夢の二台持ちが無理なオヤジが選ぶべき究極の旅車は何か?

日本中を旅してまわるのに現在の愛車でも行けないということは全くない。実際、過去にもこれで北海道や伊勢や四国山陽などまで行ったが、毎晩宿を取っての旅であった。しかし月並みな表現だが、宿の場所やチェックIN/OUTの時刻などのせいで旅のコースや日程がかなり左右されてしまう。これからはもっと自由で気ままな「風まかせ」の旅がしたいとなると、やはり車内である程度快適に寝られるクルマというものが欲しくなる。

もうかれこれ20年近く、カタログやキャンピングカーショーなどでありとあらゆる車中泊用車をこれでもかというくらい見て妄想して検討してきた。その中で候補としてピックアップされたのは下記の5種だ。

  1. キャブコン
  2. トレーラー
  3. トラキャン
  4. バンコン
  5. 車中泊仕様ワンボックス

1.のキャブコンは、おそらくほとんどの日本人がキャンピングカーといえばこのタイプを想像するのではないかと思う。

宿泊地に着いてからの快適さという点ではこのタイプの右に出るものは無いのではないだろうか。居住スペースはFRPで作られているので断熱性も優れていて暑さ寒さに強い。また少人数であればリビングとベッドスペースを完全に分けられるので、いちいちソファを倒してベッドメイクもする必要がない。しかしながらベースがトラックのため、自動車としての走行性能は非常に低い。実際何年か前に日本特殊ボディーさんにお邪魔してISUZU Be-cam 1.5トンベースのキャブコンを試乗させて頂いたのだが、段差やカーブでグワングワンと揺れてちょっと怖かった。

これでは未だクルマ酔いを克服していない我が家の娘たち(犬ども)には移動が過酷なものとなるであろう。しかもこのBe-camというベース車両は日本車のキャブコンのベースとしては最強のスペックであり、後輪ダブルタイヤによる安定感はライバルのトヨタカムロードに大差をつけていると思われる中でのこの乗り心地である。また二台持ちなど夢のまた夢の我が家にとっては、これを買うとなると普段もこれに乗らないといけないと言うことになり、3mの高さでは行きつけのスーパーの駐車場には入れなくなってしまう。カムロードベースは中古なら250万くらいから買えるが、新車かつBe-camとなると乗り出し1000万オーバーは確実であることもあり、必然的にこのタイプは脱落となる。

2.のキャンピングトレーラーは、居住部分を牽引するタイプのクラシカルなキャンピングカーだ。

キャブコンを凌駕する快適な居住空間を持ち、宿泊地では自宅に居るかのごとく快適に過ごせるであろう。かつて、那須塩原のキャンプ場でキャンプした際に、猛烈な強風の中で我が家と友人家族はテント&タープの設営に四苦八苦していたが、そんな中ふと周りを見るとこのタイプの車両が居て我々の苦闘を余所にそのどこかの家族は車内で優雅にワイングラスを傾けながら食事をしていた。その時の衝撃がキャンピングカーへの憧れとなって今に続いているのかもしれない。また、こいつ自身にはエンジンが付いていないため中古だと150万くらいから買えてしまう。しかしながら当然こいつには普段から専用の駐車スペースというものが必要となる。二台持ちが無理なのだから、あっさり脱落だ。持てたとしても、このタイプは宿泊地を選んでしまう。道の駅や高速のSAではその全長(レガシィ+トレーラーで、10mオーバー)のため大型トラックのスペースしか停められないので必然的にキャンプ場中心になってしまい、それでは結局予約等が必要となり宿ベースとあまり変わらなくなってしまいそうだ。

3.のトラックキャンパーは、ピックアップトラックの荷台に居住部分を乗せたもので、アメリカンな雰囲気がぷんぷんしているタイプだ。

居住部分はそこそこの広さもあり、ベース車もクルマとしての走行性能は申し分ない。トレーラーと同様に居住部分を切り離せば、ベース車だけで使えるが、これまた同様に居住部分を置くスペースというものが必要となる。トレーラーと違うところは、駐車場によっては切り離した部分をそのまま置いておける場合もあるだろうが、我が家の場合はマンションの駐車場にこんなものを置いていたら苦情が出るであろうからこれもまた脱落となる。

