さらば!昭和のプロ野球

梅雨って今年から9月に変更になったんだっけ?

「毎日うす暗いから眠い・・・」

そんな中、貴重な晴れ間を狙って9月のとある日にやって来たのは、

「明治神宮野球場」だ。

最近の野球はMLBは言うに及ばず、国際大会に高校野球、大学に社会人と全てがDH制で、気づけば今年のセ・リーグが”非DHの9人制野球”が観られる最後の年となった。あまりにもパ高セ低な昨今の情勢を見るに、セもガラパゴスってる場合じゃない。DH制に移行するのは最早避けては通れないことなのだろう。後頭部に”P”と書かれた使いまわしのヘルメットをちょこんと被った打つ気の全く無い投手を打席に立たせてもしゃーないし。

よくわかる。よくわかるのだが、昭和生まれのジジイにとってはなんか寂しいのだ。そんな投手たちがごくたまに、まさかのヒットやホームランを打った時の衝撃や感動をガキの頃から観てきた身としては。やっぱ野球は9人でやるもんだ、とも。そんな昭和な光景をこの目に焼き付けておこうと、現役時代の後輩を誘ってやって来た次第だ。

打線の9番目にピッチャーが入るのも今年限り

今宵のカードはヤクルトvs広島。両チームへの思い入れは全く無い。そして優勝やクライマックスシリーズ争いにも影響の無い試合なはずなのに、けっこうな客の入りだ。

連れの後輩M君もこの度晴れて退職し、ヒマな無職同士。15:30に神宮前の焼き鳥屋に集合して先に飲み食いしてからの球場入りだ。このM君、高校時代は野球部で大学時代はアメフト部というガチの体育会系だ。受験勉強的なことは一切やってこなかった人生にも関わらず、まあまあ大きめのIT企業で60近くまでしたたかに生き延びてきた。その理由は、地頭の良さだ。出会ったのはもう20年以上前だが、「あ、こいつ賢いな」と最初から感じた。勉強が出来るという頭の良さではなく、場の空気や時勢を読む頭の良さだ。会社で生き抜いていく賢さを持っている男だった。

最も衝撃を受けたのは、社員がコートや上着をかけておくための扉付きのクローゼットが各フロアのあちらこちらにあるのだが、M君はそれを常人が想像もつかない方法で使用しているということを知った時だった。M君以外の社員は、通勤で着てきた上着やコートをただそれにかけ、夜にはそれを着て退社する。そりゃそうだ。そのためのクローゼットだもの。だがM君はひと味もふた味も違う。どう違うかというと、夏には自分が持っている冬物のスーツとコートを全て隅っこのクローゼットの端っこにかけておき、逆に冬には夏物のスーツを全て端っこにかけていたのだ。なんと自宅の収納スペースは狭いので、その代わりに会社をマイクローゼットとして使い、季節の変わり目にはさりげなく数日をかけて衣替えをしていたのだ。それを知った時にはハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けた。凄いことを思いつくヤツがこの世には居るもんだなと。それからは一目も二目もおく存在になり、今日に至る。

 

で、肝心の試合だが、なんと2回に広島先発の玉村投手がスコーンと見事な二塁打を打って見せてくれた。おーー、良いものが観れた。これだよ、これ。外野でのんびり観ようとヤクルトのサイトでリセールチケットってのを取ったらガチな広島応援団のど真ん中でちと失敗したなと最初は思ったが、まあこれで来た甲斐があったってもんだ。

無事昭和のプロ野球ともお別れ出来た気がする神宮の夜であった。

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