2021 山陰山陽紀伊半島旅 第十七日 さらば紀伊半島 また会う日まで

道の駅 奥伊勢おおだい」の朝が来た。予報通り昨夜は物凄かった。激しい雨が屋根や壁を打ち、強風が車体を容赦なく揺さぶった。エルブレがさほどビビらず大人しく寝てくれていたのが救いだった。早朝はまだ小雨がパラついていたが、とりあえず避難は成功したようだ。

いつもならここで朝食をとってのんびり出発というところだが、今日は全員朝食抜きで夜明け前に出発し未だ暗い紀勢自動車道を北西に進んだ。

それにしても半月前に家を出てからここまであっという間だった。しかし色々体験しすぎて、序盤の琵琶湖や若狭湾がはるか遠い記憶となってしまっている。

小一時間高速を走り、本日最初の目的地の駐車場へ到着した。

伊勢市営内宮B2駐車場である。今日は先ず、約8年ぶりとなるお伊勢参りをすることにした。旅に出る前は山陰を進んで出雲大社参りをする予定だったが途中で予定変更となり何故か紀伊半島をグルっと回ってきたので、ここまで来たら二度目のお伊勢へ行くしかないとなった次第である。前回はお作法通り、外宮から内宮と順番にお参りしたが、今回はエルブレの待ち時間を考慮して内宮のみとした。

また、前回は3月下旬であったが前泊地の松阪を早朝に出て見事ポールポジションである内宮のA1駐車場に停められたのだが、今回は平日の7時前の段階でA1~A3全て満車とネットでも途中の掲示板でも出ていて驚いた。コロナ禍とはいえ、やはりお伊勢は特別のようだ。

お参りの前に昨日道の駅の売店で買っておいたきつねおにぎりと味付タマゴでさっと朝食を済ませた。刻んだ油揚げや干しエビが入ったおにぎりで、素朴で美味かった。

朝食後はエルブレにはコンパス内で待機してもらい、いざお参りへ。

スターバックスが出来ていた

8年前に訪れた時にあまりの清流に息を呑んだ五十鈴川は、残念ながら昨夜の大雨のせいで濁り流れも早くなってしまっていた。

濁ったとはいえ当然ながら隅田川などとは比較にならないほど上品ではあるが。

神馬

これ以上日本が災害に見舞われないようにとお願いし、御朱印を頂いて内宮を後にした。

お参りが終わった後は駐車場で待ちわびたエルブレをピックアップし、エルブレ1号を出動させてのおかげ横丁周辺観光に繰り出した。

五十鈴川カフェ」さんでは中庭の席が犬OKなので、きつねおにぎりを食ったにも関わらずモーニングセットを頂くことにした。

コーヒーは深煎り・浅煎りを選べるので迷わず深煎りをチョイスしたが、さほど深くはなかった。だがパンがとにかく美味く、ゆで卵も絶妙の半熟でグッドだった。

モーニングの後は、お馴染み「赤福」本店さんで赤福を頂くことにした。

前回訪れた時は出来たての赤福を五十鈴川沿いまでお姉さんが持ってきてくれてそこで頂けたのだが、コロナのせいか今はやっていなくて向かいの外席でとなった。

赤福も前回の方が柔らかくて美味かった記憶があるが、気のせいか。

せっかくだからとぜんざいも注文した。今日は午前中から食いまくりだ。

この後は、河原に下りて濁ってしまった五十鈴川沿いをのんびり散歩しながら駐車場へ戻った。

さて今日はいよいよ紀伊半島に別れを告げて東へ戻り始める予定だが、その前に英虞湾の絶景を見に志摩へ向かった。

細めの山道をたまに後ろの地元車両を先に行かせながらしばらく進み、途中で迷いながらも懐かしの横山展望台に到着した。

本来ならば緑の島々の間には青い海が見えるはずだが、ここも昨夜の大雨のせいでアマゾンや黄河のような色になってしまっていた。そのせいかもしれないが、8年前に来た時の感動があまり無かったのも残念だった。

景色はイマイチでもエルブレにとってはちょっとした登山散歩が出来、人の居ない展望台でしばらくまったりもして気持ちよさそうだった。

さて今日のランチをどうしようかと展望台で色々と検索すると、すぐ近くに犬OKのテラス席があるレストランを見つけた。クチコミも割と良いので行ってみることにした。

グリルエドイチ」さんは住宅街にひっそりとあった。

平日とはいえ他に客はゼロでご主人も一見ぶっきらぼうな感じで大丈夫かと不安を感じた。

メニューが多くて迷ったが、無口なご主人から聞き出したオススメのパールコロッケとポークステーキを注文した。全て単品なのでライスを付けた。

料理が出てきて一口食べた瞬間、あまりの美味さに驚愕した。

三重だからおそらくトンテキ風だと思い頼んだポークステーキは、ボリュームもあるがとにかく豚肉が甘くて柔らかく、かかっているデミグラもケチャップ感が薄くて実に上品だった。

おそらく初めて食べた真珠貝(アコヤガイ)の貝柱入りのクリームコロッケであるパールコロッケも、絶品だった。やるな、シェフ。

箸が用意されているのも嬉しい。

志摩の小さな町にあるグリルで絶品洋食に出会い、感動した。文句なく穴場であり、オススメだ。

紀伊半島最後の食事が大当たりで大満足しつつ、途中「道の駅 伊勢志摩」に軽く立ち寄ってから鳥羽の港へ着いた。この旅で3回目のフェリーに乗り、渥美半島へ渡るためだ。

伊勢湾フェリーはJAFもモンベルも何も割引が無かった。強風で少し揺れたが、1時間の航海は無事終わり伊良湖へ到着した。

今回3回フェリーに乗ったが全てコンパス内に潜んでいたので、結局一度も船からの景色を見なかった。

渥美半島まで来ると、何となく帰ってきたなという思いが強くなってきた。

伊良湖から国道42号を少し行ったところにある「道の駅 あかばねロコステーション」に休憩で立ち寄ってみた。それにしても、紀伊半島でさんざん走ってきた42号が海を隔ててこんなところまで続いていることに驚いた。

駐車場から海岸までの間に展望台や草地が広がり、エルブレの息抜き散歩に最適だ。

強風でかなりの体感温度の低さだが絶妙にオフショアの風なのか、素晴らしい波が立っていてサーファーたちが気持ち良さそうに乗っていた。ここはサーファーズパラダイスのようだ。

日もどんどん暮れる中で42号を東へ走り、すっかり暗くなった頃に今日の停泊地の「道の駅 とよはし」へ辿り着いた。

最近オープンした新しい道の駅なので、物販や飲食が充実しているかと思いきやそうでもなかった。エルブレの散歩コースもほとんど無いに等しい。

「いっしょうめし」という飯屋が開いていたので、ラストオーダー直前に入った。

昼の洋食で満腹になったおかげであまり腹が減っていなかった私は、プレモルと枝豆だけを注文した。奥さんは驚くことに食えるというので、牛まぶしを注文して、私も少しおすそ分けしてもらった。これまでマグロやしらすなどを頂いてきたので、牛肉の味が新鮮で美味かった。

さて、この旅もそろそろ終わりが近づいてきた。明日は静岡の川根温泉にでも行って風呂に浸かってから明後日には帰宅しようと思いつつ、豊橋の夜は静かに更けていった。

本日の走行距離:129km フェリー 22km

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