もらってきた抗生剤をきっちり飲み切ったエルのユルユルだった腹はこのところすっかり固まった。ブレアは一足先に回復して心身ともに絶好調だ。一時はどうなるかと思ったが、無事復活を遂げたエルブレだ。
これならば大丈夫かなとオヤジひとり遊びに行く承認を取りつけ、いそいそと東名に乗った。相変わらず町田の手前から糞詰まり始め、厚木を越えてようやく流れ始めた。
やって来たのは見事な富士山が迎えてくれる「東山湖フィッシングエリア」で、今年初の管釣りだ。
釣りに行く前に先ずは腹ごしらえだ。途中の足柄SA(下り)の柿次郎で買った鶏めしのオニギリと草鞋みたいなサイズのコロッケをかっこんだ。やはりコンビニよりも美味いし、侘しくない。
腹も膨れたところで釣り支度をして受付へ行くと、
いつものA券、B券といった細かい料金表が無く、なんと一律4,000円だという。理由を尋ねると、放流用の魚の確保が厳しいから、と言う。ん?ということはもしかして今現在、魚が少ないってことか?「例年よりは釣り辛くなっています」とのこと。むむむ、、嫌な予感。
漠然とした不安を抱えつつ、先ずは富士山を正面にした「石碑前」で開始してみる。
ちなみに湖の周りを囲む桜たちはというと、ぽつぽつと咲いているのもあるが一分咲きにも満たない状況だった。お馴染み満開の下での「桜パターン」はまだまだ先のようだ。
とはいえ魚たちも桜パターンの到来をそろそろ動物的勘というやつで感じ始めて準備しているのでは?と期待し、ピンク色のスプーンで探り始めてみるも、、、、何のアタリも無し。
スプーンの色を変えたり、クランクやミノーを投げたりしても、全く何も起きない。昨年の5月に来た時は、もう1投1バイトってくらい釣れて手の指が攣るくらいの祭り状態だったのだが、今日はこりゃヤバイかも。
さらに横風がキツくなってきたのでここを捨て、風を避けられる「枯れ松」に移動だ。
ここで初心に帰り、カラシ色のスプーンを投げると、
手前でいわゆる「事故ヒット」した。あーーよかった、これでボウズ回避出来た。
ほっとしたところでのんびりと竿を振り始めたが、そこから完全なる沈黙がいつまでも続いた。何をどうしても全く釣れない。そもそも魚の気配が全く感じられない。これは、、もう東山湖も終わりなのか?
こうなるとすぐ近くをワイワイ騒ぎながら通過していく、富士見&花見客のアジアンYOUたちが気に障って仕方がない。そういや、駐車場の入り口に「ここは釣り客専用の駐車場です」「花見客はご遠慮ください」という看板がやたらと出ていたな。なるほど、そういうことか。きっと、釣りもしないのにレンタカーで来てはSNS写真を撮りまくっては騒ぐYOUたちが多くて辟易しているのであろう。
あまりに釣れなくて早くも飽きてきたところに風向きが変わったので、再び移動。今度は「レストラン前」に来てみた。
ここも最初は全く箸にも棒にも掛からなかったが、思い出フィッシングとばかりに昔良く釣れたルアーを投げてみると、
本日2匹目がかかってくれた。
その後いつも助けてくれるモカに変えると今日一番いいバイトで3匹目が釣れた。その後もすぐにかかったのだが、2連続バラシ。これで最終的にはゲームセット。周りを見ても釣れている人はどこにも居なかった。ルアーはおろか、フライマンも含めて。
その後もしばらく悪戦苦闘したが健闘空しくシャットアウトされ、本来20時まで居てもいいのにはるか前の16時で心が完全に折れて早上がりと相成った。
4,000円も払って3匹という、お寒い内容で見も心も冷え切ったのでひとっ風呂浴びに向かった。
「富士八景の湯」だ。初めての立ち寄り湯だがはたして?
