2022 秋の中国旅 第十二日 下関で歴史ロマンに触れた日

道の駅きららあじす」の朝が来た。

恐れていた雨が本格的に降り始めたのは4時くらいで、それまではただひたすらに蒸し暑かった。

朝6時頃は降ったり止んだりで、カッパを着て何とか外に出られた。最悪の事態は何とかやり過ごせたようだ。

駐車場の向こうには広大な公園があり、これは2001年に開催された「山口きらら博」の会場とのこと。天気が良ければのんびり散歩したいところだが、断念した。

ここの「きららあじす」もそうだが、道の駅の名称というのは初見ではワケのわからないのが多い。大体が地名を平仮名にして何か別のワード、たとえば方言やら名所のひとつと組み合わせる、というのが大半だろう。ここも「あじす」とは阿知須と書くここいらの地名で、それにきらら博をハイブリッドさせたというわけだ。どこもOPEN前に役所やら民間やら色んな人間が集まってあーでもないこーでもないと時間をかけて決めたのだろうが、個人的には「道の駅阿武町」のようなシンプルな方がわかりやすくていい気がする。

今朝も相変わらずのお茶漬けを頂く。

予報ではもうすぐ雨が止むらしいので、昨日行われたコンサドーレのタイ遠征のブリーラム戦をDAZNで観戦しながらまったりと待つことにした。結果は2-5で負け。タイでも相変わらずのお粗末なサッカーを披露していた。

小雨がなかなかスキっと止まないが西の方は徐々に回復するはずと見込み、お世話になったきららあじすを後にして国道2号を西へ向かった。

途中ENEOSで給油の際に、特にクーポンも何も見せなかったのだが5円割引で153円で給油させて頂いた。他に客がおらずヒマで余裕だったのか、はたまた犬好きの店員さんが外からちょこんと座っているエルブレを見て負けてくれたのか。

本日の目的地ではこれといって良さそげなランチにはありつけそうにないと判断し、下関の手前に見つけた店でテイクアウトすることにした。

Mom’s Cafe」さんである。狭い道沿いにひっそりとあるので最初見逃してしまった。奥さんが買いに行っている間、路肩に停めてしばし待つ。

何の予備知識も無く来たが、こんな場所にけっこう観光客が来ていて何だろう?と思ったが、この辺一帯はどうやら毛利家ゆかりの土地らしい。

無事テイクアウトを受け取り、再び国道に出た。先に関門橋が見えて来て、目的地はもうすぐだ。

着いたのは、平家滅亡の地である壇ノ浦だ。現在クライマックスを迎えた「鎌倉殿」はもちろんのこと、2005年のタッキー主演の「義経」や1986年の故中村吉右衛門さん主演の「武蔵坊弁慶」など何度も取り上げられてきた源平合戦のフィナーレの舞台で、日本史好きオヤジとしては一度は訪れてみたいと思っていた地なので感慨深い。

タッキー

小泉孝太郎は「義経」と「鎌倉殿」で2回も平家を演ってたんだな

松坂慶子さん

マツケン

大河に出ていた役者さんたちの手形レリーフが飾ってあった。

約800年前に当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった戦の天才、源氏の御曹司で大スターの源九郎義経にボコボコにされた平家は最後に二位尼が幼い安徳天皇と三種の神器の宝剣と共にこの海に沈まれたというエピソードはあまりにも切なくて泣ける。

この海のどこかに宝剣が沈んでいるのか

なんつー顔してんだ

源平それぞれの主役と記念撮影を済ませ、向こうにも何やらあるので行ってみる。

幕末に使用されていた大砲群のレプリカのようだ。時は攘夷真っ只中とはいえ、米・仏・蘭などに無差別砲撃をしたとは、長州人激アツすぎ。そういえば長州力さんも最近はすっかり具志堅さん的な笑われキャラになっているが、維新軍を率いている時は熱かったもんな。あの当時は京子ちゃんのお父さんもはち切れんばかりに躍動していて、ワタクシ大ファンでした。

どこかいい場所があればさっき買ったテイクアウトの弁当を食おうと思ったが、狭い公園でイマイチなので下関市街を抜けて先へ進んだ。

最後に強烈な上り坂を何とか上り切って着いたのは、老の山公園だ。

丘の上にちょうど良い東屋があったので、ここで弁当を広げさせて頂くことにした。

ハンバーグとママカフェ丼をチョイスした。丸の内OL向きな可愛い量だったが500円という値段を考えれば上等だし美味かった。でもそういえば昨日もときわ公園のカフェでロコモコ食ったな。

