2023 秋 みちのく犬連れ旅 第九日 独断で海鮮の世界チャンピオンに認定

10月11日(水)

JR下北駅駐車場の朝が来た。

昨夜寝始めは静寂そのものだったのだが、突然大きな物音がし始めて一気に目が覚めた。ガラガラガラと何か金属の重い物を引きずったりする音が。時計を見ると0時をちょっと過ぎたあたりだった。何事かと思って窓の隙間から外を覗くと、すぐ傍の駅前の通りで道路工事が始まっていたのだ。うわー、まさかこんな落とし穴があったとは。このまま明け方まで工事が続くのかと絶望的な気分になったが、幸い2時間程度で終わったようだ。だが終わってもなかなか寝付けなく、結局そのまま朝になった。エルブレがさほど気にもせず静かに寝そべっていたのだけが救いだった。

昨日道の駅とわだで買った駅ご自慢の米粉パンとおにぎりを朝食に頂いた。

米粉だけに小麦よりもあっさりとして食べやすかった。

雲一つないどピーカンな空になった。

このまま日曜くらいまで好天が続くようだがその後はまた怪しい感じだ。下北半島でちょっとゆっくりしたかったのだが、そうもいかなそうだ。

出発前に近所を軽く散歩してから、下北駅前を後にした。

むつから国道279号線を走って半島の先っぽをひたすら目指す。

やがて海が見えてきた。

快調そのものなドライブだ。

途中の風間浦村でお祭りシーンに遭遇した。

むつを出て1時間、ようやく到着したのは、

大間崎だ。

ここの駐車場の前の芝生広場は「大間崎テントサイト」という無料のキャンプ場で、津軽海峡フェリーを利用する人たちなどの格好の車中泊場にもなっているそうだ。

キレイなトイレもあって芝生もキレイだが、周囲をグルリとお土産屋や民宿や食堂に囲まれていて若干落ち着かなそうでもある。

さてはるばる大間くんだりまでやって来たのはもちろんアレのために他ならない。

恨めしそうにこちらを見ているブレア

エルブレには申し訳ないがちょっとの間留守番しててもらい、クチコミの良かった「海峡荘」にスキップしながら繰り出した。

メインの座敷席ではなく脇のテーブル席が空くのを待って、入店した。

やはり季節柄生うには無いらしいが、今回だけはうになんぞどうでもいいのだ。

そう、お目当てはこちら大間が世界に誇るマグロだ。「マグロに賭けた男たち」なんていう番組を観る度にいつか行ってみたいと思っていたが、大間はあまりにも最果て過ぎた。それが今回ようやく念願が叶ってやって来た。まさに、思えば遠くへ来たもんだ。しかもただいま10月はまさに大間生マグロシーズンのど真ん中なので、テンションMAXで席についた。

女将が熱烈にオススメする日替り丼はひとつだけにして、もうひとつはこれでもかとマグロが食えるマグロ丼を頼んだ。

そしてついにご対面だ。

マグロ丼

海峡日替り丼

大胆にこれでもかと太く切った身がすさまじい迫力だ。まさに漁師メシ。

何はともあれ先ずはマグロの赤身からと一切れ口に放り込んで噛んだ瞬間、世界が変わった。何じゃ、こりゃ?

今まで食ってたマグロは鼻血か?と思うくらい何とも言えない上品な味だ。文句なく今まで食ったマグロの中でダントツのNo.1だ。中トロももう、、何も言えねぇ。いや、美味い、としか言えねぇ。そして見た目はもう霜降りの牛肉な大トロは本来あまり得意ではないのだが、しつこさの欠片も無いどころか一瞬で溶ける美味さ。あれ?今たしかに食ったよな?と脳が呆けるくらいの美味さだ。

日替り丼の方も忘れちゃいけない。厚く切ったサーモンも決してマグロにヒケをとらない味わいだし、エビも激甘だ。ウニだって時期的に冷凍なはずなのに、なんつー味の濃さ。そして赤貝、噛んでいる時も幸せなのだが最後にじわーっとさらに旨味が襲ってくる。いやー、マグロだけじゃなくどのネタも一級品でまさに魚介のアベンジャーズだ。

他所の国のことはほとんど知らないが、もうここが魚介類の世界一に認定していいんじゃないでしょうか。地元北海道でも積丹、小平、小樽やえりもと色々と食ったがここが頂点な気がします。本州最果ての地である点と、本マグロは9月~11月限定というプレミア感がそれを後押ししている気がする。今回頂いたネタは全てが甲乙つけ難いが、どれか一つを上げろと言われれば、、、マグロの赤身だろうか。普段から肉もヒレ派としては、まさにこれは「泳ぐシャトーブリアン」としか言いようがない。シャトーブリアン食ったことないけど。

最高の魚介類を堪能した後は、ご機嫌ななめ気味のエルブレを連れ出し散歩へ。

松前半島や函館山、恵山がくっきりと見える日だった。

本州最北端の開放感で機嫌が回復したエル。

ブレアも気持ち良さそうだ。

ここで一泊してもう一回マグロを食いたいところだが、今後の天気もあるので泣く泣く再びむつ方面へと南下を開始した。

陸奥湾沿いを南下して横浜町を越え、またまたエルのご機嫌取りのため野辺地にある愛宕山公園に行ってみることにした。

279号を走っていたらいつのまにか無料の高速になり、野辺地ハーフICという不思議な名のところで下りた。

愛宕山公園に着いて遊歩道をけっこう登ってみたら、全く期待していなかった絶景と出逢えた。

野辺地の町並の奥には陸奥湾と、さっきまで居た下北半島に夏泊半島が一望出来た。

丘を下りてきて無限列車のような古いSLが置かれていたのを見ていたら、

可愛らしいワンコとご対面した。

聞けばエルブレと同じ女子の保護犬ちゃんとのことだった。ブレアは犬にも人にも親善大使なのだが、気難しいエルは犬も好き嫌いが多い。ソリが合わない子も多いのだが、不思議と同じ保護犬だと上手く行くことが多い。この子がやたら大人しくいい子だったせいもあるが、ケンカには至らず仲良く挨拶が出来た。

公園を後にし、夕闇迫る国道4号を西へと走った。

やがて本日の最終目的地、「道の駅ゆーさ浅虫」に到着した頃はすっかり暗くなっていた。今日はかなり無理して走った。

こちらは温泉付きの人気の道の駅で、駅舎が5階建の珍しい高層駅なのだ。だが人気の割には前の国道4号をクルマがガンガン走り、メインの駐車場は狭くて日帰り温泉客がひっきりなしに出入りするというなかなかに落ち着かなそうな感じではある。

とりあえずは温泉で本日の疲れを癒す。ひとり360円と安く、混んでいたらかなりあずましくなさそうな造りだが空いててよかった。柔らかい湯で、ビーチサイドなのにしょっぱくなかった。

昼に大間で極上の丼を食って大満足したので、今夜はつまみ系で軽く済ます。ここんとこ食いすぎだし。

メインは途中「道の駅よこはま」で買ったホタテコロッケだ。50円引きで1個115円と破格だが、味は素晴らしかった。コスパがハンパない。

静かな駅ではないが今日はたくさん走ったし昨夜も道路工事であまり眠れなかったので、よく眠れそうだ。

本日の走行距離:181㎞

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