「道の駅スペース・アップルよいち」の朝が来た。
夜中は結局降らなかったようで、思ったより涼しく眠れた。
我が第二駐車場の方はガラガラだったが第一の方はけっこうな数のクルマが停まっていて混んでいた。混んでいてもトイレが近い方がいいって人がいかに多いかわかる。そのトイレだが、ここは残念ながらウォシュレットが設置されていない。しかし今回は新兵器のスコッティの流せるウェットタオルを装備してあるのだ。
仕上げにこれを使えばかなりスッキリ出来る。
朝食は、朝の散歩の途中にセブレブで買った肉まんを頂いた。もちろん今朝も高級メロンヨーグルトを添えて。
さていよいよ今日は一大イベントが札幌で開催される日だ。そのイベントに私がここ数年尊敬してやまない車中泊界のスーパースターが伝説の愛車を引っ提げて参加されるという告知があったので、行かないわけにはいかない。
そのスーパースターとは、「青の風に吹かれて」という人気ブログを運営されている青風むーちん先生その人だ。いすゞのELFの荷台に自作の木造シェルを載せて60歳から日本全国を旅して周る大人気ブロガーの旅人さんなのである。私が戦力外通告を受ける前から憧れていた。
はやる気持ちを抑えながら5号線をひたすら札幌へ向けて走る。小樽を過ぎて札幌に入ると、ちょうどタイミング悪く北海道マラソンが開催されていてあちこち規制されていた。何とか会場に到着し、ついにあの伝説の名車「青の3号」が実際に目の前に現れたではないか。
実際にこの目で見ると、その耳なし芳一のようなシェルは迫力満点である。
ベース車両部分も歴戦の傷跡が無数にあり、ツワモノ感がハンパない。高知で見た横綱の土佐犬のようである。
最近は旅の風景を描いておられるという画伯でもあり、たくさんの作品を展示されていた。PCで描かれた作風は、我々の世代のど真ん中の鈴木英人や永井博をさらに渋くしたようにも思えて素敵だ。そのままFMステーションの付録のカセットレーベルにしたくなる。
とにかく人気者なのできっと黒山の人だかりで声もかけられないだろう、と思っていたら奥様である「北区の人妻」とお二人で青の3号の前に座っておられた。いつも濃いグラサンをかけていて、噂ではぶっきらぼうな感じ、とどこかで言われていたと記憶していたのでおそるおそる、「ど、どうも。いつもブログ拝見しております。。」と声をかけてみた。すると、さっと立たれてお礼を言われ、お茶まで御馳走になってエルブレを交えしばらくお話させて頂けた。ぶっきらぼうどころかとても気さくな方で、さすがは一流どころで定年までバシっと勤め上げられた常識人という感じだった。定年はるか前に戦力外通告を受けた男とは一味も二味も違う。
オススメのキャンプ場や景色の素晴らしいスポット、そしてここでは書けないようなヤバイ話など2時間近くお邪魔して楽しい時間を過ごさせて頂いた。
名画の中から「クッチャロ湖の夕景」を買わせて頂き、最後に記念撮影をしてむーちんさんとお別れした。貴重なお時間とお話、有難うございました。
お喋りに夢中で昼を食いっぱぐれたのでセコマでパンを買い、札幌のソウルフードを夕食用に仕入れてから北へ向かった。
途中から黒い雨雲の下へ突っ込み、ぱーっと降られつつ本日の停泊地へ到着した。
本日ご厄介になるのは「道の駅しんしのつ」だ。着いてしばらくすると雨が上がってくれた。
ここは温泉たっぷの湯があり、隣のしのつ湖は「水曜どうでしょう」のワカサギ釣り対決の場としても有名だ。
さっそくたっぷの湯に浸からせてもらったが、いい湯だったのだが上がって脱衣所で何か変だと気付いた。風呂上りなのに肌が異様にベタつくのだ。ちょっと舐めてみると塩っからい。まるで海で遊んだ後のようだ。どうやらここの温泉は強塩泉とのことで塩分濃度が異様に濃いらしい。再び風呂に戻ってシャワーで流してから脱衣所に戻ったが、タオルは既にしょっぱい状態になっている。こりゃ明日以降タオルを洗濯せねばならんな。
今宵は札幌のソウルフードのみよしのの餃子だ。チープな美味さがたまらない。
ワカサギ釣り対決で若き日の大スター大泉洋や安田顕が浴びるように飲んでいた大法螺がたっぷの湯の売店で売っていたので買って飲んで私もベロベロになった。
さあ、明日からは人出も少なくなる道北ステージへ移るので、自然と心がわくわくしながら篠津の夜は静かに更けていったのだった。
今日の走行距離:97km