「道の駅なないろ・ななえ」の朝が来た。
気温は16.6℃と信じられないくらいの涼しさだった。
昨日は施設が休業していたので空いているかと思いきや、さすがは人気の駅だけあってけっこうな台数の車中泊erが停まっていた。屋根裏部屋で涼しく眠れたが、就寝直前に来たトラックが結局朝の4時までアイドリングしていてちょっとうるさかった。ポップアップは相変わらず騒音に弱い。
ここの駅は建物の裏手にキレイな芝生の公園があり、犬の散歩にちょうど良い。
今朝は定番のお茶漬けを頂いた。今回の旅でも安定のメニューとなりそうだ。
さて今日はまだ足を踏み入れたことのない函館から西の松前方面に行きたいと思ったのだが、明日の朝が雨予報が出ている。
ならば一気に長万部やニセコあたりまで行こうかとも思ったが、やはりそちらも天気がパっとしないようだ。急ぐ旅でもないので今回はあまり長距離移動はしたくない。
色々と探ると鹿部あたりが明日の朝の雨がさほど降らなそうだったので、本日の目的地を鹿部と定めた。
お世話になったなないろ・ななえを出発する前に、巨大なジャガイモのオブジェの「THE DANSHAKU Lounge」を見たいと奥さんが入って行った。
そして「せっかくだし」と、昼飯前だと言うのにフライドポテトを買って戻って来た。
食ってみるとこれが美味いこと。揚げたての熱々で、イモの味が濃い。やはり北海道の食材は圧倒的に新鮮で美味い。全国のハンバーガー屋がこれを出してくれたら、昼飯はハンバーガーで妥協してもよいなと思った。
イモを一気に平らげて、なないろ・ななえを後にした。
昔は無かったよくわからない無料の高速に乗って函館から恵山方面を目指して走った。
国道278号を走って途中で何やらレトロなアーチ橋をチラリと見つつ、さらに走るとやがて「道の駅なとわ・えさん」に着いた。
駅に隣接してキャンプ場や公園があるようで、先ずは散歩開始。
広大なキャンプ場も公園も無人で、恵山を望みながら独占散歩が出来た。
ここもなかなか良さそうな駅だと思ったが、車中泊erは歓迎されていないようだ。
施設は定休日だったが辺りを見渡すと、端っこに何やら飲食店が見えた。
「うみまち食堂菜の花」さんだ。玄関先にひとつだけあった外席で犬OKとのことだったので入ることにした。地元のサラリーマンや家族連れが続々と出入りしているので期待出来そうだ。
日替わり定食のフライ&ハンバーグと刺身をひとつずつ頼んで席で待つ。
やがて運ばれてきた定食を食ってたまげた。
クオリティの高さがハンパないのだ。イカの刺身はさすが道南だけあって呼子で食ったのと比較にならないくらい甘い。エビもツブも新鮮そのものだ。ホッケのフライはカラッカラに揚がっていて噛むと肉厚な身がフワッフワだ。ハンバーグもマッシュで実に美味い。メインだけでなく付け合わせの卵焼きやマリネなどどれも素晴らしい。シェフはきっとどこか名のある店できっちり修行された方に違いない。とにかくオカズが多くて素晴らしいのでご飯が足りなくて困った。これで1,000円と1,300円とは恐るべしだ。丸の内でこれを出したら2,200円は下らなく、OLさんで長蛇の列間違いなしだ。思いがけず大満足なランチを頂けた。こういう出会いがあるからクルマ旅はやめられない。
腹も心も満たされてなとわ・えさんを後にし、278号をさらに北上した。やがて今日の目的地の鹿部に入ったが、地図を見ると近くに鹿部公園というのがあるのでダメ押し散歩をさせるために寄ってみた。
キレイな芝生と川がある公園で、無料のデイキャンプ場もあった。首都圏からしてみればとんでもない恵まれた高規格の公園だ。
キレイなトイレもあるようなのでここの駐車場で一晩お世話になろうかとも思ったが、許しては下さらなかった。
散歩を終えた後は、温泉だ。
鹿部の温泉旅館の鹿の湯さんでひとっ風呂頂くことにした。
嬉しいことに入った時は貸し切りだったので失礼して写真を撮らせて頂いた。熱めのヌメヌメのお湯で実に気持ちよかった。500円也。
駐車場に戻って奥さんの帰りを車内で待っていると、テッパチのMedicと思しき一団がゾロゾロと来て鹿の湯に消えて行った。
もうちょっと遅かったらテッパチのマッチョたちと芋洗い状態になるところだった。
風呂に入ってさっぱりしたところで今宵の停泊地の「道の駅しかべ間歇泉公園」に入った。ここでもうすぐ降ってくるという雨をしのぎながら一晩お世話になる。雨なのでポップアップは諦めベッド展開だ。
道中で夕食を調達出来なかったので、近くのセイコーマートで無理やり揃えた。鯖塩、卵焼き、ソーセージに、青森で買ったトマトを添えて。早くもセコマかよ、とちょっと腐ったが、評判通り意外とイケる。大手コンビニのは足元にも及ばないクオリティだ。
雨が近づいているせいか若干蒸し暑く、雨で窓も開けられない状況でしかも下段ベッドで果たして寝られるのだろうかと不安になりつつ鹿部の夜は更けていったのだった。
本日の走行距離:109㎞