2022 早春の九州一周旅 第十日 贅沢な指宿の湯を堪能し80年前の若者たちの想いに涙する

道の駅 喜入」の朝が来た。

FFヒーターを点けないでも朝の車内は18度と暖かい夜だった。屋根裏部屋も快適だったが、広い駐車場で真隣りまでとはいかないがわざわざすぐ近くに寄ってくる輩が相変わらず多くて、多少騒々しかった。

広い駐車場はエルブレの散歩スペースには事欠かない。

難点のThe便所では朝一の小だけにしておいて、歩いてすぐ近くにあるファミマで朝食の買い出しついでにトイレをお借りに行くことにした。昨晩は既に暗くて気づかなかったが、すぐ隣にスーパータイヨーもあり中々便利な道の駅だ。

朝食はファミマのたまごサンド

温泉施設の入り口付近には懐かしの瓶コーラの販売機が置いてあった。

一晩お世話になった「道の駅 喜入」とお別れし、せっかく指宿に来たので温泉にでも行くべと226号線を再び南下した。途中から海沿いをのんびりと走り、お目当ての温泉に到着した。

指宿こころの湯」だ。土曜なのでひとり700円だが、今回は大奮発してさらにひとり300円ほど追加して1時間2,000円也の家族風呂にしてみた。お大尽気分だ。

家族風呂の取れた時刻まで40分ほどあったのですぐ隣のフラワー公園へ散歩に出かけた。

どピーカンの空の下、大小様々なパームツリーのある気持ちの良い公園で、雰囲気は完全にど南国だ。エルもご機嫌にニッカニカでズンズン歩く。

ロンT一枚でも暑いくらいの日だった。

お年寄りたちが楽しそうにゲートボールをやっているなと思いきや、よく見るとパークゴルフだった。

と思いきや、パークゴルフではなくグラウンドゴルフという似て非なるスポーツらしい。第一打をティーを使うかマットから打つかや、使用するボールに違いがあるとのことだ。それにしてもこんなスローで素敵な環境でしかもタダ(おそらく)で土曜の昼間にのんびりと遊べるなんて、羨ましい限りだ。首都圏ではこんな夢のような老後は夢のまた夢だろう。

家族風呂の時間が近づいてきたのでもっと歩きたいエルをなだめすかして散歩を切り上げ、温泉併設のコインランドリーで洗濯セットしてからチェックインした。

四つある家族風呂のうち、今回取れたのは円の間だ。座敷スペースの奥に内風呂と丸い露天がある。両方の湯舟をじっくりと味わえる至福のひと時を優雅に過ごすことが出来た。広い大浴場もいいが、たまにはこういうのも贅沢で良い。

1時間の制限時間いっぱいのんびりし、次はランチへ繰り出した。指宿に来たなら勝武士ラーメンが食べたいと奥さんが言うので、グーグルで検索してテラス席があるという「麵屋二郎本店」へ行ってみた。だがテラスなどどこにも見当たらない。グーグルというのはたまにまるでアテにならない。

それではと近くの「元祖指宿らーめん二代目」へ行ってみると、かなりの台数のクルマが停まっていて期待出来そうな雰囲気ありありだった。

勝武士らーめん
黒豚チャーシューラーメン

エルブレはコンパスで留守番してもらい、お初の指宿らーめんを頂いた。食べてみると非常にさっぱりしていて年寄には実に良かった。黒豚のチャーシューもトロットロで豚肉好きにはたまらない美味さだ。

自分たちの腹が膨れたところでコンパスも満腹にすべく、近くのエネオスに寄った。リッターいくらと表示されていないタイプのスタンドなのに何を思ったか単価も聞かずに満タンにしてもらったら、レシートを見てたまげた。レギュラーなのに186円って、、、ハイオクの間違いじゃねーのか?せめてもと空気圧チェックをしてもらってから死ぬほど後悔しつつスタンドを出て北上を開始した。

山の中の田舎道をひたすら進み、着いた場所はこの日のメインの目的地だ。

知覧特攻平和会館」だ。日本人たるもの鹿児島に来てここを素通りするわけにはいかない。

過去に二度訪れている奥さんはエルブレとともに外で待っていてもらい、一人で入館した。

「おとーだけ遊びに行った!(怒)」

チケットを買ってロビーに足を踏み入れた瞬間、一枚のに目が釘付けになった。それは、燃え盛る戦闘機隼の機体から焼け焦げた特攻隊員を六人の天女が優しい笑みを浮かべながら抱きかかえて昇天させる様子を描いたものだった。何とも言えない気持ちになって、食い入るようにしばらく見つめてしまった。

さらに進むとこれでもかというくらいに迫ってくる隊員たちの遺書の数々。過去に靖国神社の遊就館でも目にしているが、あらためて容赦なく胸に突き刺さってくる。内容もさることながら、わずか19、20の兄ちゃんたちの文字の綺麗さに言葉を失う。現代の日本人とはまるで違う日本人たちがそこには居る。あまりに切ないそれらの文章に全て目を通すには丸一日あっても足りないくらいの圧倒的な量だ。

彼らは後に続く我々に日本を託して南海に散って行ったが、戦後の色々と残念なこの国を見てきっとガックリしていることだろう。と今までは思っていたが、見た目チャラ系の若い連中がガラスケースに覆い被さりながら食い入るように遺書を見ていた姿を目にして、少しだけ救われた感じがした。

こんな暢気な旅に出れているのも彼ら先人たちのおかげとあらためて肝に銘じて、駆け足ではあるが拝観を終え外で待つエルブレのもとに戻った。

富屋食堂
かつての滑走路

物の無い時代に特攻隊員を精一杯癒してくれた富屋食堂やかつての滑走路を見てから特攻の町を後にした。

しばらく北上したところにある「道の駅 川辺やすらぎの郷」を本日の停泊地とさせて頂くことにした。

最初に停めたところがどうにも落ち着きそうにないので、第二駐車場へ移動した。

ここの名産である寄せ豆腐と、ポツンと残っていたおかずセットをゲットして今宵のつまみとした。橙ぽん酢と知覧茶塩も買って豆腐を頂いてみたが、両方とも実にマッチしていた。豆腐も大豆の香りが良く、美味かった。

国道225号線沿いでトラックの走行音が多少気にはなるが、のどかな駅だ。眠りにつく頃には通行量も落ち着いてきたのだった。

本日の走行距離:66㎞

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