「ACN南紀串本リゾート大島」の朝が来た。
キャンプ場だけに、完全な静けさの中で眠れた夜だった。文句なくこの旅で最も静かだった。
他のサイトでは朝から火を熾して色々凝ったことをしているようだったが、我が家はめんどくさいので昨日オークワで買ったパンで朝食を済ませた。
私のパニーニはボリュームがあって美味かったが、奥さんがチョイスした謎のメロンパンはまさかの中身が白餡でショックだったようだ。どおりでメロンパンにしては重いと昨日手に取った際に思ったらしい。
エルブレはここのドッグランが気に入った様子で、朝から楽しそうに走り回っていた。
ここのキャンプ場のトイレは数も多くなくて最先端のものではないが、ペーパータオルが完備されていてお湯も出る。生ごみ用にポリ袋まで用意されている。実に細かいところまで気配りが感じられる。
ここのチェックアウトは12時だがいつまでもノンビリしているとあっという間に時間が来てしまうので、撤収を開始した。
片付けるのはタープだけなので気が楽だが、そのタープが夜露でけっこう濡れていたので向かいの空きサイトにズルズルと移動し乾かすことに。
数十分おきにクルクルと向きを変えて陽にあてた。キャンプというのは片付けるのがめんどくさいのではなく、テントやタープを乾かすのがめんどくさいのだとあらためて認識した。まあ、今回のようにたったの1泊で本チャンのタープを張るというのもめんどくさいのは事実なのだが。
また、こうやって旅の中でたまにはキャンプ場に泊まってBBQをやりたいが、そうなると手軽なサイドオーニングが欲しくなってしまう。30万以上する贅沢品なのでちょっと手が出ないが、それならば色々なメーカーが出している「カーサイドタープ」も良いのかとも思う。「それ、新品じゃなくてもいいんじゃない?♪」と、メルカリででも探してみるか。
じっくりと乾かしてタープを撤収し、最後にゴミを全て捨てさせて頂いて車内もスッキリしたところでお世話になった「ACN南紀串本リゾート大島」を後にした。コスパの良すぎる、最高のキャンプ場だった。いつの日かまた訪れたい。
さてこの後の行程だが、まだまだのんびりと那智勝浦や尾鷲などを見てまわりたいのだが、明日の夜にかなりのまとまった雨予報が出てしまったのだ。雨量も多いがさらに風も強いらしいので、明日の停泊地が非常に重要になってきた。串本周辺や尾鷲あたりはかなりヤバそうだし、それならばと一気に伊勢志摩の方へ行ってしまうとそちらも風速10mなんていう予報が出ている。唯一、奥伊勢周辺が風速5mという予報となっているので、明日はその辺りでビバークとすることに決めた。
明後日は出来るだけ早く奥伊勢で落ち着きたいので、逆算すると今日は紀伊長島あたりが適当と判断した。
そうと決まったら紀伊半島の東海岸を北上開始だが、無料の高速に乗る前に「道の駅 たいじ」へ寄ってみることにした。
太地町は古くからの捕鯨文化の町だが、自分のことは棚に上げ自分だけの基準で一方的に他者を攻撃する海外の環境テロリストどもから永年甚大な被害を被ってきた。以前からどうしても我慢がならなかった件だったということもあり、ここだけは立ち寄っておきたかった。
道の駅の裏手にはのんびりとした風景が広がる。
ここの駅はこじんまりとしているがとてもキレイな建物で、テラス席も用意されているのでランチを頂くことにした。
せっかくなので鯨の竜田揚げ定食にしようかと思ったのだが、JAF特典で竜田揚げがオマケされるとのことでそれならばとマグロ丼としらす丼にした。この旅ではマグロもしらすもよく頂いているが、こちらのも実に新鮮で美味かった。それにも増して竜田揚げの柔らかくて美味いこと! やはり竜田揚げ定食を強行すれば良かったと真剣に後悔したほどだった。
今回は道の駅だけの訪問となったが、いずれまた立ち寄って港や町にも訪れたい。
太地を後にし、無念にも那智勝浦や尾鷲を素通りして無料の高速部分と普通の国道が混在するルートをひたすら北上し、 暗くなる前に今日の停泊地の「道の駅 紀伊長島マンボウ」に到着出来た。
広い駐車場の周りには広大な池があり、その周囲には芝生広場や散歩に事欠かない遊歩道があるゆったりとした素晴らしい駅である。
売店が閉まる前に夕食を調達した後は、少し先に行ったところにある「きほく千年温泉ホテル季の座」へ風呂に浸かりに行った。1,100円でタオル無しという値段に一瞬躊躇したが、結果的に大満足だった。ホテルでちょうど夕食開始時間だったということもあり、ほぼ貸し切り状態で露天風呂を独り占め出来たからだ。
優雅なお風呂で癒された後はマンボウへ戻り、売店で仕入れた焼きサンマ寿司とカマボコ類をつまみに一杯。
こうしてマンボウでの夜が静かに更けていったのだった。
本日の走行距離:135km