「道の駅 くちくまの」の朝が来た。
周りには車中泊erが数台居たが、やはりポップアップを閉め切っていれば音もほとんど気にならない。当然ながら車内もその方が暖かい。そうなると、屋根裏部屋で快適に寝られる時期と環境というのは中々難しい。
今朝は昨日とほぼ変わらない、くるみパンとスープの朝食だった。すぐに腹が減りそうだ。
この場所は熊野古道の「中辺路街道」と「大辺路街道」の分岐点にあたるらしく、建物の裏には「眺望の道」というコースがあるようなので散歩がてら少し入って触りだけでも熊野古道気分を味わってみることにした。
ちょっとしたハイキングコースなのだろうと甘く見ていたらとんでもなかった。
ゲートをくぐった途端、石がゴロゴロしたワイルドな急斜面が待っていて、登るのもけっこうタフだが下りはちょっとでも気を抜くとズルっと滑りそうでかなりヤバいコースだった。特にエルブレはすぐ引っ張るのでこういう下りは最もヤバイのだ。
野生児エルだけがやる気満々で、ブレアは岩肌に山羊のようにしがみついてビビっていた。奥さんに至っては、日頃の運動不足と加齢による鈍りっぷりによってまともに歩くことも出来ず、開始早々に断念してまさに這うように下山する始末。
とりあえずせっかく来たのだからコースの最初の見どころの眺望の良い岩まではエルブレと行ってみたすぐに引き返した。
「もう終わり⁉」と不満そうなエルをなだめすかしながら駐車場へ戻り、お世話になった駅を後にした。
今日は先ず、和歌山を代表するリゾート地である白浜へ行ってみた。
文字通り白い砂浜と青い海が見事だった。ただ浜にある無数のネットが興ざめではあった。また「海水浴場は犬禁止」の看板があり、砂浜には入れちゃダメなのねと解釈したが、最後の方で遊歩道まで犬禁止という看板を発見して驚いた。少し遊歩道を歩かせてしまったので早々に退散した。気を付けねば。
白良浜の次は千畳敷へと向かった。「 白良浜・千畳敷・三段壁 」が観光3点セットのようだが千畳敷も犬禁止とのことなので、エルブレをコンパスに残しさらっとだけ見学した。
最後の三段壁は犬は歩いても良いらしいがめんどくさいのでここもさらりと上から見て3点セットを終わりとした。
コンパスで留守番ばかりさせられてスネ気味のエルのため、すぐ先の「いそぎ公園」で少し歩かせた後、風呂に入りに「道の駅 椿はなの湯」に立ち寄った。ここは立ち寄り湯がその後道の駅になったというところだそうで、見事に風呂とトイレしか施設が無い。料金は500円だがJAF割引で400円になった。安いのは嬉しいのだが、いかんせんちょっと浴室が狭くてあまり落ち着いては入れなかった。
風呂の後は昼食のため、食堂のクチコミが良い「道の駅 志原海岸」へ入った。
新鮮な魚がウリのようなので、奮発して1,800円の刺身定食を頼んだ。
今日の内容は、マグロ・サーモン・ボタンエビ・カンパチ・アオリイカだった。これは、これまでの旅で一番の食事になった。ボタンエビの濃厚な甘さ、カンパチの信じられない鮮度、そして愛するアオリイカのねっとりとした甘さ。もちろんマグロもサーモンも新鮮で美味い。ついつい禁断のご飯おかわりまでしてしまったではないか。こんな贅沢なお膳を、キラキラした海を眺めつつ食えるとは何たる幸せ。
食い終わったときには15時近かったしおかわりまでしたので、これはまた夜は軽いつまみ程度で良いだろうと、1Fの売店を覗き少しいくつか調達した。また、ケーキまで売っているパンコーナーに地元の女子高生たちがたかっていたので、わずかに残っていたパンを明日の朝用に仕入れた。
食後はまたまたスネ気味のエルのご機嫌取りに、海岸を散歩した。
志原海岸を後にし、本日の停泊地である「道の駅 すさみ」に着いた頃はまだ日が高く、海に沈む夕日をようやくのんびり見られそうだった。
ここの駅の建物側の駐車場は誘導員が整理するくらいクルマが多かったが、すぐ下の第二駐車場はがら空きで眺望も最高だったので迷わずこちらに停めた。またここから少し下るとホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット和歌山すさみ」が800円で立ち寄り湯もやっているようだった。料金は倍するが、事前に知っていれば椿はなの湯じゃなくこちらにすれば良かったとちと後悔した。
徐々に太平洋に日が沈んでいった。
水平線の上に厚い雲があったため真っ赤に染まるとまではいかなかったが、美しかった。
太平洋に沈む夕日を堪能した後は、志原海岸の売店で仕入れたカマボコとイノブタのジャーキー、うつぼのスナックをつまみにDAZNの札幌vs柏を観ながら今日も飲った。うつぼだけがやたら甘くて頂けなかったがそれ以外は美味かった。
寝る前にトイレに向かう時にふと上を見上げるとまさに満点の星空で感動したのだが、それはまだまだほんの序の口に過ぎなかったことをこの時点では知らなかった。
本日の走行距離:57㎞