「道の駅 紀伊長島マンボウ」の朝が来た。
一応は朝焼けの空だが昨日までとは違い嫌な感じの雲も多い。これから徐々に天気が崩れていって今夜の大雨に繋がるのだろう。
今朝はこの旅ですっかりお馴染みとなったお茶漬けだ。
朝食後はエルブレのため、道の駅の周りをグルリと散歩した。エルブレのためだけではなく、旅でクルマばかり乗って運動不足になりがちな我々のためでもある。
出だしは小雨がパラついたのでエルブレにカッパを着せていざ出発。
先ずは駐車場の端の木道からスタートした。
木道を渡り終えると広い芝生広場が待っていた。
駐車場とトイレもあるので、道の駅よりこちらの方が静かに眠れそうである。
池を挟んで道の駅のちょうど真裏あたりでは、鴨の夫婦?が暢気に浮かんでいた。
さらにのんびりと遊歩道を進むと、萩原台公園という名の広場が見えてきた。
こんなキレイな芝生を誰も使っていないという贅沢さ。
ここにも駐車場とキレイなトイレもあって、さらに車中泊に良さそうだ。ただ民家もすぐ傍にあるから通報されるのかもしれないが。
ここ紀北町にはこの他にも色々なウォーキングコースがあるらしい。犬にとってはパラダイスだ。
この片上池をグルリと周るコースは2.2㎞で、マンボウに戻る頃にはエルも満足した様子だった。このコースがあるだけでも犬連れ旅には最高の道の駅だ。
今回利用するチャンスは無かったが、駅の裏手にはテラス席も十分用意されていてモーニングも食べられるようだった。
ちなみにマンボウはここのマスコットキャラクターなだけかと思いきや、実際に食うことも可能なようだ。
居心地の良いマンボウを出発し、今日の大雨ビバーク予定地である奥伊勢方面へコンパスを走らせた。早々に安住の地を決めたいため、寄り道はせずに高速で一気に大宮大台ICまで進んだ。
奥伊勢には二つの道の駅があり、どちらが避難場所として適しているか順番に確認することにした。先ずはICから近い「道の駅 奥伊勢おおだい」へ。駐車場もまあまあの広さで、すぐ隣にはマックスバリュやココカラファインがあり、さらに逆側には大台町役場が隣接していて何かと安心そうだ。
次に少し走った先にある「道の駅 奥伊勢木つつ木館」へ行ってみた。行った瞬間、こりゃダメだと思った。周りには何もないし緊急事態に対応出来そうにない。
自ずと今宵の停泊地はおおだいに決定し、早いうちに風呂に入っておこうと奥伊勢のさらに奥へコンパスを走らせた。
奥伊勢というのでクネクネの細い道を覚悟していたのだが、予想に反してアップダウンの少ない実に走りやすい道を走り着いたのが「奥伊勢フォレストピア」という小さなホテルだ。
こちらの日帰り温泉は600円だがJAF会員証提示で500円で入れた。しかし後で知ったのだが、スマホのJAFクーポンだとなんと200円引きだったらしい。スマホと実会員証で割引が違うのがあるのだと初めて知ったが、それにしてもそれならそうと一言言ってよ、受付のお姉さん。
ただ温泉は素晴らしかった。運よくほとんど貸し切りで露天を含め全ての浴槽を独り占め出来たのも最高だった。ここは文句なしで穴場である。
そうやって気分よくコンパスへ戻った時に、奥の多目的広場の方で何やら動く複数の物体を見た。よくよく見ると、なんと猿だった。4,5匹は居ただろうか。さすがは奥伊勢。目が合わないように気を付けながら滑るようにコンパスへ乗り込んだ。
ひとっ風呂浴びた後は再び道の駅 おおだいを目指して走り始めたが、この「31大台宮川線」はこの旅で最も紅葉が赤い景色であった。思わず途中の「さくらの里公園」に立ち寄り、紅葉狩りを楽しんだ。
風呂と紅葉で癒された後は「道の駅おおだい」で遅いランチを頂いた。
奥さんは味噌カツ定食で、私は誘惑に負けて焼きそば定食にしてしまった。禁断のW炭水化物。それにしても、今回どこの道の駅も食い物が美味い。道の駅ってこんなにレベルが高かったのかと。それとも「旅情」という旨味成分のおかげなのだろうか。ちなみに和歌山から三重に入った途端、味噌汁の色が濃くなった。
食後はこの辺りを散策してみたが、今朝のマンボウと違いあまりエルブレが楽しく散歩出来る場所は無く、仕方なく近所を一回りした。途中、潰れたような民間車検場に放置された三菱ジープと117クーペを発見した。タダ同然で引き取って3年くらいかけてレストアしたい人も多いのではないだろうか。
予報では19時くらいから雨が降り始め、23時~3時くらいに暴風雨となるとのことだった。
遅い昼食をガッツリ食ったので、夜はここの売店で仕入れた鳥カラとタマゴサンドをつまみにごく軽く終わらせた。間違っても夜中にトイレに行きたくならないように、三重の地酒「鉾杉」も半分残した。
本降りになる前に全てを済ませ、全員就寝体制についた。はたして夜中の暴風雨はいかほどのものなのか。
本日の走行距離:52km