「道の駅びふか」の朝が来た。
深い霧に覆われた朝だった。
5時の気温は12.1℃と今日も肌寒い。
トイレの入り口の周りはひどいことになっていた。この蛾、マイマイガというのかと思っていたが、実は「クスサン」とかいうヤツらしい。10年に一度の大発生などではなく、数年は続くという残念な予測をする学者も居るようだ。
昨夜はこのクスサンたちの狂喜乱舞の中で死ぬ思いでトイレに行った奥さんだが、今朝はもう嫌だと泣くのでエルブレの散歩も兼ねて橋を渡ってキャンプ場のトイレを借りに行くことにした。
トイレの前で「ブレーアちゃん♡」という陽気な声をかけられて振り返ると、初山別で出会った山梨のパイセンライダーが立っていた。もう会うこともあるまいと思っていた矢先に早くも再会だ。まさに修学旅行状態。とりあえず二度目のお別れをしたが、あと2回くらいはこの先もお会いしそうだ。
温泉の周囲には車中泊に良さそげな広い駐車場があったが、そんな車中泊erの魂胆を打ち砕く看板がしっかりと立っていた。
またまた今朝もお茶漬けだ。立て続けに投入したのでそろそろ買い足さないと。
例によって朝食後のまったりタイムを過ごしていると、二台のバイクが駐車場に入って来た。さらに大型犬と思しき鳴き声がするなと行ってみると、
荷台のクレートから黒ラブちゃんが可愛い顔を出しているではないか。
これまでこの旅の間に色々なライダーを見てきたが、こうやって大型犬と旅しているのは初めて見た。
ワンコも楽しいのか嬉しそうにはしゃいでいた。くれぐれもお気をつけて良い旅を。
さてそろそろエルブレに月イチのフィラリア予防薬を飲ませる時期なのだが、飲ませてクルマで移動して万が一リバースでもされると厄介なことになる。出来れば飲ませたその日は移動なしでノンビリしたいのでまたどこかキャンプ場に行くことにした。その際、せっかくだから美味いと評判のサフォークラムとやらを食ってみたい。ちょうどここ美深からちょっと南の士別はサフォークラムで有名なので、そこで肉を仕入れてキャンプ場でビールとともに頂くという実に素敵な計画だ。
お世話になった道の駅びふかを後にし、40号線を南下していく。今日もいい天気だが日中はそこそこ暑そうだ。
「道の駅もち米の里なよろ」に立ち寄った。中に入ってみると色々な大福が大量に売っていて人が群がっていた。そうだ、何かのテレビで観たところだ、と気づいた。せっかくだからと大福を少し買ってさらに南下する。
お次は「道の駅羊のまち侍・しべつ」に寄ってみた。日曜ということもあったが、駐車場が満車で停めるのにしばらく待った。新しい道の駅らしくキレイだが、もうちょっと広い駐車場にならなかったものか。北海道なのに。本場だけに売店でサフォークラムが山のように売っているものだと思い込んでいたがまるで大したことなかったので、この近くの肉屋さんに散歩がてら行ってみることにした。
サフォークを扱っている「いろは肉店」さんだ。
さすがスーパーブランド羊、和牛が100g730円なのにそれよりも高い。奮発して二日分を買い込んだ。
モダ石油でリッター157.8円で給油をし、道道で東へ向かった。
昼を食いそびれていたので途中のセコマのパンをかじり、さらに東へ向かった。
やがて到着したのは「岩尾内湖白樺キャンプ場」だ。ここもスーパースターのむーちんさんご推奨の無料キャンプ場で、クルマも草の上に乗り入れ可能な数少ないところだ。
さっそく場所決め開始だ。
せっかくだからダム側で物色したが、レベラーを使ってもなかなか水平にならずに苦労して何とかいい場所を見つけた。
そして念願だった「タープのオーニング張り」も無事完成。
設営完了したところで至福の一杯だ。染みすぎる。
夕暮れの湖畔を散歩し、
いよいよ豪華なBBQの始まりだ。
サフォークラムを初めて食ったが、あまりの美味さに「なんじゃあこりゃあ!?」と思わず松田優作が登場するほどだった。タレや塩などという余計なものは何一つ不要で、肉そのものがとてつもなく美味い。羊特有の臭みなど皆無で、逆にかぐわしい上品な香りしかしない。
あまりにも良い香りがするのか、気づくとスライドドアまで下りてきていたエルブレ。網戸が無ければ飛び出して来ていたに違いない。ちゃんとお前たちの分もありますよ。
サフォークの赤身部分をお裾分けしてやると、秒殺で平らげた。そりゃあたまらんだろう。
サフォークだけじゃなく牛も豚も全て美味かったがサフォークの圧勝で終わった。さらにトウキビやソーセージなども頂きつつ酒が大いに進んだ。これでハエと、コショウの粒よりちょっと小さ目な丸い虫さえ居なければ楽園だったのだが。やたらとうるさかったのだ。
さんざん食ってから空を見上げると、そこには無数の星がきらめいていた。明日は一日のんびりDayだ。
本日の走行距離:87km