2025 晩秋の四国九州旅 十三日目 世界遺産第三弾は絶品ピッツァを頬張りながら

11月22日(土)

道の駅251いいもりじゃがーロード」の朝が来た。

おそろしく静かな夜だった。

朝散歩に出ると空にはまだ星が輝いていた。

ここはロクな散歩道が無いので、朝から拗ね拗ねモードなエルだった。

今日もいい天気になりそうだ。

今朝は、昨日夕方の物販で半額で買えたカレーのルーのみを使い、

朝カレーを頂く。素朴な味のカレーでご自慢のジャガイモが美味かった。

さていよいよ明日はこの旅のメインイベントである五島へ上陸するが、その間の詳細な天気が発表された。

気になっていた二日目の雨だが、最悪な本降りでは無さそうでこれなら何とかなるかもというレベルだ。

さて今日は夜は長崎の街中に居るが、昼間は世界遺産散歩第三弾と称して長崎半島の南側へ行く予定にしている。

と、その前に、

拗ね拗ねなエルの散歩欲を満たしてやらないといけない。

一晩ご厄介になった道の駅から早々に退散し、

散歩場へと移動することにしよう。

わずか10分足らずで到着したのは、

月の丘公園」だ。

先ずは急な上り坂の遊歩道を歩いて展望台を目指してみよう。

それにしても、今日は雲一つない晴天だ。

この先に展望台があるはずだ。

おお、あれか。

「わっせ、わっせ♪」

あんなに拗ねていたエルは嬉々として階段を上っていた。

さぁ、絶景を拝もうではないか。

正直、景色はそんなでもなく、何とも言えないビミョーな景色だった。ま、天気がいいのだけが救いか。

エルの機嫌も良くなったところで、そろそろ駐車場へ戻ろうか。

「♪」

けっこうまともな散歩が出来た後は、再び国道251号に戻って西へと走る。

しかし長崎の道はアップダウンがきつくてまるでジェットコースターのようだ。せっかく頑張って上ったと思ったらすぐにエンブレも効かないくらいのダウンヒルになって、すぐまた上らされる。

コンパスのエンジンも悲鳴をあげるが、エルも落ち着かないったらない。旅序盤のリバース危機を乗り越えたブレアは、横寝の安定ポーズで悟りを開いたような表情でじっとして居られるが、エルはカーブや下り坂になる度にいちいち起き上がっては挙動不審になる。吐くまではいかないが、実は軽く酔っているのかもしれない。とにかくカーブ(なぜか左のみ)と下り坂が大嫌いなことは間違いなく、いつまで経っても慣れないようだ。

エルを苦しめるアップダウンがようやく終わり、海沿いの国道499号に出た。

だがそこからまた内陸部となりしばらく走ると、再び海が見えてきた。

ん?あれってもしかして。。

やっぱり!

端島(軍艦島)だ!

以前から一度この目で見てみたいと思っていたのがようやく眼前に現れ、脳内にはKING GNUのねっこがリピート再生され始めた。

端島は、一昨日歩いた「三角西港」と同じく「明治日本の産業革命遺産」の構成メンバーだ。

この絶景の中、そろそろ昼飯でも頂きたいところだが、この辺りはあまり飲食店が見当たらない。何となく、アジフライ定食を食わせる店とか海鮮丼の店などの房総チックな雰囲気を想像していたのだが、全く違った。

そんな中、良さそげな店が一軒見つかったので行ってみると、1テーブルしか無い犬OKのテラス席がちょうど埋まったばかりだった。その席が空いたら電話してくれるというので、それまで散歩に行くことにして一旦店を離れた。

