留学も帰国もしていないリーマンは英語の会議でどうふるまえばよいのか

受験勉強ではそれなりに勉強したが大学時代は全く勉強してこなかった英語。それなのによりによって外資系の会社に入ってしまい、そこから昨年退職するまでの間、ずーーっと英語には苦しめられてきた。そもそもそんな出来の悪い学生が外資に入ったこと事体、間違いであったのだと思う。単にバブルだったから入れてくれただけで、今だったら内定はもらえなかっただろう。

90年代から00年代は各国独自のやり方で通してくれていたので、せいぜい重役たちだけが海の向こうから責められていればよかったのだが、2010年代に入るとグローバル化の波が押し寄せ全世界共通のやり方が求められるようになり必然的に我々下々の兵隊まで事あるごとに会議に出席させられて徐々に英語漬けの生活になっていった。

学生時代に留学なども無縁だったし、ましてやどこかから帰国した子女というわけでもないので、リスリニングとスピーキングはほぼノースキルの状態であった。そのため、これまでとにかく色々な英語の教本を買った。どこかに画期的な勉強法があると信じて、一冊をやり通しもせずまた本屋へ行き、次から次へと試してみたが、そんな夢のようなメソッドはどこにも無いということに気づいたのは退職の数年前になってからだった。

それならばと、マンツーマンスタイルのコンサルタントがスパルタ指導をしてくれるとあるスクールに入って2か月間自分なりに頑張って勉強してみた。私の場合、生の英語を聞いてもモヤがかかったような状態で相手が言っていることを聞き取れないし、思ったことがなかなか口から英語の形で出てこなかった。それこそこれでダメならもう諦めるとこの寺に駆け込んでみた。2か月後にはそのモヤが晴れてハッキリクッキリと聞こえるようになると信じて、毎日シャドーイングや英単語・熟語、リーディングに瞬間英作文と社会人になってから一番勉強した。

しかしながら、2か月前より多少はマシになった程度で、モヤは結局最後まで晴れなかった。TOEICのスコアはそこそこ上がったが、所詮はマークシートの当てずっぽうが大半の試験だ。TOEICで高得点を取るということと、英語が出来るというのは全く別の話である。

最も厳しい現実は、実際の会議の場のガイジンたちは、TOEICや英語の教本の付録CDのような「The 英語」みたく喋ってくれないということだ。最近のTOEICはアメリカンだけじゃなく、ブリティッシュやオージーの英語も混ざっているとはいえ、生の連中は比較にならないくらい癖が強い。私の場合、もともと「腐れ耳」なのでストライクゾーンが極端に狭い上に、せいぜい120㎞までの球しか打てないようなものだ。アメリカ生まれのアメリカ人たちの英語は、まあまあなんとか半分くらいは聞き取れた。トランプのように喋ってくれると万々歳だったが、バイデンのようにゴニョゴニョやられるとちょっと厳しかったが。同じネイティブのイギリス人やオーストラリア人になると、かなり打ちあぐねた。イギリス系はベッカムのようなネチョネチョした英語で、どう聞いても英単語が今の音にどう当てはまるのかわからない奴らが多かった。しかもオーストラリアと共通するのが、Aを「アイ」と発音されるので、いちいちそこで引っかかってしまい気になって意味が全く頭に入ってこない。一度など画面でExcelのファイルを共有しながらの会議の際に、どのセルを言っているのかわからなかった。AA列もAI列も「カラムアイアイ」なので紛らわしいことこの上ない。しかも奴らは意地でも「エイ」と発音しない。アイアイアイアイって、おサルさんかと。

それでも腐ってもネイティブ、まだ何とかなるが、非ネイティブの連中の英語となるともう完全にお手上げだ。120㎞のど真ん中しか打てない私に、160kmのクセ球を容赦なくバンバン投げてくる。筆頭格はインドだろう。まるで抑揚の無い早口な英語。もはやお経にしか聞こえない。ルー大柴の方がまだ英語っぽい。シンガポールもキツイ。アップダウンの激しいジェットコースターのような英語で上下に揺さぶられる。フランスとスペインもまあ癖が強い。南米も然り。非ネイティブに共通するのは、皆「英語っぽく発音しよう」という気がこれっぽっちも無いということだ。マンツーマン指導の際は、細かい発音をよく指摘されたが、世界ではそんなことはどうでも良いことだと思い知らされた。

Brian CragunによるPixabayからの画像

結局のところこんなクセ球を全て打ち返すのは無理なので、サラリーマン生活晩年では英語のコミュニケーションに対しひとつの解決法に気づいた。それは、

「相手の言うことを聞かないで、こっちの言いたいことだけを言う」

ということだ。どうせ全て聞き取れないのだから、「これこれこういうことか?」「こういうことでいいんだよね?」とこちらから聞くのだ。「それさっき言ったじゃん」とか「今言ったばっかじゃねえか」と相手は思うだろうが、そんなことは知ったこっちゃない。そうやって概要だけ話しておいて、詳細は後でメールなりチャットなりで送ってもらってそこで詰めればいいだけだ。

だが今になってそう言うのは簡単だが、やってる当時はけっこう必死でストレスフルであった。Webミーティングの時間もアメリカに合わせるからこちらは23時とか朝7時になるし、日本の祝日などもお構いなしだった。クリスマスだってその日だけ休めばいいものを奴らは前後1週間とか平気で居なくなる癖に、正月は2日から会議を入れてきたりとやりたい放題やられた。退職してそのストレスが無くなったのが、実は一番嬉しい今日この頃である。

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