2025 初夏の北陸旅 三日目 日本を分断する大きな溝を越え、富山へと入る

5月28日(水)

道の駅うみてらす名立」の朝が来た。

パラつく程度という予報だったが、1時頃に屋根を打ちつける音で目が醒めるくらいけっこう降った。その他は静かな夜だった。

素晴らしいロケーションの中、貸し切りの独り占め散歩だ。

なんという贅沢なひと時だろう。

エルはよほどここが気に入ったようで終始ニッカニカ笑っていた。

終いにはリードが繋がっているのに、ドッグランよりもはしゃいで走り回った。

ここは将来また来ないといけないな。

今日はいい天気になりそうだが、

二日後の金曜あたりから何となく怪しい。行きたいところは今日明日で片付けておくのが無難そうだ。

朝食は、昨日「小竹製菓」さんで買ったプレーンのコッペパンをメインに、

無印良品のミネストローネを頂く。ただのコッペだろと軽く考えていたが、一口食った瞬間、パン自体の美味さに驚いた。こんな美味いコッペパンは初めてかもしれない。お好きなモノを挟んでください、と言わんばかりに切れ込みが入っており、昨日どこかでコロッケとか買っておくべきだったと心底後悔した。

食後にコーヒーとともに頂いた名物笹だんごパンも、モッチモチでちょい苦のだんごとよく合っていて、さすがの人気商品だなと唸った。

「きっといつかまた来るぜ」とお世話になった道の駅を後にし、

国道8号を気持ちよく西へと向かう。

本日最初に立ち寄ったのは名立から10分ちょっとのところにある、

道の駅マリーンドーム能生」だ。

ここはベニズワイガニが有名で、かにや横丁なる7店のカニ屋が並ぶ建物があり、すぐにカニが食える。午前中だというのに早くも4人くらいの爺さんたちが美味そうにカニを頬張っていた。

そしてここのすぐ近くには、

夏場所で見事優勝して日本国民が待ちに待った久々の日本人横綱となった大の里が出た新潟県立海洋高校があるようで、

祝賀ムード一色だった。

横綱の他にも白熊、嘉陽、欧勝海とパネルが飾られていた。現在最も勢いのある高校相撲部なのかもしれない。

特にこれといったモノは買えず、さらに国道8号を西へ進む。

海沿いから左に折れて内陸を進み、本日最初の散歩にとやって来たのは、

糸魚川にある「美山公園」だ。

ここ糸魚川は遥か昔に地理の授業で習ったように日本列島を東西に分断するフォッサマグナのあるところで、

あちらには「フォッサマグナミュージアム」が建っている。平日のせいか閑散としており、ミュージアムの手前には5台くらいしかクルマが停まっていなかった。昨今日本を席捲しているインバウンダーにとってはここは魅力が無いのか、姿が見当たらなかった。

我々のお目当てはミュージアムではなく、公園の方だ。

公園サイドはまさに人っ子一人見当たらず、エルブレの貸し切り状態だ。

今日はあまりに天気が良く、日向はけっこう暑い。

お、あちらに何やら遺跡があるみたいなので、行ってみよう。

日陰に入るとひんやりとして気持ちよいが、たまに耳元を「ブーン」とブキミな重低音で蜂が飛ぶのが恐ろしい。

やがて縄文時代の長者ヶ原遺跡に辿り着いた。

こういうのはどうしてもこう、、地味になっちまうね。

復元住居もポツポツと点在していた。

興味津々で入り口に近づき、びびりながらも中を覗いていた。

ここまで貸し切りだったところにようやく団体さんがやって来たので、バトンタッチして遺跡を後にする。

美山公園の散歩を終え、糸魚川の市街へと向かう。

糸魚川駅の傍のコインパーキングにコンパスを入れ、ランチを求め街へと繰り出した。

お目当ての店に行ってはみたのだが、

閉まってんじゃん。グーグルマップ情報では今日定休日って言ってなかったのに。田舎あるあるのテキトーさだなぁ。

しょうがねえなあと辺りをキョロキョロし、ここでいいかぁと入ったのが、

寿司割烹志乃」さんだ。

当初の予算よりも高くつくがしゃーない。カウンターに通され、ミキの昴生を寡黙にした感じの大将の所作をお茶を啜りながら見つつしばし待っていると、

みやま丼

上寿司

上品な寿司と丼が出された。ネタもシャリも全てが上等で美味かった。大将、いい仕事するわ。

駅の隣の土産物店でちょっと買い物をしてから出発し、いくつか道の駅に立ち寄ったが夕食は調達出来なかった。

新潟から富山へと進み、海沿いから内陸に入り、田園地帯を進む。この旅では豊かそうな田んぼをたくさん見ながらここまで来ているので、米が不足していると言われる昨今の状況が信じられなくなる。