やって来たのは、

長崎のもざき恐竜パーク」だ。

この辺りはティラノサウルスの化石が発掘されたところらしい。

恐竜博物館や軍艦島資料館などがある広くてキレイな公園だが、犬を締め出さないところが嬉しい。

我らの来訪目的は恐竜ではなく、世界遺産散歩の第三弾だ。

では展望台に上って世界遺産をじっくりと拝もうではないか。

「わっせわっせ♪」

「♪」

山頂では絶景が待っていた。

端島だけでなく、その右には火葬場のある中の島、さらにその右には高島までクッキリと一望出来た。

端島は実際に見てみると無機質で、ある種異様だ。

おそらく軍艦島ツアーの船だろうか、白い船が3艘ほど浮かんでいた。出来ることならツアーに参加して上陸してみたいが、それはまたの機会のお楽しみに取っておこう。

さて軍艦島を腹一杯見た後は、まだ電話がかかってこないがそろそろ1時間になるのでお店へと戻ることにしよう。

ちょうど前の犬連れ客が帰るところでジャストタイミングで席に座れたのが、

Bremari(ブレマリー)」さんだ。

このお店だが、まず店名にビビっときた。ブレとマリ。

その昔、エルが与論島から救出される際、知らない間に同じケージにシレっと隠れてまんまと島抜けしたのがマリちゃんだ。

マリちゃん(2018年)

このマリちゃん、誰が見ても姿かたちがブレアにそっくりで、狭い島だけにきっと叔母とか従姉とか何かしら血縁があるとしか思えない。

マリ叔母?とガキの頃のブレア(中)、右はブレアの姉妹のセリちゃん

そんな二頭の名前が付いた店だけに、素通りするわけにはいかないとやって来た次第なのだ。

このテラス席、目の前が端島という文句のつけようのない絶景なのは嬉しいのだが、陽を遮るものがなく、どピーカンの中だとかなり暑い。

この店は何が食えるのかというと、ピザ屋さんだ。種類が豊富で何を頼もうか悩んだ挙句、

ブレマリーマルゲリータのピッツァプレート

奥さんはサラダやオカズにドリンクも付いたピッツァプレートを選び、

カルボナーラピッツァ(Rサイズ)

ワタシは単品のカルボナーラピッツァにしたが、デカい方のRサイズというワンパクチョイス。

ピッツァは生地からして美味いのだが、プレートに添えられたポテトやサラダや唐揚げに至るまで全て美味かった。

そして凍らせたグレープフルーツに炭酸を注ぐCitrus Sistersなるオシャレなドリンクは爽快だった。

唯一の失敗が、欲張ってRサイズのカルボナーラピッツァを頼んだことだ。最初は美味かったのだが、じきにホワイトソースに飽きてきた。頑張って平らげたので腹一杯になってしまった。

スローな空気の流れるカフェでそれまで暢気にしていたエルが、急に震え出した。燦燦と陽があたっているから寒いわけがないと思ったら、またしてもたった一匹の蠅にヤラれたようだ。なんとも弱っちい。

食べ終わってコンパスに戻ると、ようやくオヤツを口に出来たエルであった。

食後は再び恐竜パーク方面へと走り、

天然炭酸温泉のもん湯」さんでひとっ風呂頂く。

880円のところJAF割で820円とお気持ち程度の割引があった。その辺りを説明してくれたのは、年の頃はもしかしたら70 overかもと思われるガングロのお姉さまで、かなりの貫禄だった。湘南で老舗のサーフショップを構える伝説のサーファー親爺(イメージはマイク真木)の奥方、もしくは日本初の女性プロボディボーダー的な独特の雰囲気を纏うお姉さまだった。

肝心の風呂はというと、土曜日にも関わらずガラガラで最高だった。ワタシとしてはしっかりと熱めの湯だったが、気持ち良かった。

サッパリとした後は、

また来るぜ、と端島とお別れし(脳内はまたKING GNU)、国道499号を北上する。

30分ほど走り、

女神大橋を越えると、もう長崎の街はすぐそこだ。

やがて大都会長崎の中心部へと入った。

さて、いよいよ明日の朝は8時の船で五島に行く。そのため今夜は長崎港の近くで泊まりたいところだが、長崎の中心部には道の駅は無い。そのため前回同様に有料駐車場でP泊しようと思うのだが、お目当ての駐車場は12台しかキャパが無く、ほぼ満車でいいところ(左側にクルマが居ない場所)は埋まっていた。まあ今日は土曜だしね。

