胆のう手術入院記 二日目 長い夜

いよいよ手術日の朝がやって来た。

昨夜は病棟だけに割と頻繁にナースコールの音があちこちで鳴り響き、何度も目が覚めた。

手術の前に身を清めるため先ずはヒゲを剃り、

7時に割り当てられたシャワーを浴びた。

シャワー室には使い捨てのバスマットがあったが、これが驚くほど吸水が良く優れモノだった。

使用前
使用後

雨の日の車中泊でエルブレの足拭きの際に活用出来そうな気がする。

手術は11:15からの予定だが前のが早めに終わりそうなので10時くらいには手術着に着替えていろと看護師さんに言われた。ちなみに事前にもらっていた入院中の予定表では手術前に浣腸&剃毛と書かれていてこっぱずかしいなーと思っていたのだが、何故か今回は割愛されるとのことだった。嬉しいやら悲しいやら。

手術着

昨日の初日にベッドの上にポンと置かれていた手術着だが、広げると単なる一枚布だ。これをどう着ていいのやらさっぱりわからずに看護師さんに聞くと、ボタンをパチパチと閉じて袖を作りバスローブのように羽織るようだ。

さらにエコノミー症候群防止のためのハイソックスを履かないといけない。ジジイがバスローブに白いハイソックスという、なんと間抜けなスタイルだろうか。

やがて10:40にお呼びがかかり、若い看護師さんにエスコートされながら手術室の前に辿り着いた時は「いよいよか」と緊張した。頭に食品加工工場の人のようなのを被り、細いストレッチャー?に寝かされ看護師やら麻酔医やらに挨拶され、血圧計やら点滴やらしているうちにあっという間に意識が無くなった。

「・・・さん、手術終わりましたよー」と声をかけられボーっと目覚めた時は、1時間ちょっと後だったようだ。とりあえずは無事に全身麻酔から目覚めたようで一安心だった。

その後、目の前を流れる天井をぼんやりと眺めながら昼頃に病室へ連れて行かれた。最初のうちは眠気が残っていてただ寝ていればよかったのだが、だんだんと目が覚めてくるとカラダが熱くてハイソックスが不快だし、尿道にぶっささった管がどうにもムズムズと痛くて違和感がハンパない。この状態で次の日の朝まで寝たきりなんて耐えきれない。今すぐ起き上がりたくてしょうがなかった。しかしそんなことが許されるはずも無く、ただただ寝ているしかなかった。

しょうがないので眠ろうとしてもウトウトしては目が覚めるの連続でなかなか時間が経ってくれなかった。しかもあお向け体勢でずっと居ると腰痛になりそうな予感もするので、たまに寝返りをうとうと試みると腹腔鏡のキズが痛いわ尿道が刺激されて違和感が襲ってくるわで非常に辛い。明日になれば起きれるとわかっているからまだなんとか耐えられたが、もしもこのままずっと寝たきりなどになったらはたして正気を保てるかまるで自信が無かった。

しばらく寝たと思いスマホを見るとまだ17時前で愕然とした。それでも無理やり寝たり起きたりしていると周りは夕食タイムになり、朝から絶食の私を後目に楽しそうな咀嚼音が聞こえてきた。献立表によれば確か今夜はヒレカツだったよな。悔しい。

昼間はあれだけ熱いと感じたハイソックスも夜になると慣れたのか気にならなくなった。尿道の違和感も、極力刺激をしないようにすると慣れてまあまあ平気になった。自分はしている感覚もないのに、軽快にオシッコは出ていると看護師さんに言われた。ただ寝返りの際は管が引っ張られたりしてどうしても刺激してしまうので、違和感が治まるまでしばらく我慢するしかない。

救いはこの夜の担当看護師さんが若いのに優しい天使のような人で、尿道を刺激しないように管を太腿にテープで固定してくれたり水を持ってきてくれたりと大変お世話になった。自分が若かったら完全に「惚れてまうやろ」という感じだった。TV観ますか?とも言われたが、この日は大好きな五輪の開会式だったにも関わらずそんな気にもなれず、ひたすら横になっていた。

初の全身麻酔外科手術を受けたこの夜は、永遠にも感じるほどの長い夜であった。

ちなみにエルブレは、帰ってこないオヤジのことを気にする素振りも無くかえって快適に暮らしているとのことだった。

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