11月21日(金)
「道の駅有明」の朝が来た。

実に静かな夜だった。

それにしても西日本は夜が明けるのが遅い。朝一散歩は常に真っ暗な中でスタートするので、ヘッドライトが欠かせない。


ようやくゆっくりと夜が明けてきた。
エルブレは今朝も元気一杯だった。やはり九州女ということで、水が合うのだろうか。

朝食は何も買ってないので、困ったときのインスタントおこげを頂く。みかんはこれで食い尽くすので、またどっかで買わないと。
さて今日は熊本を出ていよいよ長崎へと入る。

お世話になった道の駅の隅々まで散歩した後は、

国道324号を西へと走り始める。

無料の天草未来大橋を渡り、天草市でちょっと買い物をする。

南島原へ渡る船に乗る前にもうひとつ道の駅に寄りたかったが、意外にも天草市街の道が混雑していて思いのほか時間を食ったので断念し、フェリー乗り場を目指す。

気持ちの良いシーサイド道路を快調に北上し、

やがて島鉄フェリーの鬼池港に到着した。

天草四郎が見守る中、11:30発の車列に並び、

4,350円で原始的なチケットを買い、

出航までの時間潰しに周辺を散歩する。

やがて到着した船へと乗り込み、

あっという間に30分の船旅を終え、長崎は南島原へと無事上陸した。
先ずは腹ごしらえにと、フェリーの中で検索して見つけた評判のいいお店を目指す。

上陸からわずか1,2分で到着したのが、

「清香」さんだ。

立派な門構えで一見お高そうだが、

ランチメニューはお手頃だ。
悩んだ挙句に選んだのは、

刺身定食を二つに、

奥さんのご希望で、長崎と言えばの豚の角煮の単品をひとつ。
刺身のネタは全て新鮮で美味く、みそ汁も小鉢もご飯も全て素晴らしかった。評判がいいだけのことはあるわ。豚の角煮は若干硬めだったが、味付けは申し分なかった。いいお店でした。

腹も膨れたところで、本日のレクのため国道251号を東へと向かった。

穏やかな海を眺めながら気持ちよく走ること10分。

国道沿いの駐車場にコンパスを停め、

農家の合間の道をてくてくと歩き、

丘陵地帯のなだらかな坂道を上り、

10分ほどで見えてきたのが、


世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のひとつである原城の二の丸跡だ。

昨日に続いての世界遺産散歩となった。

この先の本丸跡の方にも行ってみよう。

道の脇には普通に畑があったり、二の丸跡のところには新しい駐車場を造っている最中だったりで、いまいち世界遺産気分をぶち壊される。。

我が家が停めた駐車場から本丸までは徒歩15分、海沿いの別の駐車場も似たようなものらしく、これでは足腰に不安のある人たちは訪れにくいということで、おそらく二の丸のところに新たに駐車場を造っているものと思われる。

事前にHPなどで確認はしていたが、一応は総合案内所(と言えば聞こえはいいが、実際は単なるプレハブの小さな小屋)に居た親爺さんに犬が歩いても問題ないというお墨付きを頂いてからいざ、本丸跡へと突入した。


現在は絶景を望める小高い丘、というだけだが、


約400年前には37,000もの人間が、ここで神への信仰を賭けて勝てる見込みのない闘いに挑み散っていったのだという事実がズンとのしかかってくる。


それにしても観光客が少ない。昨日に続いてインバウンダーの影も形も無い。場所柄ポルトガルやスペインの連中が巡礼していてもいいようなもんだが。

そんな中、数少ない観光客の一組がでかいタブレットを首からぶら下げて、そこから流れる音声を聞きながら見てまわっている。どうやらVRってヤツらしく、さっき寄った総合案内所で無料で貸してくれるとパンフレットに書いてあるではないか。なんだよ親爺さん、それならそういうのあるよって言ってくれてもいいじゃんね。
ん?なぜこんなところにドッグランが?

と思ったが、大雨か何かで色々と崩れたりしたのだろうか、ここでもあちこちで土木作業が行われていた。

島原の乱の若きリーダー天草四郎さんがおられた。そういや、角川映画でジュリーが演じてたよなあ、と古い話を思い出した。

立て看板やパイロンがいちいち残念だ。

四郎さんの墓碑にはお供え物もちらほらあった。



のんびりと世界遺産散歩を楽しんで満足そうなエルであった。

レクを終えた後は再び国道251号に戻り、さっきとは逆に西へと向かう。

長崎方面を目指すが、ナビはひたすら内陸のアップダウンのきつそうなクネクネ道を勧めてくる。そんなエルブレを虐待するかのような案内は全てガン無視して、距離は多少長いが半島の西海岸を北上する。

小浜という町で奥さんご希望の菓子店に寄り、

雲仙の千々石という町で良さそげなスーパーに立ち寄って夕食を買い、さらに国道251号を西へと進むと、

いつの間にか国道の両脇は一面のジャガイモ畑になった。


なるほど、目指している今日の宿場の名前はここから取ってんのかと瞬時に理解した。
それがこちら、


まさにこの11月1日にOPENしたばかりのホヤホヤのピッカピカの駅だ。

物販では何も買えないかもと思って途中で買い物を済ませてきたが、そういう時に限って魅力的な惣菜類がしかもタイムセールで売られてんだよなあ。


そしてこれまた新駅あるあるで、、

。。。
そんなシャカリキになってパリッパリにキレイにせんでもええよ。。。

さて今宵は、

千々石の「フーズピープル」で仕入れた刺身に、

ここの物販で買ったコロッケ二種盛にサラダという豪華絢爛メニューだ。
アジもイカも美味く、カンパチは柑橘臭がした。おそらく最近流行のエサに柑橘を混ぜて育てた系なのだろう。爽やかで美味かった。ジャガイモが名産と謳うだけあって、コロッケも良かった。
ただ来た時から気になっていたのが、場内のBGMが17時の閉店時になっても鳴りやまないことだ。20時になってもそのままだった。ひょっとして車中泊er除けとして一晩中鳴らすつもりか?
だが21時近くになっていつの間にか止まっていることに気づき、ほっとした。ラスト散歩に出ると、ちらほらとお仲間がおり、山梨や横浜などのナンバーが目立っていた。犬NGの芝生の他はアスファルトとコンクリだらけで、犬連れにはあまり優しくない駅だと感じた。
国道には近くても夜はさほど交通量が多く無さそうではあるが、中で寝ることにしよう。
本日の走行距離:99km

