稀代の野球狂逝く

小学生の頃から漫画が大好きだった。その頃から現代まで週刊の少年漫画誌はジャンプの独り勝ちなのだろうが、今となっては信じがたいことにチャンピオンが天下を取っていた時期もあった。「ブラックジャック」、「がきデカ」、「魔太郎が来る!!」、「750ライダー」、「恐怖新聞」など名作揃いだが、先頭で引っ張っていたのは間違いなく野球漫画の金字塔「ドカベン」だった。

当時の少年たちはサッカーではなく圧倒的に野球が好きだった。王貞治と同じくらい山田太郎や岩鬼がヒーローだった。私も彼等がイメージキャラクターをやっているという理由だけで、当時新興ブランドだったNILE(ナイル NIKEではない)野球用品の金属バットを買ってもらったくらいだ。子供ながらに打感がイマイチで、ミズノにしとけばよかったとすぐに後悔したが。

そんなドカベンを生み出した野球漫画の巨匠である水島新司さんが亡くなった。自分の子供の頃のスターや有名人が最近立て続けに亡くなる。仕様がないこととはいえ、寂しい限りである。

水島先生の凄いところは、ドカベンは氷山の一角と言ってもいいくらい他にも多くの傑作を世に出しているところだ。「野球狂の詩」、「男どアホウ甲子園」、「一球さん」、「球道くん」、「あぶさん」など。それら単体の作品でも傑作揃いなのに、アベンジャーズのように各作品の主役たちが勢揃いする「大甲子園」や「ドカベンプロ野球編」などというファンにとっては堪らない作品も数多くある。

さらにこの先生の凄いところは、それらの作品が一時期に何本も掛け持ち連載だったということだ。

  • ドカベン 少年チャンピオン 1972~1981
  • 野球狂の詩 少年マガジン 1972~1977
  • 男どアホウ甲子園 少年サンデー 1970~1975
  • 一球さん 少年サンデー 1975~1977
  • あぶさん ビッグコミックオリジナル 1973~2014
  • 球道くん ビッグコミック 1977~1981

1975年くらいは一体どうやって連載をこなしていたのか、想像もできない。しかもその合間に草野球の試合でコツコツと登板し、ついに200勝も達成したという。恐ろしいほどのバイタリティ。まさに野球狂だ。

先生の作品に出てくるキャラは山田太郎を除けば皆癖が強くて甲乙つけがたいが、ひとり選べと言われれば飲兵衛としてはやはり景浦安武だろうか。物干し竿にプシュっと酒しぶきを浴びせ、一打席に賭ける代打男のカッコ良さに痺れた。悪球打ちの岩鬼の桁外れのパワーも捨てがたいが。

水島先生、痛快な野球漫画をこれでもかと野球小僧たちに届けて頂き、本当にありがとうございました。先生の作品無しに昭和の子供時代は語れません。合掌。

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