「道の駅あおがき」の朝が来た。
昨夜は無事雨にもやられずポップアップでまあまあ静かに眠れた。
朝の気温は8.9℃と冷えていた。
道の駅の裏手にはグルっと散歩が出来る田舎道がある。
昨日「おばあちゃんの里」で買ったパンを朝食に頂いた。さほど感動は無かった。
さて、今日はかねてから行ってみたかった観光地に行こうと思うが、王道としては駐車場に前日入りして早朝から拝むところだ。エルブレ連れということもあって手抜きで真昼間に行ってみようと思うが果たしてどんなものか。
お世話になった「道の駅あおがき」を出発した。
昨日のクネクネ道でブレアが苦労したので、今日はサクっと青垣から高速に乗った。
少し走ると「道の駅但馬のまほろば」が出てきたので、ランチ休憩とすることにした。それにしても中国地方はPA型の道の駅の多いこと。
外席もあったのだが雨がパラついてきたので、エルブレは車内待ちしてもらってレストランへ行ってみた。
せっかく但馬に来たので、炙り丼とハンバーグ定食をチョイスした。さすがに肉のお味は良かったが量は可愛いものだった。ハンバーグはジュージューと盛大な音を立てて運ばれてきて熱々だった。服に飛ばないか心配しながら食ったが、水などのセルフコーナーに紙エプロンも置いてあったのに気づいたのは食後だった。
再び高速に戻り和田山ICで下りた時はけっこう降って来ていた。こんな天気でアレは見られるのだろうか。
国道312号を左に逸れ、もの凄い急坂を喘ぎながら上って着いた先は立雲峡の駐車場だ。かねてから日本のマチュピチュこと竹田城跡にいつかは行ってみたいと思っていたのだが、竹田城そのものを目指してもあのよく見る風景は見られないとつい最近知った。アレを見るには竹田城をこれから落とそうとせん武将のごとく遠くから望む必要があり、それがここだそうな。
着いた時はけっこう降っていたのでしばらく車内で待機し、小降りになったところで登山口の受付へ行った。スタッフのお姉さんを捕まえて、「初めて来たんすが、こんな天気で登っても見れるもんすかね?」と質問を投げかけた。ここは駐車場は無料だが、登山口から先に進むには300円の何たら金がかかるのだ。「そぉですねぇーー」と言うお姉さんの後に着いて竹田城方面を見ると何となく見えるではないか!
「雲の流れがあるのでじっくりと待ってれば見えるかもしれないし、見えなくてもどこか観光に行ってまた戻ってきてくれればいいですよ♡」とお姉さんが言うので、意を決して突撃してみた。
嶮しい階段をはぁはぁ言いながら上るとすぐに第三展望台に着いた。さぁて竹田城は如何に?
雲海、というよりはただ単に雲に覆われているがそれなりにそれっぽい雰囲気で見れたのではないだろうか?まあこんな真昼間に暢気に来た割にはマシだろと、とりあえず満足した。ここはこの第三よりも先に第二、第一と展望台があるのだが、雨の降る中そこまで行く気力も無くここで良しとしてさっさと下山した。
駐車場の見事な紅葉を見てから立雲峡を後にした。
無事に竹田城も見れたということで後は今宵の停泊地を目指すだけとなった。
途中、リッター161円のスタンドで満タンにしたが、給油後にスロットが回って2等が当たり、なんと4円引きの157円で入れることが出来てラッキーだった。
養父を抜けてずんずんと北へ上って行った先に出てきた神鍋高原が今宵の停泊地だ。「道の駅神鍋高原」に着いた頃は未だ雨模様だった。
この近くの神鍋溶岩流はサザエさんのオープニングテーマの観光地のひとつに取り上げられたことがあるようで駅内に飾られていた。
駅内の「Pain de “A”」さんで明日の朝のパンを買い、PayPayで払ったら2等が当たった。半年前くらいは3等すら全く当たらず「当たる当たる詐欺」と呼んでいたのだが、この旅では1等こそないが3等はけっこう立て続けに当たる。最近当たりやすくなったのだろうか。でも、額が安い時ばかり当たり、オートバックスでレカロシートを買った時こそ当たって欲しかったのだが、そういう時は決まってスカだ。
併設の温泉施設「ゆとろぎ」でひとっ風呂浴びて駐車場に戻ると、オンボロのでかいトラックがわざわざ隣でアイドリングしていた。これが嫌で外れも外れの離れ小島みたいなところに停めたのに。うるさいだけじゃなくオンボロゆえか排ガスがとんでもなく臭いので、慌てて移動した。
雨が小降りになるタイミングで急いでエルブレのトイレを済ませ、晩御飯上げたあとは我々のディナータイムだ。今宵はここから歩いてちょっとのところにあるお店へ行ってみる。真っ暗な雨の夜に傘をさして着いた先は、「但馬食堂 てんの店」さんだ。
ちょっとぶっきらぼうめなご主人に若干の不安を覚えつつ席へ座る。メニューを見ると定食系に混じって一品料理もあった。内容は関西というか大阪な香りがぷんぷんする。
コンパスで風呂上りに一杯ひっかけてきているので、先ずはハイボールからスタート。ハタハタの炊いたのがお通しに付いてきたが醤油味で美味い。
先ず出てきたのはタコのから揚げだ。カラリと揚がっていて実に美味い。
次に出てきたのは豚ぺい焼き。これまた美味くて酒がすすむこと。
ギョーザも手作りらしくカリカリジュワっと美味い。ぶっきらぼうなご主人の腕は確かなようだ。二杯目は日本酒を注文すると、香住鶴の常温が供された。ここのB級グルメに絶妙にマッチする酒だ。
お好み焼きが食いたいという奥さんがチョイスしたのは、お好みではなくイカのねぎ焼きだ。大阪B級の香り満点の美味だった。
メニューに「ロックワイン」とあって何だろ?と思い締めの一杯に頼んでみたら、ジョッキで供されるワインのオンザロックだった。ワインの飲み方としては邪道中の邪道かもしれないが、店や料理の雰囲気にはぴったりはまる美味さだった。ファンタグレープ好きの方なら必ずお気に召しそうだ。一流レストランのソムリエにも飲ませてみたくなった。
最後に焼きそばを頂いて大満足でお会計を頼む。「どっから来たん」とご主人と少し会話が出来た。思ったよりぶっきらぼうではないみたいだ。上背はさほど無いが、モスグリーンのTシャツの後ろ姿は腕も背中も見るからに屈強で、これはきっと元陸上自衛官ではないかと想像した。
素晴らしい関西B級グルメと美味い酒に気持ちよく酔いながら道の駅へ戻った。寝る頃にはもうほとんど降ってなく予報でももう降らないはずなのでエイヤとポップアップを立て、神鍋高原の夜は静かに更けていったのだった。
本日の走行距離:64㎞