9月2日(土)
「道の駅ビーナスライン蓼科湖」の朝が来た。
久々のポップアップ寝だったが、静寂そのもので涼しく実に快適だった。
朝5時の茅野市の気温は16℃。この辺りはさらに低そうだ。
人間は上っぱりを着、エルブレにも念のため着せて朝の散歩に出た。メインの駐車場には20台くらいの車中泊erが停まっていた。
おそらくこの辺りのヌシであろうお土産物屋のみすずさんの前には、懐かしいフジカラーのベンチが置いてあった。実に昭和レトロだ。昔ながらの観光地にはやはりこういう一角は残っていて欲しいものだ。
特に目新しいものは買えなかったので、朝食はスープで済ませる。昼に期待しよう。
しばらくまったりした後は、エルのご機嫌取りに昨日に続いて蓼科湖周辺の散策に出かけた。
今日もいい天気で日向の日差しはけっこう強烈だが、一歩日陰に入ればそこはひんやりして天国のようだ。
左側にちょっとした小川が出てきた。
キレイな水の中には水草が鬱蒼としていて、
割といいサイズのトラウトが気持ちよさげに水中に漂っていた。平和そのものだ。
昨日はグルっと蓼科湖の周りを歩いただけだったが、今日はもうちょっと先へ足を延ばしてみよう。
道はやがて森の中からスコーンと景色が開けたところへと出た。
遠くに見える山々が美しかった。
エルもすっかりご機嫌の様子で、お姉ちゃんの機嫌が良いのでブレアも上機嫌であった。
どうやらここはサイクリングロードらしいが、自転車は一台も見なかった。
さてとそろそろ戻りますかと、再び森の中の道へと進んだ。
また蓼科湖へと戻って来た。
充実した散歩を終えた後は駅に戻ってソフトクリームなんぞを頂いた。
一晩お世話になった道の駅ビーナスライン蓼科湖に別れを告げ、茅野の町へと下った。昨日は上りでやられたブレアさんだったが、さすがは三日目、なんとか吐かずに下れた。
ランチにどこかいい店は無いものかとグーグルマップであーでもないこーでもないと検索し、選んだ店に辿り着いたのはもうじき開店という頃であった。
「cafe&bar 梅蔵」さんだ。
鬱蒼とした庭を通った先に建物はあった。
建物の手前や庭の中にはテラス席がいくつかあった。蓼科湖の周辺よりも下界であるここいらは気温も湿度もマシマシなので、ちょっと厳しめのランチになりそうだと覚悟した。
いざ我が家が通される番になるとイケメンのギャルソンが「外のお席でよろしいですか?」と言った。その言葉には「外、あっついけど大丈夫?」というニュアンスが含まれているな、と思った矢先に、なんと店内も犬OKだと言うではないか。
それならば有難くエアコンの入った店内のワンコOK席に座らせてもらうことにした。初っ端から嬉しい誤算だった。ワンコに厳しい長野県とは思えないホスピタリティにちょっと感動した。
メニューや発注は各テーブルに配られたタブレット上で全て行う形式だった。台に貼られた各アイコンの説明やタブレット上のアイコンなどはかなり小さめなので、初めて来たシニア客は手こずる人たちが多いのでは?と余計な心配をしつつ、我が家はなんとか注文を終えられた。今後ますますこのような世の中になっていくのだろう。あと数年もしたら付いていくのもやっとという状態になるのではないかと思うと年を取るのが怖くなる。
美味そうな料理が次々に運ばれてきた。野菜はさすがの新鮮さ、ピザもパスタもちょっと変わっていて良かった。ソーセージはちょっと味が濃いめだったので、酒が無いのが悔しくてならなかった。全般的にどの料理も美味く、実に良い店を見つけた。
野犬上がりのくせに昔からカフェ(店内)好きのエルはさぞ喜ぶだろうと思いきや、いまいち浮かない顔をしてやがて私のイスの下に潜り込み、脚にぴったりくっつくという謎の行動。
普段は思春期のJKのごとくオヤジとのスキンシップなどご免という態度のくせに、たまに不思議な行動をとる。
梅蔵さん、いい店でした。今度は飲みたいが、周囲に泊まれる場所は無さそうなのでまあ無理だろう。
さて今回の信州旅は特に期間を設けず、涼しい場所を求めてウロつけるだけウロつくつもりだった。だが天気予報によると台風12号のせいか明日から崩れるらしい。
行こうと思っていた白馬村も、
諏訪も、
小諸方面も軒並み全滅だ。
というわけでまことに不本意ながら明日には帰ることにした。
今宵の停泊地へ向かう前に、後学のために行ったことのない木曽方面をちょっと走ってみることにした。
諏訪から県道50号の山道を何とかノーゲロでクリアし、辰野町から箕輪町とのどかな田園地帯を走って着いたのは、「道の駅大芝高原」だ。
200台以上も停められる広い道の駅なのだが、土曜の昼間ということもあってか第一駐車場は満車だった。ここに来た目的は併設の温泉でのひとっ風呂だが、その前に広い公園内を散歩してみる。
駐車場はそれなりの暑さだったがそこは信州、林へ一歩入ると涼しいはずと期待したが全く涼しくない。やはり今年の夏は異常だ。いや、きっとこれからはこれがノーマルで、後から思えば2023年がその始まりだった、ということになるのであろう。
散歩の後は併設の大芝の湯で汗を流した。本来500円のところJAF割で450円で入れた。浴室や洗い場も広くてお湯も良く、コスパの高さに大満足であった。今まで立ち寄った湯の中で間違いなく5本の指に入る。ついでに売店でひとつだけ売れ残っていたナガノパープルを奮発した。
大芝高原を後にし、国道361号を通って木曽谷を目指した。
国道19号を右折して、道沿いに並ぶ道の駅を後学のためチェックしてまわった。
中でも「道の駅奈良井木曽の大橋」は静かで雰囲気もあり良さそうな駅だった。
木曽という土地は今回初めて訪れたが、いつかのんびりとまわってみたいと思った。
だんだんと陽も傾いてきたので国道19号を塩尻方面へ北上し、今宵の停泊地を目指した。
空が紅く染まる頃に到着したのは、
諏訪湖SA(上り)だ。一昨日の(下り)に続いてお世話になります。
今宵は、SA内で買ったおやきと練り物で軽く済ませる。
湖畔では花火が上がっていた。
この日の夜も静かに更けていった。
9月3日(日)
諏訪湖SA(上り)の朝が来た。
これから崩れてくるとは信じられない穏やかな朝だ。
今朝はSA内の「神戸屋ブレッズ」のパンに、スタバのコーヒーを贅沢にも添えた。現役を退いてからというもの、スタバはすっかり高嶺の花となってしまっていたので、最後に飲んだのはいつであったのか思い出せない。そしてパンは(下り)の太養パンの方が断然美味いな。
朝食後はしばらくのんびりとさせて頂き、さあて帰るべかと中央道へ戻りどこにも寄らず真っすぐに帰宅した。
というわけで思いがけず短い旅となってしまったが、東京では到底味わえない涼しさの中で三晩眠れたのでまあ良しとしよう。
10月からはいよいよ待ちに待った旅シーズンの開幕だが、その前に9月にもう一度どこか近場の涼しいところへ出かけたいものだ。
9月2日&3日の走行距離:303km
今回の旅 Totalの走行距離:543km