昼も無事食った後は、散歩タイムだ。

この公園は、ちょうど良い車中泊場が無い下関において我が心の師匠が唯一オススメする場所でもある。

公園からは素晴らしい景色が望める。ちなみにこの老の山公園がある場所は本州の本土の先っぽとずっと思っていたが、実は彦島という島であることを今回初めて知った。

老の山公園を出て再び強烈な坂を効かないエンブレで下り、次の目的地へと向かった。

目的地まではクルマで行けないらしく、ちょっと手前の空き地に駐車させてもらい、

案内板に従ってテクテクと歩く。この先、急に道が細くなるのかと思いきやまだけっこう幅があったので、結果的にはもうちょっと先までクルマで行けた。

結局上り坂を8分くらい歩いて着いた先に待っていたのは、

巌流島である。

ここもいつかはこの目で見てみたいと思っていた地である。本当は実際に船で島へ渡って上陸し、約400年前に行われたという世紀の決闘を五感で感じてみたい。だが今回は犬連れということもあって断念し、またの機会にということで今回はこの展望台で手を打った次第である。

とりあえずは巌流島を上から見下ろして満足し、来た道を戻っていると、プシュッ、プシュッという音が先から聞こえてきた。見るとひとりの男が林を目掛けて黙々とエアガンを撃ち続けていたのだ。我々が近づいているのも気づかず一心不乱に林を凝視していたその謎の男は、やがてこちら振り向き、射撃を一時中断してくれた。撃たれるのも嫌なので、「すいません」と会釈をして通り過ぎたがその謎の男もペコっとしていた。悪いヤツではなさそうだったが謎だった。

ほっとしながら通りを歩いていると、堤防の上に何か気配を感じた。

よく見ると一匹のカマキリが悠然と歩いていたのだ。近づいてみるとカマキリも気づき、両手でファイティングポーズを取って構えていた。

ちなみにこの辺りは弟子待(でしまつ)というらしいが、来るまではずっと「でしざむらい」と読んでいた。よく見ると「にんべん」ではなく「ぎょうにんべん」だった。武蔵・小次郎がらみということで勝手にイメージで侍だと思い込んでいた。どちらかの弟子が後年ここに居を構えて世紀の決闘を人々に伝えたのだろうと。また、昔から文字をぼんやりとフォルムで読み取る悪い癖もここで出た。今後ずっとこの調子でポンコツになる一方だろうから、気をつけねば。

雨にも降られず無事に歴史ロマン探訪観光を終え、本日のねぐらを目指し北へと向かった。だが、ねぐら方面の山の方は何やら怪しげな雲で覆われている。

途中からついに降りだしてきて、到着した「道の駅蛍街道西ノ市」でも時折ポツポツと降っていた。

こちらの駅には「蛍の湯」という温泉があり、日曜ということで着いた頃は混雑しているとネットで言っていた。17時を過ぎると空いてきたようなのでエルブレに晩御飯を上げてから早速ひとっ風呂浴びに行った。ここもJAF割があって100円引きの570円となるが、それは一人だけとケチだった。奥さんは執念でどこかから探して来たクーポンを使って50円引きの620円までディスカウント出来た。こちらのお湯はヌメヌメのトロットロでまるでゼラチンに包まれているような気持ちよさだった。まさに美人の湯だ。

この駅からちょっと歩くといくつか飲食店があるようなので、今日は特に夕食を準備していない。風呂から戻って早速繰り出してみた。田舎道で黒を着ているので地元の飛ばしているクルマに轢かれないよう、頭にヘッドライトをつけて歩道を慎重に歩いた。お目当ての居酒屋に着いてガラっと扉を開けると、むわっとタバコ臭が襲い掛かって来た。店内はモクモクと真っ白で、これじゃあせっかく風呂に入ったのに台無しになるとそのままピシャっと閉めて他へ行くことにした。

次に行った店は客が誰もおらず、「初めてなんだけどまだやってます?」と声をかけると少しの沈黙の後「もう終わりなんですよね」と返って来た。まだ煌々と灯はついていたが、なんとなく客を見て態度を決めたフシがありありだった。「あ、そう」とそのまま去った。やばい、食いっぱぐれのパターンだ。

仕様がないので道の駅の隣にあるスーパーゆめマートで何か買えるか物色したが、目ぼしいものは皆無だった。もはや最後の手段と、併設の「ミスターらーめん」で手を打つことにした。

店内には客は皆無で、マスターがぼんやりとテレビを観ていた。ヤバイ雰囲気をひしひしと感じはしたが、もう腹をくくるしかない。

黒豚とんこつラーメンを二つと、ひとつはセットにしてギョーザを頼んだ。ちなみにビールは缶だというので止めておいた。

手際よく作られたラーメンがすぐに運ばれてきた。エイヤと口に運んでみると、これが意外にも美味い。思わず替え玉もしてしまった。

思わぬ満足感とともにコンパスへ戻り、軽く二次会をして眠りについた。明日訪れる予定の憧れの角島に思いを馳せながら。

本日の走行距離:104㎞

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