まともに入ると1000円取られるがオフィシャルサイトのクーポン画面をただ提示するだけで800円になる。湯はまあまあだが、洗い場は狭くて混んでいたらかなりあずましくなさそうだ。ここもさっきの東山湖同様アジアンYOUが多く、なかなかに賑やかだった。日本円の価値がどんどん低くなり、もはや130円にも戻ることは無いだろうとも言われている世の中なので、今後ますます観光地はこういう状態が続くのかもしれない。
とにもかくにもさっぱりしたところで、今宵のねぐらへと向かった。
今夜一晩ご厄介になるのは、「ぷらっとパーク足柄(下り)」だ。そう、昼も夜もここ足柄でお世話になるのだ。
落ち着いたところで、先ずはグイっと一杯頂く。いつもならゴールドスターなのだが、無性にIPAが恋しくなって買っておいた「インドの青鬼」を今日は冷蔵庫に忍ばせて来たのだ。東山湖にコテンパンにやっつけられた心身に、この強烈な苦みが沁みた。
しばらくぼーっとした後で、晩飯を食いにSAへと歩いた。
前々から一度入ってみたかった「そば処吉野家」で、牛丼小盛セットを頂く。味がわかるほど蕎麦通でも何でもないが、悪くないのではと思った。牛丼の方は最近はすき家ばかり食っているので舌がそっちになってしまったようで、すき家の方が好き。学生時代は週に3回くらい食うほどの吉野家マニアだったのだが。
コンパスへ戻った後は、ひとり二次会をして好きなタイミングで気ままに就寝した。屋根裏寝を企むほどの静けさだったのだが、なんとなく嫌な予感がしたので中寝にしておいた。
本日の走行距離:97km
やがて「ぷらっとパーク足柄(下り)」の朝が来た。
めちゃめちゃ静かな夜だった。屋根裏で寝ればよかったと思うくらいに。
静けさの代償としてここはサービスエリアの建物までけっこうな距離を歩かないといけない。そのため、普段道の駅のトイレ前のポールポジションを譲れないような連中は使わないから静かなのかもしれない。
トイレに行くにはパンパンの膀胱を抱えつつ先ずはこのトンネルを抜け、
ダメ押しにこの階段が襲ってくる。
この状況にあと何年自分のカラダは耐えることが出来るのか。
朝食は、昨日の夜に3割引に飛びついた「GRANO VARIO」のパンを頂いた。コーヒーもひとりで淹れるのはめんどくさいので、ファミマで買って来た。将来奥さんやエルブレに愛想をつかされて付き合ってくれなくなったら、どんどんこういうズボラな感じになっていくのだろう。
食後にPCを見ながらのんびりしていたら、外は雨が降ってきた。エルブレも居ないので、雨が降ろうが槍が降ろうが今日は屁でもない。気楽なもんだ。
さて今日は箱根にでも寄ってみよう。
雨の中、箱根の山のワインディングロードを走る。これもエルブレが居たらとても通れる道じゃないが、ひとりだとリバースも気にせずぐいぐいと曲がり、登る。幸い前にダンプが辛そうに走っていたおかげでアオラーに襲われることもなく、やがて芦ノ湖へと到着した。
せっかくの景色もこの天気じゃ台無しだ。
せっかくなので駅伝ミュージアムを覗いてみよう。
てっきり無料とばかり思っていたらしっかり有料だったのでショップだけ冷やかすことにした。
お、箱根駅伝の父「いだてん」の金栗四三さんの足袋だ。
往路ゴール地点兼復路スタート地点は、もっと広いのかと思っていたらけっこう狭い道なのね。
さて、それでは今日はその復路のコースでも辿って帰るとするか。
と、その前に「道の駅箱根峠」に寄ってなんか食ってからにしよう。
なんかぱっとしない感じで迷った挙句、何の変哲もない山菜そばをすすった。まあ、駅の立ち食いって感じ。ひとりだと色々検索して美味い店探してなんて意欲が沸き上がってこないもんだな。ジジイのひとり旅になったらどうなっちゃうんだろと、我ながら心配になる。
さて、いよいよ復路6区のスタートだ。
お馴染みの宮の下やら大平台やらのチェックポイントを通過し、函嶺洞門を右手に見ながら下って行く。それにしてもすげー坂だ。よくぞこんなものすごい坂を走って上ったり下ったり出来るもんだとあらためて感心するやら驚愕するやら。
やがて小田原を越えて7区に入り、海沿いに出て平塚を越え8区へ入り、心臓破りの遊行寺の坂を上る。
戸塚中継所を過ぎるとさすがに下道を走るのも疲れたので復路コースともお別れし、横浜新道から第三京浜へと入り東京へ帰った。
今回の釣果があまりにお寒いので、ちょっとどこかでリベンジしたいところだが次の旅も控えているのでどうなることやら。
本日の走行距離:130km
今回の総走行距離:227km