4.のバンコンはワンボックスカーの2列目以降をキャンピング仕様として改造してあるタイプだ。

ぱっと見は普通のワンボックスと何ら変わらないので、駐車場に置いておくには最も違和感のないタイプであろう。上の写真のように屋根が開くポップアップルーフと呼ばれる架装を施したタイプもある。クルマとしての性能も2.や3.には劣るが1.よりは良い。弱点としてはワンボックスということで居住空間が他よりもどうしても狭くなってしまうということだ。普通の男性は中で直立出来ないという欠点もあり、これが嫌で結局キャブコンに買い替えたという人も少なくないらしい。また、現在何度目かのキャンピングカーバブルが来ているせいか、新車は当然のこと中古でもそこそこ高い点も挙げられる。

最後の5.は、4.までの装備は不要で、寝られるスペースだけあればいいとワンボックスカーにベッドキット+αを組み込んだ非8ナンバーのクルマである。食事は外で済ませてキッチンなんか使わないという人や、自分仕様に車内を使い勝手のいいように改造する人向きで、昨今の車中泊ブームではこのタイプも多いようだ。多くはハイエースをベースとする。

上記を踏まえ、選択肢は自ずと4.か5.に絞られる。値段のことを考えると5.が最も有力となる。ベースはハイエース一択だ。

ハイエースに狙いを絞り、次は価格の見積だ。新車で買うと大体350万だが、車中泊仕様(ベッドキット、ポータブルバッテリー、冷蔵庫、カーテン、etc)をあれやこれやと追加して、さらにホイールだ足回りだクルーズコントロールだと付けていくとどんどん「いいお値段」に膨れ上がってしまう。ではベースを中古車でと考えると、程度の良いものは250万くらいはどうしてもしてしまう。ご存知ハイエースはランクル、スーパーカブと並ぶ日本が生んだ名車であり世界中で走っていて、窃盗団にとっても憧れの的であり、中古車も人気があるため価格がなかなか下がらない。話を聞くと、「買った時の値段で売れますよ」と言う人も何人も居た。その中古車に色々と装備を追加すると結局はいいお値段になってしまう。

それでもこの選択肢5.で行こう!と馴染みのクルマ屋に相談を開始しようとした矢先に、ちょっと待てよとなった。やっぱり、選択肢4.のバンコンにしよう、と。

最近に限らず、もう20年近くこうやって方向がブレにブレているのだが、今回のブレの最大の要因は、年に一度は必ずやって来る腰痛、だ。ちょっとしたヘルニア持ちの私は、1年のうちどこかで必ずきつい腰痛になり、上半身と下半身が変な角度となってヨチヨチとしか歩けなくなるのだ。行きつけの整形外科でもらった資料にヘルニア時の図があるが、完全にこの姿とピタリ一致してしまう。

ハイエースは車内の高さが130cmくらいしかなく必然的に腰をかがめて動かないといけなくなるので、おそらく数日で腰が痛くなるに決まっている。これを防ぐには車内で直立出来ないといけない。解決策のひとつはポップアップルーフを後付けで加工してもらうことだ。これがあれば屋根を開けている間は立てるのだ。

二社ほどのビルダーにダメもとで聞いてみたが、一社は「安全性の問題」であっさり断られ、もう一社は「今キャンピングカーが売れちゃって売れちゃって忙しいから、やったとしても1年先くらいになるし、値段も120万かな」というようなやる気の無い返事であった。要するに、バブル期の今は黙ってても客が向こうから群がってきて納車1年待ちなんてザラなので、こんな変な金にもならねー客の相手などしていられないのだ。

結局永年あーだこーだと悶々と悩んだが、クルマを一台しか持てない腰痛持ちのオヤジが選ぶべき理想の車中泊車は4.のバンコンで屋根の開くヤツしかない、という結論に達した。

そういうわけでまたしばらくは中古車検索でもしよう。極上の個体との出会いを求めて。

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