2025 晩秋の四国九州旅 十六日目 上五島巡礼のクライマックスを迎える

11月25日(火)

RVパークsmart 新魚目ふれ愛らんど」の朝が来た。

夜中に屋根を激しく雨が打ちつけた時間帯もあったが、それ以外は超静かだった。

朝食は、

エレナ」で買ったパンを頂く。

昨日眠くて今朝まわしにした井上拓真vs那須川天心を観ながら美味しく頂く。

この二人の試合じゃあ絶対に判定になるだろうなと思っていたが、全くもってその通りだった。

天心も、ここまでかなぁ。

さて今日の天気だが、

今んとこ雨は大したこと無さそうだが、

とにかく風が強いらしい。16m/sって相当だよな。

とりあえず降ってくる前に、ここの周辺を散歩しておこう。

この先になにやら断崖があるらしいので、ちょっと行ってみよう。

荒々しい磯の風景が現れた。

西の方には嫌な色した雲が広がっているなあ。

お、看板が現れたぞ。

この先にあるのが「赤ダキ断崖」ってやつなのね。

小さな漁港に出ると、

見えた!確かに右の方が上下に断層が分かれている。

かつてはここが大規模な火山の噴出口であったことを現代に教えてくれる貴重な証拠だそうな。

それにしてもうら寂しい漁港だ。何となく北海道は日高地方に来たような気になる。

なーんて暢気なことを言っていると、急激に空が暗くなっていき、やがてボツボツと大粒の雨が降って来た。

慌ててコンパスの元へと戻った途端、バケツをひっくり返したように降って来た。あぶねーあぶねー。

小降りになってきたところでお隣さんと窓越しに手を振り合って別れ、RVパークを後にした。

雨が降ったり止んだりする中、県道32号を南下し、奈摩の町でくいっと北上する。

やがて到着したのは、

冷水教会」だ。

木造の角々した教会で、雰囲気が良い。こういうのが長崎らしいなと思う。

極めつけはこの漢字の看板だ。実に素晴らしい。

お次は、県道170号に出てしばらく南下し、新上五島町の市街から西へちょいと行った入り江に建つ、

大曽教会」へとやって来た。

入り江を見下す高台に建つ赤レンガ造りの重厚で美しい教会だ。

さっき訪れた冷水教会と同じくこの大曽教会も「教会建築の父」と称される鉄川与助さんの設計・施工だ。それだけじゃなく、昨日訪れた青砂ケ浦天主堂もそうだが、メジャーどころの長崎・天草の教会はほとんどこの先生の手によって建てられている。それにも関わらずこの先生ご自身は生涯仏教徒だったというのがまた面白い。もしかするとクリスチャンではない人が建てた物だから、心にグっとくるのかもしれない。

こちらにも名刺大カードが置かれていた

巡礼を終えて階段を下りて駐車場へと行くと、

手前の花壇の手入れをされていた?お父さんが戻って来た我らを見るなり、

「随分と熱心に見学されていたようですね」

とお声をかけてくれた。色々と話をさせて頂いたが、東京くんだりからわざわざ教会を見に来た我らがどうにも理解が出来ない様子だった。

一軒オススメの五島うどんのお店を教えて頂いたのだが、残念ながら本日休業だった。

お父さんが五島うどんと言うので、大曽教会を後にして向かったのは、奥さんが見つけた、

メルカピィ青方直売店」だ。いわゆる正統派の直売所風だが、ここで供されるうどんが絶品とのクチコミを見てやって来た次第だ。しかしながらどこをどう見てもうどんが食える雰囲気が微塵もない。

店のおばちゃんに尋ねてみると、

毎日食えるわけではなく、今日は食えない日だった。

失意の中、有川方面へと移動して代わりにやって来たのが、

竹酔亭」さんだ。

アオサかき揚げうどん

肉うどん

アオサかき揚げうどんと肉うどんを注文してみた。つゆは「五島うどん ならお」さんよりも甘み控えめで、麺は意外にコシありで美味し。オプションのいなり寿司はご飯が柔らかめなタイプだったが消化が良さそうなので良しとした。

さて実は未だ今宵の宿場を決めていない。いくつかの候補のうち、先ず下見にと食後に寄ったのが、

「有川運動公園」だ。

想像していたよりも立派な公園で、先ずはちょいと散歩させて頂こうか。

するとその直後、またもや雲行きが怪しくなってきたかと思った矢先、ザーーっと降って来た。

うわーーーっと、野球場の用具置き場的なところに駆け込み、雨宿りをさせてもらった。

しばらく待っているとウソのように止んだ。天気は悪かったが、公園としては良さそうだ。

散歩の後は、いよいよ今回の巡礼のメインイベントだ。

激しい強風の中、島の東端をひたすら目指して走る。

やがて現れた深紅の「頭ヶ島大橋」は強風のためバイクは通行禁止とか何とか言っていたような。

橋を渡り、

やがて左に折れて細い道を下って行き、到着したのが、

頭ヶ島天主堂」だ。

昨日からいくつかの教会を周っているが、こちらはひと味違う。

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつなのだ。

こちらは見学の際にHPから事前連絡を入れるのがルールとなっているので、1週間前に完了しておいた。

ただ気がかりなのは、とある方のブログで「見学に行ったらガイドの人に常にピッタリと後ろからマークされてまるで犯罪者扱いされてブチ切れた」と書かれていたことだ。果たしてそんなに感じの悪いガイドさんが常駐しているのであろうか?とりあえず天主堂の入り口まで歩いてきたが、特に我々のマーカーは見当たらなかった。

