2023 秋 ちょいと避暑に信州へ 第一日 極彩色の温泉とスーパームーンの夜

暑い。夏が暑いのはごく当たり前なのだが、今年はちょっと暑すぎだ。

あまりに暑いので6月~8月はどこへも出かけず、黙々と本を読んでいた。もちろん、本を買うのではなく図書館で借りて来て。金の無いヒマな年寄りといえば、図書館通いが全国津々浦々でド定番のアクティビティだろう。

それでも今年もお盆が終わって人々が学校や会社へ戻った隙を突いて8月の終わりくらいに北海道でも行こうかとも思ったが、その北海道も何やら今年は異常な暑さだったようで結局断念した。天気予報や色々な方々の情報を見ても、かつての北海道では有り得ないくらいの猛暑のようだった。獲れる魚も変わって来たらしく、地球はもう完全に終わりに近づいているのかもしれない。

それでも9月が近づくにつれ少しずつ涼しさが戻ってきたように思えたので、ここいらでちょいと長野あたりで涼みに出かけてみた。

8月31日(木)

エルブレをコンパスに乗せるのもかなり久しぶりだ。そうなるとブレアの「クルマ慣れ」経験値も完全にゼロリセットされているので、いつものように初日、二日目は確実にどこかでリバースするものと思って走らないといけない。

昼に自宅を出発してなるべく優しい運転で下道を進み、中央道へ無事乗れた。ここまではブレアはヨダレも垂らしていない。

八王子料金所を通過してもブレアは無事だった。路面が悪いとはいえ腐っても高速。いつもの初日よりも余裕の表情であった。

やがては気持ち良さそうに眠り始めた。嬉しい驚きであった。

ほっとくといつまでも寝ていそうだったが、念のため休憩を入れることにした。

「釈迦堂PA」である。

強烈に暑かったが、わざわざ日向に自分から出ていくほど元気なブレアだった。気力、体力ともに充実しているようだ。

甲府あたりではまだまだ猛暑だったが、中央道最高地点で窓を少し開けるとウソのような涼しい風が車内に吹き込んできた。

やがて到着したのは諏訪湖SA(下り)である。本日はここで休ませて頂くことにした。

眼下に諏訪湖が望める素晴らしいロケーションだ。

数ヶ月東京の猛暑に痛めつけられたカラダを癒してくれる心地よい風が吹いていた。これこれ、これを求めていたのだ。

気持ちの良い風と景色をつまみながら、上島珈琲を頂く。

そして忘れてはいけないのがこのブレアさん、なんと初日ノーリバース達成だ。ほとんど高速で距離も短かったとはいえ、出だしは30分以上は下道でストップ&ゴーを食らったにも関わらずのこの快挙。6歳にしてついに一皮むけたか。

コンパスをフルオープンして車内の熱抜きをし、エルブレに夕食をあげてからひとっ風呂浴びに出た。

ここのSAには上り下りともに温泉施設が付いている。ガラっと開けて入ると、なんといきなりの待ちだと言う。男6人女4人しか同時に入れないらしい。小さいとは聞いていたがここまでとは。

15分くらいは待ったであろうか。どうぞと言われて二階へと上がった。6人しか入れないなら洗い場は3人分くらいかなと覚悟していたが、一応5人か6人分あってちょっと安心した。先ずカラダを洗っていると鏡にやたらカラフルな色が突然見えた。それが全身紋々のお兄さんと気づき、横に来られかなりびびった。しかもそのお兄さん、やたらと腰が低くてさらにびびる。

受付に居たオッサンが、下で並んでいる客に状況を伝えるためにやたらと脱衣所をチェックしに来る。そのせいもあってか、皆長居をせずにさっと入って出るのだが、中にはツワモノも居た。その男は湯舟に入るでもカラダを洗うでもなく、湯舟と窓の間に熟女グラドル?と思わせるようなポーズで横向きに座り、私が入って出るまでの間ずっとそうやって居た。なんというわけのわからなさ。

とりあえずサッパリしてコンパスへ戻り、グビリと至福の時を迎えた。

今宵のメニューは、一個だけ買えたおぎのやの釜飯とパン2個だった。ここのSAの食い物はすぐに無くなるので早めにゲットしておいた方が良いようだ。

おぎのやは安定の美味さだった。間違いない。

夜が更けると湖畔は美しい夜景となっていた。

さらに雲の切れ間にはスーパームーンが顔を見せてくれた。駐車場は東名とは違って牧歌的な雰囲気で大型も傍におらず静かだった。信じられない涼しさとともに、平和に眠りにつくことが出来た。

本日の走行距離:189㎞

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