「道の駅 すさみ」の朝が来た。
海っぺりだが風も弱く、トナラーはおろかほとんどクルマが停まっていなかったため実に静かな夜だった。
上の駐車場はそれなりに停まっていた。皆さん、やはりトイレに近いのがプライオリティの1位なのだろうか。
今日も素晴らしい天気である。
今朝は、昨日「道の駅 志原海岸」で慌てて買ったパンがメインだ。さすがに大人気のパンだけあってどれも美味かったが、チリソーセージパンはガツンと辛かった。
雲一つない青空の下の抜群のロケーションでのんびりと午前中を過ごした。もっとここに居たかったがキリが無いので、名残惜しくもお世話になった 「道の駅 すさみ」 を後にした。
国道42号線をしばらく走り、ついに本州の最南端の串本町に入った。最南端の岬に行く前に給油をしようと街を走ると、レギュラーが174円という看板が目に飛び込んできた。ガソリン価格比較サイトによると和歌山県は最安となっていて、実際に二日前に中心部では160円を切っていて「シメシメ」と思っていたのだが、南下するにつれてどんどん上がって行った。少しでもいいから和歌山市内で入れておけば良かったと後悔するも時すでに遅し、しょうがないのでとりあえず20lだけ入れることにした。
エネオスで「20だけお願いします」とクレジットカードを渡したがなかなか会計にまでならずおかしいなと思ったら、店員の男子がミスって20で止めずにもっと入れてしまったようだった。ベテランの店員さんが謝りながら「20l分の会計でけっこうです」と言ってくれた。それじゃ逆に申し訳ないので多く入れた分はチューっと吸い取ってもらっても構わないのだがそんなことも出来ないようで、結局お言葉に甘えた。後で最初の店員君のバイト代から差っ引かれたんじゃないかと気の毒になったが、どうしようもなかった。
給油を終えて街を離れ、わくわくしながら本州の最南端へコンパスを走らせた。端っこに行くということが何故にこうも人を興奮させるのか。
駐車場から最南端碑までの間には広大なキレイな芝生が広がり、エルブレも解放感に浸って嬉しそうだった。
最南端に行った証明書というのがあり、それは当然ながらここのどこかの建物で発行しているのだろうと思い込んでいた。せっかくだからもらって帰ろうと思いきや、なんとここではなく「道の駅 くしもと橋杭岩」などで発行しているとのことだった。なんでドンピシャのここじゃなく少し離れたところで?、とモヤモヤしつつも行ってみることにした。
その前に今日の停泊地にと考えている場所を下見に行くために、紀伊大島へ橋を渡った。
お目当ての場所は「ACN南紀串本リゾート大島」で、今日はここでこの旅初のキャンプをしようと思ったのだ。
フロントの感じも良く場内も広々として良さそうで、当日でも空きがあるとのことだったので予約をした。チェックインは13:30とのことなのでそれまで串本の街へ買い出しに行くことにした。
買い出しの前に証明書を頂きに「道の駅 くしもと橋杭岩」に行ってみた。
観光バスも立ち寄るほどの人気観光地らしく、駐車場の空きを探すのに少し時間がかかるほどの人出だった。
早速証明書を頂いてきた。(100円)
これを手に入れてしまったので、残る北東西や日本のものも欲しくなってしまった。
人が集まるだけあってなかなかの迫力の景観だった。紀伊は見どころが多い。
ここで昼食を取ろうかと思ったが駅も周囲も目ぼしいものを見つけられず、昼夜分を一気に買い出しにスーパー「オークワ」へ行った。
買い物を済ませて再び紀伊大島へ向い、「ACN南紀串本リゾート大島」に無事チェックインした。ちなみにここでは最初に運転免許試験場のようにビデオ(各種注意事項)を見せられる。料金は電源無しの通常サイトで大人2名で1泊3,960円というお手頃さで、犬は無料というのがまた嬉しい。
早速サイトへ移動し、設営前に先ずはランチにオークワで買った寿司を頂く。
ネタが新鮮なのももちろんだが、アウトドアで食すということでもさらに旨味が増して最高だった。ビールもグイグイすすむ。
今回テントは不要のため、タープ(スノーピークリビングシェルS)だけ張った。位置を決めて跳ね上げた扉部分をコンパスの左サイドへ繋いでみた。
跳ね上げ扉はどうしても中心部が垂れ下がり頭に当たるので、前かがみにならないといけなかったのが残念であった。
設営も終わったところで、場内を散策した。
ここのキャンプ場は様々なサイトが用意されているが、中でも最も人気のあるのが「展望サイト」のようだ。サイトから海が見えるので、平日でも予約で埋まるそうだ。
展望サイトの下には男女別の露天風呂があり、他にも24時間空いている無料のシャワーもあった。嬉しいことにドッグランも完備されている。
徐々に日が落ち始め、各サイトから焚火や炭火の香りが舞い始めてきた。
我が家も夕食の支度を開始した。今宵はBBQを少々と、さらにまたしてものアオリイカにサラダというメニューである。
先ずは串本産のシイタケを焼き、
次に赤身の肉を焼く。
ちなみに我々も少々味見と称して頂いたが、残りは細かく刻んでエルブレ用だ。キャンプと言えば焼肉にありつけると期待していて、今回も物凄い勢いと形相で平らげた。もちろん全部だと食べ過ぎなので、翌日用も取っておいた。
赤身が終わったらいよいよカルビの番だが、今回の肉は少々脂が多すぎて年寄にはトゥーマッチだった。年々カルビに対抗出来なくなってきているので、次回からは我々も赤身でいいのかもしれない。
日が落ちると急激に気温が下がり、タープ内とはいえ外での食事は寒くて耐えられなくなったので、早々にコンパス内へ避難して二次会を開始した。以前は寒い中でもキャンプをしていたがキャンカーですっかり鈍ってヘタレになってしまったようだ。
キャンプ場ということもあり早々に宴を切り上げ、歯磨きとトイレに外に出てみると、
息を呑むほどの圧倒的な星空が頭上に存在した。
松本零士先生が描く夜空そのものだった。写真では実際の10分の1も伝わらなそうなのが残念だ。この星空を見られただけでも、旅に出た甲斐があったというものだ。
土地柄、おそらく強風なのが普通と想像できるが、この夜は嘘のように風が穏やかだった。キャンプ場の開放感と満天の星空に包まれながら屋根裏で寝たかったのだが、結局寒さに負けてポップアップを閉じて眠りについたのだった。
本日の走行距離:67km