次に立ち寄ってみたのが、

道の駅うなづき」だ。

この宇奈月という地名を聞くと、80年代の漫才ブームの時にふざけて?結成されて曲までリリースした「うなずきトリオ」を思い出す。

たしか「ひょうきんベストテン」か何かでこの宇奈月から中継していたような微かな記憶がある。

この駅には宇奈月ビールという地ビールを扱う「宇奈月麦酒館」があり年中無休と謳っていたはずだが、

何故だか閉まっていた。

次に訪れたのは、

3年前にOPENしたまだ新しい「道の駅KOKOくろべ」だ。

さすがにキレイで、キャンカーもたくさん訪れていた。

とりあえずここでは揚げたての練り物を買って、

川向うのキレイな公園に行ってちょっと歩いた後には、目をつけていたスーパーに寄って今宵のつまみを調達した。

そしてお次は、

ごく普通の田園地帯にポツンと存在するこちら、

東山円筒分水槽」なる施設にやって来た。

何のことなのかここに来るまでまるでピンときてなかったが、要するに川の水を3つの用水路に振り分ける装置のようだ。

こんなマニアックな施設がSNSなどで「日本一美しい分水槽」と話題になっているというのだから、世の中何が話題になるかわからない。

見学を終えてコンパスへ戻ろうかというところで、柴犬を散歩させている近所の爺さんらしきのがやって来た。同じ犬飼いとして微笑ましくそのコンビを眺めていると、次の瞬間、驚愕のシーンを目の当たりにした。ムズムズっときた柴犬ちゃんが用を足すと、その爺さんは手に持ったスコップのような器具でウンコを拾いあげた途端、分水槽が振り分けてくれた用水路のひとつに「ポイっ」と投げ捨てたのだ。絶句。田舎だから都会のように拾って持って帰らずに、スコップでその辺の土に埋めるというのはこれまで何度も目撃しているが、、、その用水路の水って大事な田んぼに引くんじゃないの?

・・さて、これにて本日予定されていたアクティビティは全て終了と相成り、後はねぐらへと向かうのみ。

魚津から再び海沿いを走り、辿り着いたのは、

道の駅ウェーブパークなめりかわ」だ。

ここには富山湾の代名詞のひとつであるほたるいかのミュージアムが隣接している。

昨日の名立と同じくこちらも裏手はすぐに海が広がるが、

昨日のどこまでも続く芝生とは違い、堤防と港でほぼコンクリートだ。

釣り人も集まるらしく、生えさの自動販売機があった。

やがて夕暮れ時になり、

昨日ほどではないが、キレイな夕焼けを拝めた。

さて今宵は、

黒部の「生鮮市場Jump」で仕入れた鯛の塩焼きと、クロムツとカワハギの刺身をメインに、

道の駅KOKOくろべ」で買った練り物という豪華メニューだ。

タイの尾頭付きなんて今日は何のお祝い?というくらいめでたいが、400円くらいと激安でしかも激ウマだった。クロムツも甘くてサイコーで、カワワギも同様に良かったが付属の肝はちょっと生臭かった。練り物ももちろん美味かったが、出来れば熱々の買った時に一口食いたかった。

合わせる酒は糸魚川の加賀の井の冷旨本醸造だ。キリっと爽やかな辛口で魚との相性バツグンだった。

楽しく飲っていると外から爆音が轟き始めた。何事!?と駅の裏手を覗きに行ってみると、アップハンドルに白シートといった随分と昭和レトロな族車風のバイクが数台たむろしていた。おいおい、ここにDQNが集まるなんてネットのクチコミには書いてなかったぞ。

もう寝ようかという頃になっても連中はまだ裏手でウダウダとダベっていた。誰かが通報したのか一度パトカーがやって来た時にはすーっと散会したのだが、やがてまた集まってくる始末。そっと顔を見てみると、まだ10代?に見えるようなベビーフェイスの兄ちゃんたちだった。ヤツらはまるでタイムアタックのごとく、一台ずつスタートして爆音をまき散らしながら駅の周りの町内をぐるっと一周してはまた舞い戻ってくるのを繰り返していた。

はたして今宵は無事に眠れるのだろうか?

本日の走行距離:113km

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