10月23日(月)
「道の駅かさま」の朝が来た。
けっこう冷え込んだ朝だった。幸い隣近所には恵まれ、静かに眠れた。
ただ目の前の国道355号は交通量がそれなりにあったので、ルーフテントはうるさかったであろう。
また国道と並行してJR水戸線があるが、6両編成で走っているのを見ると「ああ、関東に帰ってきたな」と思う。これまでこの旅で見てきたのは、1両かせいぜい2両だったから。
朝焼けの下、駅の周りを散歩する。
今朝は、昨日道の駅ひたちおおたで買ったパンを頂く。
思ったよりもボリューミィでちと買い過ぎたようだ。
そんな中、もんたよしのりの訃報が飛び込んできた。またしても昭和のスターが逝ってしまった。谷村さん、財津さんに続き今回の旅は多かったな。
さて今朝はうちの奥さんの勝負の時だ。栗の町だけにこの駅ではモンブランが大人気で、キッチンカーも含め複数店がしのぎを削っている。その中でもフードコートの中にある「楽栗 La Kuri」のモンブランが奥さんの狙いらしい。9:30にOPENなのだが念のため9時前にコンパスを出て行ったところ、なんとその時点でもう既に16人も並んでいたそうだ。月曜の朝に。一体全体世の中どうなっているのやら。
OPENの時点で奥さんの後ろにも続々と人が並び、50人は居たとのこと。一旦開いてしまえば回転は速く、9:45くらいに私も店に着くとちょうどもうすぐ商品が出てくるくらいだった。
これがお目当ての楽栗filoというやつらしい。
まあ栗栗していて確かに美味い。でも一人一個食おうとは思わない。ちなみに奥さんの前に並んでいた16人には7組の夫婦が居たが、皆さんひとり1個買って食っていた。けっこうな爺さんまでもが。
奥さんの栗に対する情熱はこれで終わらない。
お次は通りを渡った向かい側にある「焼き栗工房 夢屋」さんで焼き栗を買うのだ。
無事に買う物を買った後はダメ押し散歩をして、お世話になった道の駅を後にした。
県道50号で西へ向かい、下館から国道294号で南下した。
左手に筑波山を見ながら快調に南下しながら目指すのは、これまた新しい駅である「道の駅常総」である。どんなところなのだろうか。
到着してたまげた。相変わらず激込みなのはもちろんだが、その立地にだ。圏央道の常総ICのすぐ傍にあるので、周りは巨大な倉庫だらけなのだ。こんな思いっきりロジスティックスな場所になぜわざわざ作ったのだろうか。大型トラックには便利かもしれないが、車中泊erはかなり落ち着かない場所と思われる。
ここもまた最果ての場所に何とか停めてランチでも食おうと建物へと行ったが、とにかくもの凄い人出でレストラン系は長蛇の列で絶望的だった。
であればもう選択肢はテイクアウトしかない。
弁当を買って戻って来ると、同じテーブルに1組のご夫婦が同席してランチを食いながら奥さんと話をしていた。このご夫婦もあまりの混雑にレストランで食うのを諦めてテイクアウトにしたとのこと。東京から来たと言っていた奥様は眼光鋭く、ジャガー横田風だった。「なんでこんなに混んでんだろうねぇ!まったく」とまくしたてるその口調と声は北斗晶風だった。要するに昭和の女子プロレステイスト満点な奥様だった。「クルマ停めるところもねえからすんごい遠くに停めたよぉ」と言う旦那さんは、完全に奥さんの尻に敷かれてそうな朴訥な江戸っ子といった様子だ。
栗の笠間に対抗してここはサツマイモ推しらしく、奥さんもジャガーさんも何やら並んで買いに行った。
「焼き芋買うのに並んでんの?」と呆れる旦那さんとしばらく待っていると、イモを持って二人は帰ってきた。「皮は厚くて食えねえな!」と文句を言いつつ身をむしゃむしゃ食っていたジャガーさんだった。
「しっかしいい子たちだねぇ!」とエルブレをやたらと褒めてくれたジャガーご夫妻と別れ、大混雑の常総を後にした。
常総から西へ進み道の駅を二つほど冷やかし、散歩のため訪れたのは、
「権現堂公園」だ。ここはその昔、先代犬の親友犬家族と桜と菜の花の季節に訪れた思い出の地なのだ。いつかエルブレも連れてきたいと常々考えていたが、季節は違うがようやく今日それが叶った。
だが、なんかかつてのイメージと違う。もっと土手と桜並木が延々と続き、その手前に菜の花畑があったと記憶しているのだが。
それもそのはず、後で気づいたが同じ権現堂公園でも到着した場所は1号公園で、思い出の地は4号公園(幸手権現堂桜堤)と全然違う場所だったのだ。
エルにとっては「そんなの関係ねぇ」と、とりあえず楽しく園内を散歩した。
素晴らしい芝生広場があって何組かの親子がキャッチボールをしていた。
だがその芝生は犬NGだった。
暑かったせいか蚊に刺されたがたっぷりと散歩を楽しみ、そろそろ今日も締めに向かう。
幸手から加須へ入り、「いなほの湯」でひとっ風呂浴びた。料金は500円で、ぬるめのいい湯だった。
さっぱりして出てくると、西の空がすごいことになっていた。
木の間を越えて通りへ出てみると、素晴らしい夕景だった。ここにきてこの旅No.1の夕焼けだ。
よく見ると遠くに富士山がクッキリと見えていた。
さっぱりしてキレイな夕陽も見れたところで本日のねぐらを目指す。
県道128号を走って到着したのは「道の駅はにゅう」だ。今日はここでご厄介になる、、、と思ったが、、
なんか様子がおかしい。近づいてみると、、、なんとトイレが工事中で、仮設トイレが置かれている!まさに、究極のThe 便所じゃねーか。そんな情報どこにも載ってなかったぞ!
和式ですら忌み嫌っているのにポッチャンなんて話にならんと、代わりの場所を急遽目指した。夜道は走りたくないのに。
暗い夜道を泣きながら走ってやっと到着したのは「道の駅かぞわたらせ」だ。こじんまりとした駅であまり落ち着きそうにないが、もう走りたくないのでここで一晩ご厄介になる。
今宵のメニューは、道の駅かさまで買っておいた焼き鳥と、途中のファミマで適当に買ったコンビニ惣菜だ。
焼き鳥以外はジャンキーメニューだったが、もう遅いし疲れたこともあってそれなりに美味かった。
最後の晩餐かもしれない夕食がこんなことになって若干モヤっとしながらも、加須の夜は賑やかに更けていった。
本日の走行距離:141㎞