5月15日（木）
「道の駅鴨川オーシャンパーク」の朝が来た。そして、長い夜だった。
寝始めは実に静かで、スヤスヤと屋根裏で気持ちよく眠っていた。異変が起きたのは夜中の二時前だっただろうか。突如下っ腹を襲う強烈な不快感に叩き起こされた。最初は「横になっていればいずれ治まるだろう」なんてのん気に構えていたが一向に収まる気配が無い。たまらず飛び起き屋根裏から這い出て、深夜の静まり返った道の駅の駐車場を急ぎ足でトイレ棟へ飛び込んだ。久々の激しいゲーリーだった。そしてそれは一度などでは到底許してはくれず、屋根裏に戻ってはもよおし、戻ってはもよおしを繰り返すこと6、7回。3回目くらいまでは律儀にいちいち屋根裏に戻って床についていたが、最後はもう上り下りする気力も失せ、腹をさすりながら下でグッタリしていた。
ただひたすらゲーリー・クーパーなだけで他には吐き気も腹痛も無いので、巷を賑わすO-157や野呂さんでは無さそうだ。単純に昨日食った何かに大当たりしたのか？とも思うが、奥さんの方は全く異常無しだった。まあ奥さんの方は油断すると何日も出ないという方のタイプで、かたやワタシはガキの頃から腹をちょくちょく壊しがちで便秘とは無縁なタチなので、同じ物を食ったからと言ってあまり参考にはならない。元々年に一度くらいはこういう激しいのに見舞われるのだが、まさか旅の途中にやられるとは思わなんだ。家のように歩いて数歩でトイレがあるわけではないので、なかなかにしんどい。これだけで万歩計の一週間のミッションをクリアするのでは？というくらい夜中に彷徨った。いちいちハイエースのスライドドアのイージークローザーの音がシーンとした深夜の駐車場に鳴り響くので、神経もすり減った。他の方々、うるさくて申し訳ありませんでした。
そうこうしているうちに朝を迎えた。とりあえず全て出し切ったのか、間隔が長くなってきたところを見計らい、朝散歩に出た。
この駅の一画には良く言えば「素朴な」、悪く言えば「ショボめな」ドッグランがあるので行ってみる。
エルブレの身体能力ならば楽勝で飛び越えられるくらいの低く柔らかいネットで囲われているが、芝は意外なほどコンディションが良かった。
ブレアは元気一杯で「いっちょやるか！」とエル姉に挑むのだが、エルは全くその気が無い。終いにはキレていたブレアだった。夜中に何度も何度も出入りするオヤジのせいで、エルは寝不足だったのだろう。
今朝は昨日「館山中村屋」で調達したパンがせっかくあるのに、
薄くした味噌汁しか飲めず。ガックシ。
腹の中の物はとっくに全て出来っている頃なのに、なかなか治まらず、出発も出来ない。
なんとかマシになった頃合いを見計らって、ようやく出発した。
本日一発目の散歩のためにやって来たのは、
「興津港海浜公園」だ。
散歩のために来たのもあるが、ここはトイレもキレイで車中泊場としても人気らしいので下見も兼ねて訪れてみた。
たしかにキレイなトイレだった。
それにしても5月とは思えないほど暑い。ゲーリーのせいで体力消耗しているのでフラフラだ。
次の散歩場を目指し、勝浦方面へ走る。
やって来たのは、「八幡岬公園」だ。
戦国時代には勝浦城があったという場所だ。
城というだけあって先ほどの平坦な「興津港海浜公園」とは違い坂を上っていかねばならない。
少し行くとちょっとした広場になったが、
さらに上に行く階段があった。
暑い上にゲーリーでフラフラなので躊躇していると、年配のライダーさんがひとり下りてきた。「この階段ってけっこう大変すか？」と聞いてみると、多少荒い息で「けっこうタイヘン（笑）」と返ってきた。でも「タイヘンだけど、絶景」というライダーさんのお言葉に背中を押され、いざ行かん！
ヒーヒー言いながらも上って行くと、
程なくしてゴールらしきのが見えてきて、一安心。
そこにはたしかに「上ってきて良かった」と心底思える絶景が広がっていた。
お、あの白い塔は、
「かつうら海中公園」ってやつだな。いっぺん行ってみたい。
お、あちらに御座すは、
お万の方だ。
この勝浦城主の娘に生まれて後に徳川家康の側室になり、徳川御三家の二つ（紀州と水戸）の初代当主の母となった偉大なママで、あの水戸黄門のグランマでもあるお方だ。
絶景を腹いっぱい味わった後で駐車場へと戻った。腹の調子が悪い癖にけっこう空腹になってきたので、
今朝食えなかったパンを恐る恐る食ってみる。
さすがは人気店だけあってどれも素朴で美味かったが、ちゃんと消化出来るのか非常に不安だった。
腹に不安を抱えつつ外房を北上する。
自分の腹のせいで大した昼飯を食わせられなかったので、せめてお茶でもと寄ってみたのが、
大原にある「Fukumi Cafe Palmier」さんだ。
テラス席は犬OKだ。
奥さんにはパンケーキを食わせ、
自分は朝飲めなかったコーヒー、しかも濃いーヤツを頼んでしまった。腹、大丈夫かな。
お茶の後は海を離れ、内陸へと向かった。
しばらく田園地帯を走り、やがて到着したのが、
「道の駅むつざわつどいの郷」だ。実に三度目の訪問となる我が家お気に入りのこちらで、今宵はご厄介になることにする。
先ずは例によって周辺をウロついてみよう。
ドッグランエリアへ行ってみる。
例によって無用なトラブル防止のため、柵の外側から冷やかす。
大柄で性格の好さそうなドMIXちゃんがエルブレに興味津々だった。
駐車場に帰り、駅内の風呂「つどいの湯」へ繰り出し、腹を中心にじっくりと温めてきた。
夕食は、ここの売店で閉店間際に仕入れたパスタと焼きそばにおにぎりというオール炭水化物だ。さすがに今宵は酒抜き、、と言いたいところだが、
風呂上りは誘惑に勝てず。
昨夜は全員寝不足だったので、今宵は屋根を開けての中寝というパターンでぐっすり眠りたいところだが、はたして腹は翌朝までもつのだろうか。
本日の走行距離：84km
最後までお読み頂き、有難うございました。もしよろしければ、最後にポチっと押して頂けると幸いです。↓
