胆のう手術入院記 最終日 シャバの空気は凛として心地よかった

全ての管が外されての自由な寝返りを伴う睡眠はやはり快適だった。敵は鳴り響くナースコールとお向かいのイビキだけだったが、耳栓をして何とか凌げた。

そのお向かいのオッサンだが、「今日の担当ですー」と看護師さんが挨拶に来てくれる度に「〇〇さんよろしく。下の名前は?」と都度聞いていた。「マスク外してお顔見せてよー」とまで言ってた時もあったな。ただでさえ激務なのにこんなめんどくさいオヤジにも笑顔で対応していた看護師さんたちはアッパレだし立派だとつくづく思った。

朝の検温後に初日から与えられていた体温計が回収された。あらためて今日退院するのだという嬉しさがこみ上げた。

予定ではこれで最後になる食事が運ばれてきた。不味くはないが、雰囲気的に給食を食っている感覚になってきた。

さて予定では本日退院となっているが、ギラギラ主治医からは退院のたの字も言われていない。昨日もチラっと傷口を見ただけで、予定表にある「消毒」などの処置は皆無だ。退院前にはさすがに回診があると思っていたのだがいかんせん日曜日。看護師に聞いても主治医が来るのかどうかわからないと言った感じだった。退院後の注意点やら入浴やら飲酒やら色々聞きたいのに一体どうなってんだと。しかも次の外来の予約も取れていないのだ。まあでも、このほったらかしぶりを見ても「全く大したことない手術」というレベルなのだなとも思える。

来るのか来ないのかわからない医師を待ちつつ、とりあえず念のための痛み止めの追加と、全く気配も無いお通じのための便秘薬を看護師さんに頼んだ。普段は便秘薬など無縁なのだが、痔主のため硬いのが栓をしてしまうと出すのに厄介なことになるのだ。

術後はここまで痛み止めを飲んでおけば座ったり歩いたりはさほど不自由を感じないのだが、術中に3つの腹に開けた穴から空気をたっぷり体内に送り込んでいたため常に腹が張っている感じだ。ガスが頻繁に出る。また歩くのはさほど苦ではないのだが、ちょっとした咳やゲップでもズキンと痛むので、くしゃみやムセは絶対に避けねばならない。考えただけで震える。

結局主治医は来ないが当直の医師が傷口を見に来ることになり、少ししてからさかなクン的な若い医師がやって来た。傷口を見て防水テープとやらをはがし、「いいですね。」となり二週間後の外来の予約も手配してくれた。それまでは禁酒、禁湯舟でシャワーはOK、揚げ物などの脂っこいものは避ける、というのが今後の生活の注意点だった。外来の日に晴れて酒解禁となるとしても入院前から数えてなんと18日間ものノンアル生活を強いられる。外来日の血液検査の結果が楽しみだ。

さかなクンが去ったところでついに手首のバンドがチョキンと切られた。手錠が外された瞬間だ。なんともいえない解放感だった。

まわってきた請求書によると、3泊4日の入院代は162,330円也。おりるであろう保険金はスズメの涙なので、かなり手痛い出費だが仕方ない。

世話になった病室を後にして看護師さんたちに挨拶をし、素晴らしい天気のシャバへ出た。暑いくらいの病院に慣れた身にはキンと冷えるが、それがかえって心地よい。

自宅にたどり着き、会いたかったエルブレがシッポを振って出迎えてくれるかと思いきや、塩対応でちょっとガッカリだった。

久々の家のコーヒーで安着祝いをした後で、リハビリも兼ねて散歩に出た。エルブレに引っ張られるのは危険なのでリードは奥さんに任せ、病人はエルブレ1号のカートを歩行器にして後ろからトボトボ着いて行った。

散歩中に買った焼き鳥とノンアルビールでささやかな退院祝いをしてから、久々に自分の枕でゆっくりと眠りについたのだった。

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