2023 秋 みちのく犬連れ旅 第十二日 北東北の日本海側は美味いものの宝庫だ

10月14日(土)

道の駅ふかうら」の朝が来た。

予報通り風は強かったが、トナラーも大型もおらず静かに眠れた。

今日もいい天気になりそうだ。

誰も居ない海岸を歩いた。

今朝はスープと納豆の粗末メシだ。ここんとこ糖質過多なのでまあいいか。

9時のOPENをお目当てに続々と客が集まってきた。昨日ここに到着したとほぼ同時に営業終了だったので物販の様子は知らない。そんなに魅力的なラインナップなのかと、期待して入店してみた。

入店してすぐに人気の理由がわかった。鮮魚から弁当など、魅力的なアイテムがこれでもかと並んでいた。調理をしない我が家にとっては鮮魚は候補から外れるが、それでも本マグロの柵はあまりの安さに手を出した。弁当やオニギリに至っては全てが美味そうで選ぶのにひと苦労だ。手あたり次第に先ずカゴに入れ、その後に身を切る思いで泣く泣く取捨選択した。いやーこんなに魅力のある物販は久々だ。

お世話になった道の駅ふかうらを出発し、日本海沿いを南下する。

ふかうらからちょっと下った先にこれまたAランクの車中泊スポットがあるとのことで後学のため立ち寄ってみたのが、十二湖海浜公園だ。昨日ちょっとイヤな思いをした十三湖ではなく、十二湖だ。

ここは釣り師に人気の海浜公園らしいので、土曜の朝ということもありさぞかし賑わっているだろうと行ってみたら、広い駐車場はガラガラではないか。三浦半島にこんな素晴らしい施設があれば、きっと立錐の余地もないくらい混んでギスギスなこと間違いない。しかしここは見渡す限り、ほとんど誰も釣りしていない。何という恵まれた環境なのだろう。

キレイと評判のトイレも覗いてみる。

木の香りがする素晴らしくキレイでログなトイレだった。これが無料駐車場の設備なんてどうなっているのだろうか。ここも次回があればのんびりと滞在したいと強く思った。

十二湖を出て国道101号を快調に南下し、なんだかんだで5泊もお世話になった青森県を出て秋田県に突入した。

すぐに「道の駅はちもり」が見えてきたので立ち寄る。秋田名物の筆頭にあがるのが「はちもりはたはた」ということで、こちらの名物はたはたを食わないわけにはいかないだろう。食堂しかないような小さな建物に入ると、ハタハタ天丼は残念ながら無いという張り紙に出迎えられた。まだシーズンには早かったようだ。

それではと気を取り直してもうひとつの名物「お殿水」を汲ませて頂いた。

その昔、津軽の殿様も絶賛したというほどの水らしい。

もうここいらの山は世界遺産の白神山地だ。エルブレを連れては入れないので、今回はスルーだ。

右手に鹿の浦展望所と出てきたので立ち寄ってみた。海と白神山地を望める好ポイントだった。

腹も減ってきたので「道の駅みねはま」でランチタイムとしよう。

ここの駅にはポンポコ山公園という散歩に良さそうなのがあるのだ。

素晴らしい東屋があったのでここで弁当を広げよう。

道の駅ふかうらで買ったつぶ丼に、ここの物販で買ったオニギリがランチメニューだ。

思ったとおりつぶは甘くて美味かった。ここのオニギリたちももちろん美味い。

しかしこの芝生、なんつーコンディションの良さだ。名門のゴルフ場並かそれ以上だろう。

食後はお待ちかねの散歩開始だ。

気持ちの良い遊歩道をたっぷりと散歩出来た。いい公園だ。

道の駅みねはまを出て国道101号を南下すると、すぐに能代に入った。能代と言えばやはりここに寄らないわけにはいかんだろと赴いた先は、

秋田県立能代工業高校である。

今は他校と合併して科学技術高校という新しい名前になったが、言わずと知れたバスケの名門だ。

「栄光」という銅像が誇らしげだった。

かつて社会科で習った八郎潟エリアをさらに南下していく。干拓地だけあって道が北海道ばりにストレートで走りやすい。

やがて到着したのは、なまはげの里男鹿だ。「道の駅おが」にはドッグランがあるはずなのでちょいと息抜きにと寄ったのだが、どこを探しても見当たらない。従業員に聞いてやっとわかったので向かってみた。

