボリと何かスナック系を頬張りながらチューハイのロング缶を2本も空け、終いには長椅子に豪快にあお向けで寝っ転がっていた。まさに女傑。

この航路は通信状態が割といいので、下らない漫画なんぞを読みながらダラダラと過ごしていた。そろそろ終盤に差し掛かったかな?と地図を見ると、ちょうど世界遺産の島の横を通っているところだったので慌ててデッキに出てみた。

黒島だ。ここには、この旅お馴染みの「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつである「黒島天主堂」がある。

いつの日かきっと訪れるぜと心に誓い、船室へと戻った。

2時間半の船旅も終わりを迎え、車両のところへ行けとのアナウンスが流れるやいなや、

わらわらと車両甲板に人が下りて来る前に全てを終わらせるべく、トップバッターで船室を出て、

エレベーターで車両甲板フロアに躍り出る。

エルブレを乗せ、カートを畳んで仕舞って無事終了出来た。2回乗ってみて九州商船の作法は大体理解できた。次は安心だ。

船が着岸し、無事佐世保の街へと走り出す。

後は本日の宿場へと向かうだけだ。

宿場は20km弱だが、ちょいと高速に乗ることにする。

さくっと高速を下り、舞台を長崎から佐賀へと移した。

陽が傾き始めた有田町を北上する。

やがて到着した本日の宿場は、

RVパーク有田温泉」だ。

佐世保周辺には良さそげな宿場が見当たらず、昨夜電話して予約したのだが、

実は今日は有田温泉としては定休日なのだ。その分、RVパークとしては本来1泊2,400円のところ割安の1,800円で泊まれる。

じゃあ肝心の温泉は?というと、「お風呂は隣のスイミングのを使えますから」と昨日電話で予約した時に女将さんらしき人に言われた。「RVパークの受付もスイミングで」とも。

スイミング、って何だ?

本日休みの温泉の建物の周りには何もない。一体どこにあるんだ?スイミング。

時計と逆回りにグルグル施設を一周したらやっと入り口を見つけた。「有田スイミングスクール」の。

なんのこたない、コンパスを停めた場所のすぐ裏がスイミングの入り口だったのだ。

とりあえずRVパークの受付のために入り口をくぐると、ガラスの向こうのプールに小学生が40人くらい居るのが目に飛び込んできた。カウンターへ進むと、インストラクターと思しきジャージ姿の小柄な女子がやって来た。この女子、声があの世界のヤワラちゃんこと谷亮子氏にそっくりだった。おまけにイントネーションが九州丸出しなので、余計ヤワラちゃんっぽいのだ。

ゴミ出しやら給水やら電源やらのRVパークまわりの説明をヤワラちゃんから受けるが、かなりぎこちない。それもそのはず、温泉が定休日の日にRVパーク利用者の対応をするのが今日が初めてだと言う。そうか、本来ここのインストラクターちゃんたちの仕事じゃないんだもんな。

「それでお風呂なんですが、、、」と申し訳なさそうにヤワラちゃんが切り出した。なんでも、16時から18時まではスイミング教室があるんで、出来れば18時以降に入って欲しいと言うのだ。よく意味がわからなかったのだが、どうやらあの40人くらいのガキ共が受付周辺でわちゃわちゃとごった返すので我々の応対が難しいらしい。

「もしかして18時に風呂に入りに行くと、スイミング上がりのあの子たちも大挙風呂へ押し寄せてくんの?」と不安になったが、ヤツらは別の風呂に入るらしい。

本音としては、18時までに風呂を済ませてそこから一杯やりたいのだが、世界のヤワラちゃんの頼みなら仕方がない。と、その後、さらによくわからないことを言われた。

「ハイボール飲みますか?」

「へ?どういうこと??」飲めと言われればいつでも飲みますけど。

何と風呂上りにハイボールサービスがあると言う。なるほど、一缶プレゼントしてくれんのかーと喜ぶと、なんとジョッキで供されると言う。

「うち、サーバーあるんで♡」

なんとも不思議なスイミングクラブである。

とりあえず風呂の時間までは散歩でもしようと施設の外に行ってみるが、残念ながらあまり良いコースが無い。ちょっと不満気なエルだった。

やがて18時になったので満を持してスイミングの受付へ行く。

「ご協力ありがとうございます!」と満面の笑みで迎えるヤワラちゃん。「ではお風呂へご案内します」と言うヤワラちゃんに続いて先ず足を踏み入れたのは、なんとプールサイドだ。その途端、視界が真っ白になって何も見えねえ。この時、初めてここが”温水”プールではなく、”温泉”プールだということを知る。プールの中身が温泉なので、メガネが一気に曇ったのだ。

「ごゆっくりどうぞ♡」と案内された脱衣所は足元がスノコの上にいくつものバスマットが乱れて置かれていて、お世辞にもキレイとは言えない。大丈夫かな?と不安になったが、ロッカーはまさかの内側に100円を入れるインナータイプだった。どんなボロい風呂かと浴室へと入ると、そんなに広くはないが意外と立派だった。洗い場は4つしか無いが、先に入っていた親爺さんが「お先に!」と出て行ったので、独泉だった。そしてこちら、ヌルヌル温泉と謳うだけあって凄い湯だ。指の股がニュルニュルとし、まるで透明なジェルに浸かっているような湯だった。最後にシャワーで流してもなかなかニュルっ気が無くならない。まるで自分が両生類になったような気分だった。こりゃー肌にも良さそうだ。ただ残念なのは、若干塩素臭がした。これはスイミングの方の風呂だからで、本館の方は違うのか?

とりあえずサッパリし、受付で「ハイボールお願いします♪」と声をかける。ヤワラちゃんは忙しいようで、さらに若い別の女子が対応してくれた。てっきりスイミングの受付で渡してくれるのかと思ったら、「どうぞこちらへ」とスイミングを出ていく。さすがにガキ共も集まるスイミングスクールの事務所にハイボールサーバーがあるわけでは無かった。連れて行かれたのはスクールの裏手にある本日休みの「お食事処ハナちゃん」だった。

厨房にジャージ姿のうら若きインストラクターが入り、ハイボールを注いでいる。

「飲み終わったジョッキはここへ置いておいてください」とジョッキを手渡され、

コンパスへ持ち帰り、グビっと頂く。濃い!普段飲んでる濃いめの缶が9%だが、これ11%くらいあんでねーの??

奥さんがジョッキを持って帰って来た頃には、一杯空にしており既にホロ酔いだった。

このまま一気に夕食へと突入だ。ラインナップは、

中通島の「グリデキッチン」さんで仕入れた生姜焼きと鳥から揚げに、

エレナのインゲンの天ぷらだ。

生姜焼きは若干肉が硬めだが味は良し。鳥から揚げはニンニクが効いて超臭く、ハイボールとベストマッチだった。インゲンは謳うほど塩が効いてなかったが悪くない。

結局この日の酒は、頂いたハイボール超濃いめ二杯で済んでしまった。プールの脇っちょの風呂が750円とちと高いなと思ったが、このハイボールが安く見積もっても巷で450円はするだろうから、風呂は300円で入れた計算になる。さらに洗濯機も無料で使えたので、酒代&洗濯代が浮いたってわけだ。

五島とは打って変わって寒い夜だ。前の通りがけっこうクルマが走っているし、今夜はFFを最小にしつつ中寝といこう。

本日の走行距離:23km (フェリー 67km)

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