玄関にいきなり「踏み絵がある!?」と思いきや、

強風のため看板がひとつ倒れていただけだった。

中へお邪魔すると、ガイドと思しき年配の女性が一人立っていた。これが例のマーカーか!?と一瞬身構えたが、物腰は超柔らかく、嫌な感じなど微塵も見当たらない人だった。

13:30で事前連絡していた〇〇です、と伝えると、特に手元の予約表みたいなのをチェックすることも無く「どうぞご覧ください」と静かに答えられた。

天主堂内は割とこじんまりとしいるが、天井や壁などが色や質感等々何とも言えないほど素敵だった。「船底天井といって、柱を一本も使ってないんですよ」とガイドさんが静かに説明してくれた。どの教会にも言えるが、内部の写真を撮れないのが残念で仕方がない。

これぞ長崎、これぞ天主堂、これぞ世界遺産と感動しているところに、ドランクドラゴン鈴木拓風の男がヌっと一言も発せず入って来た。

ガイドさんに「どうぞ中をご覧ください」と言って頂いているにも関わらず拓ちゃんは終始無言で、しかもポケットに手を突っ込んだまま中をふらっと見て周ったかと思いきや、ものの2分くらいで出て行った。なんつー不遜な態度。一体何しに来たんだと。こりゃどう考えても事前連絡なんかしてないな。この感じだと、どうやら平日の空いている時などは事前連絡無しでも大丈夫そうだ。

拓ちゃんの話はさておき、こちらの天主堂も鉄川先生の作である。

レンガではなく地物の砂岩を使って1919年に建てられている。

赤レンガの教会も渋いが、こちらの天主堂の壁の色も何とも言えない風合いだ。

無事にこの旅で4つ目の世界遺産見学を終えてコンパスへ戻り、さて次はどこ行くべと地図を見ているとこのすぐ先に空港があった。うちの奥さん、空港の売店でご当地物のお土産を探すのが大好物なのでちょいと行ってみることにした。

それがこちら「上五島空港」だ。駐車場は一台も止まっていないので、「ちょうど便と便の合間とかなんかねー?」なんてのん気に言いながら建物に近づく。それにしても随分とくたびれた建物だなとドアに近づくと、なんととっくの昔(2006年に定期便終了)に使われなくなった空港だった。何がお土産屋だよ、と笑いながら潰れた空港を後にした。

再び頭ヶ島大橋を渡って中通島へ戻り、有川港近辺の宿場候補地の下見をした後にフェリーターミナルに寄ってみた。

今日はあまりの強風で高速船(ジェットフォイル)が欠航だったようだ。明日のフェリーは何事も無く無事に出ますように。

この後、この島にもう一軒ある「エレナ」で買い出しをすませてから向かったのは、

旧鯛ノ浦教会」だ。

赤とベージュの色合いが他の教会とは一風変わっていて可愛らしい。

中に入ると、天井の美しさに見惚れる。また、入り口すぐのところに畳敷きの広間があるのも変わっていて面白い。脇の本棚には本がたっぷりとあり、図書室的な役割の小上がりみたいなコーナーなのかもしれない。

”旧”とあるようにこちらの建物は現在は教会としては使われておらず、

その隣にある白い方が現鯛ノ浦教会だ。

こちらは公民館風の入り口で、旧とは比べ物にならないくらいの人数が入れそうだ。

この鯛ノ浦にて今回の巡礼は終了となる。この中通島だけでも全制覇には程遠いが、それらはまたの機会のお楽しみだ。

鯛ノ浦を後にし、今宵のねぐらへと向かう。途中でいくつか下見して最終的に選んだのは、

「有川運動公園」だ。先ずは駆けつけひと歩きといこう。

ブレアはこのコースのサーフェスが気に入ったらしく、スタスタと楽しそうに歩いていた。

立派な球場のある公園だ。

”ご自由にどうぞ”なバーベルも置いてあった。しかもよく見ると鉄チンホイールを再利用したヤツだ。

昼間と違って今度は突然の雨も無く、ジョギングコースを楽しく一周出来た。

さてそろそろ夕食の時間だが、メニューはエレナで調達した、

地物のアオリイカに、

コロッケ、磯辺白身フライ、昨日の残りの牛ごぼう煮にサラダというラインナップだ。

イカは衝撃的だった。これまで食ったアオリイカの中で一番甘くネットリしていたからだ。エレナの刺身は期待していたほど種類が多くなかったが、クオリティはかなり高い。コロッケもイモの味が濃くて美味く、磯辺も香りがよくて素晴らしかった。牛ごぼうは悪くないがちょっと味が濃すぎた。

ホロ酔いで五島ラストディナーを楽しんでいるところに熊本は阿蘇で震度5強というニュースが飛び込んできて一気に酔いが醒めた。またもや我が家がついこないだ通過したばかりのところで。。

寝る前散歩に出ると、元気にテニスをやっている方々がおられた。けっこうな年配に見えたが、21時過ぎまでラケットを振るなんて素晴らしい。

五島最後の夜は、雨の心配は無くなったが依然として風は強めだ。今日も中寝といこう。

本日の走行距離:58km

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