とりあえずは一旦代替の駐車場へ入れてはみたが、

イマイチ狭くて、しかも料金体系が異常に複雑でわけがわからない。おまけに入り口のところで中国人?と日本人が何やら揉めている。どうやらどちらかが支払い時にバックでもしたのか、ちょっとぶつかったとかで延々とやり合っている。

とりあえず仮停めしてお目当ての駐車場にダメ元で行ってみたら、おあつらえの場所が空いていた!奥さん&エルブレチームにそこを場所取りしてもらって、急いでコンパスへと戻ると、例の二人はまだ揉めていた。

土曜の夕方のゴチャゴチャした街中を何とか交わし、お目当ての駐車場である「NPC24H長崎出島町第2パーキング」に無事停められて一安心。

ここは通りを挟んだ目の前が「長崎出島ワーフ」という商業施設で、そこのトイレが24時間使えるというクチコミを見てやって来た駐車場だ。最大料金は21時からしか適用されなくてそれまでは600円/時かかることを考えるとそんなにお得ではないが、すぐ目の前に割とキレイなトイレがあるというメリットには代えがたいのだ。

無事今宵のねぐらを確保したところで、出島ワーフを散歩してみようかね。

飲食店がたくさん入っていてそれぞれに外席があり、ガイジンだけで盛り上がっていたりして、まるでポルトガルとかイタリアの港町のようだ。行ったことないけど。

夕暮れのマリーナは船が停泊していて、実に雰囲気がいい。

ふと船名を見ると、リトルエル。これもまた何かの縁を感じる。

さて日も暮れてきたのでコンパスへ戻ろうか。

夕食はワーフの飲食店の外席で何か食おうかとも考えたが、日が暮れて寒くなって来たのでエルブレは駐車場で留守番してもらい、

長崎の街へ繰り出すことにした。

だが、お目当ての店までわくわくしながら歩いて行くと、

なんとこれから宴会のためオーダーストップだという。

仕方がない、近くの長崎新地中華街にでも行ってみよう。

グーグルマップで評価の高いところをまわってみたが、どこも長蛇の列が出来ている。そうか、今日は土曜日だったんだよな。

とりあえずとある台湾料理店の列に並んではみたものの、「予約がいっぱい入っているからいつになるかわからん」とメガネ女子店員が他の客に言っている。待っている間にその店のクチコミを読んでみると、けっこう辛口なコメントが多かったので並ぶのをやめた。

しゃーない、食べ歩き系の店で何か持ち帰ろうと行ってみると、既にけっこう閉まっていた。かろうじて開いている店も、あまり食い物が残っていない。

いくつかの店をハシゴしながら無理くりに買い込み、少しでも冷めないように急ぎ足でエルブレの待つ駐車場へと戻った。

数少ない戦利品は、「岩崎本舗」さんの角煮まん、小籠包×4、シウマイ×2、えびハトシ。それに今日、東長崎のスーパーで買ったちくわと揚げかまを加えたのが、今宵のメニューとなった。

腹が減っていたのもあってどれもまあまあ美味かった。まだ残っていた小籠包をもっと買えばよかったと後悔もした。

最後の散歩で港に出ると、

稲佐山の夜景が見事だった。

向こうに停まっている帆船がキレイにライトアップされているので、行ってみよう。

なんとその名も日本丸という船で、これは二代目とのこと。船乗りを養成する練習船だという。

そこへデカイ買い物袋にお菓子やら何やらをたっぷり入れた若き男女が大勢やって来て、鎖のゲートを勝手に開けては続々と船に乗り込んで行くではないか。どうやら彼らが船乗りを目指す実習生だったようだ。普通科の高校で平々凡々な生活を送るのも人生だが、彼らのような一風変わった学生生活を送る人生もまた良いだろうなと、後ろ姿をじろじろと見ながらボンヤリと思った長崎港の夜であった。

さぁ、明日はいよいよ我らが船に乗る番だ。1時間前の7時には港に行っていないといけないらしい。九州商船の細かい作法がわからないので、ちょっと緊張する。とりあえずは、早く寝よう。

本日の走行距離:73km

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