その場所は駅の外れも外れの最果ての地だった。

秋田犬ふれあい処という名称になっている。わからないはずだ。普段はその日に当番の秋田犬が出張ってきてちびっ子などとふれあう場所で、そのイベントが無い日はドッグランとして使わせてもらえるとのこと。

入ってはみたものの、走るどころかほとんど動こうとしないエルブレであった。

原因はこのサーフェスのようだ。粒の大きいウッドチップで、しかもけっこうエッジが効いてとんがっているので嫌だったと思われる。

早々に退散して物販で夕食のゲットに走る。

さすがに美味そうな魚介がふんだんにあって目移りするほどだった。

奥さんの買い物を外で待っていると、またしてもエルブレは声をかけられた。今回はやたらと人気があるなあ。ちなみに皆さん、露天の婆さんから白とピンクのアイスらしきものを買って食っている人が多く、この女の子もそうだった。隣に座ってたよそ者らしき夫婦の旦那の方が、「いやー、やっと食えて感激」みたいなことをその婆さんに嬉しそうに話していた。「それ有名なんすか?」と若きママさんに聞くと、(え?マジ?このオッサン知らないの?)と不思議そうな顔をしながら「ババヘラアイスです」と教えてくれた。例によって我が腐れ耳は最初「ハバネロ?」と聞き間違えた。そんなん子供に食わして大丈夫かと。なんと秋田ではあまりにも有名なアイスと知り、戻って来た奥さんに得意げに教えてやると、「そんなん、とっくに知ってるわ」と言われた。この瞬間、この一帯で知らなかったのは私だけだったようだ。

男鹿を出発して本日の停泊地を目指した。

やがて到着したのは「道の駅てんのう」だ。天皇、ではなく天王だ。

かなりのメガ駅でウロウロと物色していると絶妙に静かそうな場所を見つけられた。着くなりポップアップを開けて熱抜きした。

ここは「くらら」という温泉施設があり、さっそくひとっ風呂頂きに参る。あいにくと現在何らかのトラブルにより温泉ではなく沸かし湯とのことだったのでこりゃ空いてるかなと期待して行ってみたが、けっこうな客が来ていた。土曜のせいなのか、はたまた爺さんたち沸かしと知らないのか。

今宵の夕食は豪華絢爛メニューだ。男鹿で買ったボタン海老とカワハギ刺しに、ふかうらでゲットした本マグロの刺し身がメインだ。

さらにここの物販で珍しさに思わず手を出した高野豆腐の肉詰めに、納豆チクワもある。

合わせる酒はこれもここでゲットした十五代彦兵衛だ。マジ!十五代がある!と飛びついたのだが、なんか変だと思いきや、幻の酒十四代と勘違いしていた。冷静に考えると十四代は山形だし。しかしなんとも紛らわしい。

豪華メニューの方だが、先ずマグロは大間には及ばないが美味いマグロだった。ボタン海老も甘く、エメラルドグリーンのこっこもプチプチと絶品だ。カワハギも肝つきでたまらない。ここの納豆ちくわも当然美味いのだが、唯一高野豆腐の肉詰だけはハズレだった。豆腐部分がやたらと硬くなってしまっていて食感が悪く、味もイマイチだった。ハズレ1位のような扱いをしてしまった十五代は、ガツンと喉に来る酒らしい酒で力強かった。

豪華メニューにつられて裏山から崖まで出てきた獣たち

こちらの駅は夜になってもゴミ箱がやたらと置いてあってうるさいことも言わないという、十三湖とは真逆の姿勢で非常に好感が持てる。

場所も良く風も無く静かそうなので、今宵は屋根裏で寝てみよう。

本日の走行距離:142km

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