2023 秋 みちのく犬連れ旅 第八日 陸奥のシモキタ駅前で海軍の伝統に酔う

10月10日(火)

五戸まきば温泉」の朝が来た。

一晩中雨が降り続いていたが、朝方は弱雨だった。

驚くことに朝になっても温泉効果が持続しているようで、体が暖かい。そんな神秘の温泉を求めて朝5時にOPENするのに合わせてもう客が来ていた。

6時にかなり雨が弱くなった隙をみて、カッパを着て朝散歩に出た。

少し歩いた先にあるひばりの公園に行ってみた。

トイレもあるし車中泊出来そうな感じ。

弱かった雨も時折パラパラと降ってきて、慌ててコンパスへと戻った。

今朝は、昨日八戸の「八食センター」で買って来たパンを頂いた。想像通り素朴な味で美味かった。こういう惣菜パンのパン屋が一番好きだ。

ブレちゃん

予報では今日の夕方にはこの雨も上がっているはずだ。

ゴミを捨てさせてもらい、まきば温泉を後にした。

しつこい雨が降る中、先ず向かうは「道の駅とわだ」だ。

愛読の「道の駅旅案内全国地図」最終版によると、「米農家が丹精込めて作る米粉パンは絶品」と謳っているのでそこまで言うならと買いに来たのだ。

次に向かったのは「道の駅しちのへ」だ。先ほどの全国地図で「名物・地鶏シャモロックの親子丼は絶品」と謳っているので食いに来たのだ。

こちら七戸が生んだヒカルメイジとフェアーウイン、2頭のダービー馬が出迎えてくれた。

エルブレにはしばしの間、留守番をしてもらい、「レストラン絵馬」で親子丼とチャーシュー麺を注文した。

シャモロック親子丼

チャーシュー麺

絶品とまで謳われた親子丼は、はっきり言ってそこまでじゃなかった。先ず、つゆだくすぎる。ほとんど雑炊状態だった。チャーシュー麺もいまひとつで、まずチャーシューがハムだった。ふちにコショウがついたヤツだ。パストラミって言うんだっけか?これは断じてチャーシューではないだろう。

残念というか無念なランチを終え、失意のまま道の駅を後にした。今日は最終的には下北半島のむつ市を目指す。

そろそろエルを散歩させないと不機嫌にムクれそうなので、「道の駅おがわら湖」に寄ってみた。

着いた時はけっこう雨がパラついていたが、ある程度弱くなったところでエイヤと外に連れ出した。

周囲にけっこう芝生広場があって散歩にちょうどいいのだが、いかんせん雨のせいで芝生のあちこちでグジュグジュと水が浮いていた。ゴルフでいうところのカジュアルウォーター状態だ。

小雨の降る中なので早々に散歩を切り上げたが、こんなんでも多少は気晴らしになったようだった。

基地の街三沢に入り、小川原湖沿いの細い道を北上していく。

突然ものものしいフェンスで囲まれた一角が出てきた。英語の注意看板やビーチバレーコートもあり、雰囲気はハワイかどこかのビーチパークのようだった。

三沢に入った途端にドーンと航空基地だらけなのかと思っていたが、厚い雲の上に戦闘機の爆音が時折聞こえてくるだけで、どうやら基地はもっと南にあったようだ。

やがて到着したのは「道の駅みさわ」だ。

もっとトップガン推しな駅なのかと想像していたが、広い芝生に馬の銅像が多く建っている農耕推しな駅だった。よく見ると本物の馬を散歩させている人も居た。

ドッグランがあるので行ってみる。

このあたりはあまり雨が降らなかったのか、カジュアルウォーターは皆無だった。そのサーフェスの良さに喜んだのか、昨夜からの雨の鬱憤を晴らすように興奮して走り回るエルブレであった。

エルブレが散歩している馬に気づき、さらに大興奮。

お馬さんが居なくなった後もその残り香を貪るように嗅ぎまわっていた。

散々騒いで大満足して眠りについたエルブレを乗せ、むつへ向かって下北半島をひたすら北上した。

いつのまにか雨も上がり、雲が徐々に白くなっていった。

この下北半島だが、面積が広いにも関わらず道の駅が3つしか無く、しかも中心部のむつ周辺は全く無い。どうしようかとネットを色々と検索した結果、赴いた場所は、

JR大湊線の下北駅前の無料駐車場だ。

メインは下北駅を利用する人が停める駐車場だろうが、同じクチコミを読んだと思しきよそ者ナンバーも隅っこの方にちらほら居た。

電車の本数も少ないせいか駐車場もスカスカなので、今宵一晩だけこちらでお世話になることにした。それにしてもシモキタで車中泊なんて東京では絶対に無理だろうが、こちらは長閑そのものだ。

東京ほどじゃないがこちらの下北駅前にも数軒飲食店がある。今宵はいずれかの店に入ろうと色々検討した結果、すぐ傍の「プラザホテルむつ」の下にある「下北バル」に決めた。

現在元旦那と泥沼の争い中の福原愛ちゃんに声がそっくりのウェイトレスさんに案内されて席につき、まずはグイっと一杯。ロードオブザリングのパブで供されそうな小太りなジョッキだった。

潔く緑一色のグリーンサラダが、野菜不足のカラダに染み渡る。

ホタテ刺しはさすがの鮮度で甘かった。

刺し身とくれば飲みたくなるのが日本酒。本州最北端の酒蔵の関乃井の佳撰を頼んだ。実にオーソドックスな日本酒らしい味の酒だった。

隣りの大湊は呉や横須賀のような海自の街らしくカレー推しなので、締めに頂いた。乗ってる鶏唐はハードタイプでガリガリと食感が楽しく、カレーも具がゴロゴロ入っていて美味かった。

下北バル、いい店だった。やはり地方都市のホテルレストランは安くて高品質で得した気分になることが多い。ホテルのメインダイニングなのに、各テーブルに箱のティッシュがドンと置かれているのも親しみやすくて良い。

夕食は軽めに済ませたのでコンパスへ戻って二次会だ。

八食センターで買ったホヤの塩辛に道の駅とわだで買ったごんじり漬けをツマミに、桃川のねぶた純米をクイっと飲る。DAISOで買ったグラスがあまりにもチープだが、味は間違いなかった。ホヤはもうちょっとフルボディでも構わないのに、実に上品な味わいだった。ごんじり漬けもカリポリと止まらない。塩分摂り過ぎにご注意。

今宵はきっと静かな夜になるだろう。

本日の走行距離:143㎞

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