2022 秋の中国旅 第六日 小京都をのんびりとそぞろ歩き、B-1チャンピオンの実力に唸る

道の駅燕趙園」の朝が来た。

広大な駐車場だが車中泊erはほとんどおらず、静かな夜だった。

すぐ傍を走る山陰本線の始発がやって来るとかなりうるさい。

朝の気温は8.2℃と寒い。

寒い朝は温かいお茶漬けに限る。岩美のスーパーで買ったミカンは安かっただけあってか味が薄かった。

この場所は広くてゆったりと出来るのだが、どこか近くで鳥除けの空砲?なのか、一定の間隔で「パンッ!!!」と乾いた高音が派手に鳴り、ブレアがやたら怖がって参った。

震えるブレアをなだめすかし、気晴らしに散歩に連れ出した。ゴージャスな歩道橋を渡って通りの向こう側へ行ってみる。

歩道橋の上からの景色も、どこからどう見ても中国だ。思わず太極拳をしている集団は居ないかどうか探してしまうほどだ。

庭園内にはパンダの親子も居た。

ピーカンな空の下の東郷池が美しい。

庭園内の橋はミニ万里の長城といった風情だった。行ったことないけど。

疑似中国観光も満喫したところでお世話になった燕趙園を後にし、西へと向かった。それにしてもここの鳥除けは朝からずーっと炸裂していた。苦手なワンコはここは避けた方がいいかもしれない。

今日は先ずは燕趙園からクルマですぐのところにある小京都、倉吉に行ってみた。ちなみに小京都と呼ばれる場所は全国で39もあるらしい。

倉吉の駐車場を調べると全て無料となっていてたまげたが、そんな敷居が低かったらけっこう混んでるんじゃねーのかと不安に駆られながら宮川町観光駐車場に行ってみると、ガラガラだった。

小京都の小ぎれいな路地でムズムズして催さないように、エルブレ1号に乗っていざ出発。

歩くにつれ、いい雰囲気になってきた。

バカが付くほどの散歩好きなエルだが、カート散歩でも嬉しそうだ。

白壁の土蔵群の裏手には細い川があってところどころ石の橋が架けられていた。

それにしても空いている。平日とはいえあまりにも観光客が少ない。せいぜい50人くらいしか見なかった印象だ。

渋い酒屋さんがあったので、寄ってみた。

由緒正しい高田酒造さんだ。ここ倉吉は寅さんの第44作目のロケ地だったとのことで、休憩中にフラリと立ち寄ったという寅さんの写真が飾られていた。BSテレ東で録り貯めた寅さんシリーズだが、まだ44作目まで辿り着いていないのであとで観るのが楽しみだ。

肝心の酒だが、高級品揃いらしくけっこうないい値だったので、一番安い小さい瓶をひとつ記念に頂いて店を後にした。

どこからか軽快な太鼓の音がしてきた。倉吉は第53代横綱の琴櫻の出身地とのことで、記念館があった。北海道旅での千代の山&千代の富士はわざわざ寄ったが、浪岡での隆の里の時のようにどうも我が家は歴代横綱の記念館に吸い寄せられる傾向があるようだ。

そろそろ小腹が空いてきたので何か食いたいのだが、ここは手軽に買い食い出来るようなものもあまりなく、当然ながら外席も見当たらない。これは完全に食いっぱぐれパターンか、と思ったが一軒かろうじて外にアウトドアチェアが置かれている店を発見した。

Maize TOTO」さんだ。タコスやブリトーを食わせてくれる店のようで、犬連れの先客さんが店内に居た。

店内は狭いのでひと悶着を避けるために、我が家は外で頂くことにした。

タコス

ブリトー

タコスとブリトーをひとつずつ注文してみた。タコスは皮がガチガチではなくちょい柔らかめの好みのタイプで、美味い。ブリトーもボリューミィで良かった。ブリトーといえば、80年代にセブンイレブンで初めて食った時になんて美味いんだと感動したものだ。バカ舌大陸の北米でメキシコ料理は唯一希望の星だ。2026のアメリカ・カナダ・メキシコ共催のワールドカップで日本の試合会場がメキシコになったら行ってみてもよいかもしれない。ちなみに2026年にちょうど還暦を迎えるので、退職と同時にこのワールドカップに行くのもいいかもな、なんて現役時代は暢気に考えていたものだ。その前にクビを切られたのでその気持ちはかなり薄れた。

とてもフレンドリーでホスピタリティ溢れる若きご主人に別れをつげ、倉吉観光を終えて駐車場へ向かった。

来た時にも撮ったこのアングルが寅さんの44作に出てくるらしいので憶えておく。

倉吉を後にし、国道313号をぐいぐい上って南下して目指すは、B-1チャンピオンの味だ。

その目的地である「やまな食堂」さんは田んぼの中に忽然と現れた。ケンミンショーで観て以来、ぜひとも食ってみたかった岡山を代表するB級グルメ「ひるぜん焼そば」の人気店で、月曜の14時過ぎにも関わらずクルマがたくさん停まっていて外にも人が並んでいた。夕食用にテイクアウトを希望していたので、16時閉店前に取りに来るとオーダーしてから一旦店を後にした。

焼きそばが出来るまではひとっ風呂浴びるべと寄ったのは「蒜山やつか温泉快湯館」だ。ここもJAF割があって740円が600円で入れた。ぬるめだが気持ちの良い風呂だった。たまげたのが、脱衣所のロッカーが100円ではなく500円だったことだ。当然ながらリターン式であるが、今まで出会ったことがないパターンだった。

再びやまな食堂さんに戻って先日引退した小平奈緒的な優しい雰囲気の女将さん?からテイクアウトを受け取り、さらに西へ向かって走った。

休憩に立ち寄った「道の駅蒜山高原」の紅葉は見事だった。

ジャージーソフトでちょいと一服。

寄越せ寄越せとうるさいエルブレ

いかにも小洒落たリゾートっぽいところで、ここに停まってもいいなとちょっと思ったが、今後を考えもうちょっと先へ進むことにした。

岡山から再び鳥取へ入り、

大山を拝みながらひた走る。

やがて停泊地としようと思っていた「道の駅奥大山」に着いたが、、モロに道路沿いかつ高架下というロケーションでどうにもあずましくない。我が心の師によると夜は静からしいのだが申し訳ないがどうしても信用できず、さらに先を急ぐことにした。

夕焼けの中さらにひた走り、やがては鳥取から島根に入った。

ようやく本日の停泊地である「道の駅あらエッサ」に到着した頃は、とっぷりと日が暮れていた。

それではかつては全国制覇を成し遂げたひるぜん焼そばを頂いてみよう。

ちなみにここの物販で閉店間際に値引きしてもらって買ったエテカレイ(ソウハチガレイのことらしい)の焼いたのと、さきいかもあるので豪華な食卓となった。

楽しみにしていたひるぜん焼そばは値段の割には非常にボリューミィで味噌の味が濃かった。鶏もブリブリとした歯ごたえでモリモリと頂いた。エテカレイも上品な塩焼きで175円の味では決してない美味さだった。東京のデパ地下なら夕方でも800円はするだろう。さきいかもありがちな嫌なソルビトール味が無く、素朴で美味い。腹一杯食らえた夕食だった。

ここの駅だが9号沿いでひっきりなしにトラックが往来しているのでけっこう騒音はあり、もしかしたら奥大山の方が本当に静かだったのでは?と若干後悔しながらノーポップアップで夜は更けていったのだった。

本日の走行距離:95㎞

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