「道の駅西条のん太の酒蔵」の朝が来た。
新しい道の駅なので皆さん寄りたいのか、寝始めにはバリバリとバイク数台が来てみたり、ゴッドファーザーのテーマのクラクションが鳴り響いてみたりと若干不安がよぎったが、その後は静かな夜だった。
朝6時の気温は2.2℃とキンと冷えていた。
駐車場の脇には広い芝生広場があり、向こうにはドッグランもあるので行ってみた。
説明書きを読んでみると、、無料だが登録が必要で、利用時間が60分までとなっている。しかもその60分も細かく内訳が決まっているようだ。随分とこまけーなと若干引きながら読んでいくと、入場制限のところで絶句した。なんと、ここを利用する犬は「マナーパンツ」をはかないといけないらしい。日本全国色々なドッグランを訪ねたが、これは初めてのルールだ。ここだけ見ても、あまり犬のことをわかっておられない先生方がアドバイザーについていたのかな?と思わずにいられない。
入りたそうなエルをなだめすかし、駐車場へ戻った。
ドッグランはちょっとアレだが、他は素晴らしい駅だ。
燃えるゴミの箱はふんだんに置かれているし、
トイレもピッカピカで数も多いので朝の争奪戦など無縁だ。
24時間トイレの隣の情報発信施設内には休憩コーナーがあり、畳敷きの小上がりでも休める。チャリンコやバイクのライダーが知ったら一晩ここで寝ること間違いなしだろう。
今日も朝はお茶漬けをささっとすすった。
9時のOPENと同時に物販を覗いた。酒の町西条だけに地酒がわんさか売っており、悩みに悩んで2本買わせて頂いた。おそらくこの旅の間にすぐ呑んでしまうことだろう。
さて今日のメインイベントは、昨夜も会ったsora家とのんびり散歩をしながらご歓談、である。10時にのん太の酒蔵を出発し、soraちゃん家方面へと2号線を走る。
やがてsoraちゃんの暮らす町に着き、皆で懐かしの瀬野川の河原へと下りた。
瀬野川の流れも澄み、絶好の散歩日和であった。
この穏やかな流れも2018年の西日本豪雨の際は氾濫してこの河原も無くなってしまったとは、よそ者には想像もつかない。
soraちゃんとは、我が家の先代犬の桜のブログを見てくれたsoraママのmikanさんから「soraちゃんと桜が似ている」ということでコメントを頂いたというのが全ての始まりである。
2015年に桜が亡くなり、2016年のリオ五輪の真っ最中に奥さんと二人だけのクルマ旅で山陽・四国を周った際に広島へお邪魔し、soraちゃんと念願のご対面となった次第である。
その時はまずご対面時に鼻にチューしてくれて、その後この河原を一緒に散歩した際はまるで我が家の犬のように笑顔で懐いてくれたsoraちゃんだった。
それが今回はすっかり大人になったせいか塩対応。まるで昔は「おじちゃんおじちゃん!」と懐いてくれていた姪っ子がJKになるとまるで相手にしてくれない、といった感じでちょっと悲しい。
それなら我が家のエルブレはどうなんだ?というと、触ってもらっても無表情であまり変わらんか。
しばらく河原で待っていると、向こうから元気一杯の黒い塊が突進してきた。
soraちゃんのマブダチのマブちゃんだ。せっかくなのでマブちゃんにも是非ともお会いしたいと厚かましくもリクエストをしたら、合流してくれたのだ。
マブちゃんはさすがは明るい洋犬だけあって、人にも犬にも社交的だった。気難しいのが多い我らが「ドMIX」とは違う。
それでもエルは我が家に来た頃に比べれば、随分とマシになった。こんな風に他所の人に平気で触られるようになったのだから。だが今でも、飼い主ですら心の底では信用しきってはいない。
皆でのんびりと河川敷を歩く。soraちゃんは輪に入らず、ひとり我が道を行く。
瀬野川はどこまでも美しい。だがこんな美しい河原に、BBQ後にセットごと捨てていく連中も居ると聞き信じられなかった。そんなとんでもないクソが居るのは多摩川だけじゃないんだな。
そんな瀬野川にいつのまにか入っているsoraちゃん。どうやら河川敷に大嫌いな虫が居たらしく、川に避難しているらしい。昔アブだかブヨだかに刺されて以来、あのいわゆるハエっぽいフォルムの虫だけに過剰に反応するらしい。
エルはすっかりこの散歩がお気に召した様子で、微笑んでいた。
最後にパシャっと記念撮影をしてからマブちゃんとはお別れした。マブちゃん今日はありがとうね。いずれまたお会いしましょう。
河原散歩の後はsora家がランチに連れ行ってくれるということで、後ろから追いかけて広島中心部方面へと走った。
着いたのは海田という町にある「魚食堂たわら」さんだ。人気店というだけあって駐車場は混んでいたが、なんとか2台停められた。
店内に入ってすぐに人気の秘密がわかった。海鮮系の丼がリーズナブルな値段で食べられ、しかも冷蔵庫や棚には単品の刺身や小鉢などが沢山並んでいる。何を頼むかすぐには決められないほど魅力的な品揃えなのだ。こういう店は大好物だ。
死ぬほど悩んだ結果、海鮮丼と穴子天丼をチョイスした。海鮮が売りだけあって魚はどれも美味く、卵焼きも素晴らしかった。そしてこの穴子天丼を見よ。デカすぎて丼から垂れ下がるので、タレとともに受け止めるためだけの専用皿が付いていた。まるで年老いたソメイヨシノの枝に支えが設置されているかのごとく。穴子の味ももちろん格別で、腹一杯になった。夜もこういう店で一杯やりたいなあ。
食後はガストに移動してお茶をした。このトシになるまでほとんどドリンクバーというものを利用したことが無かったのだが、けっこう楽しいものだと初めて知った。普段飲まないジンジャーエールが3種類もあったのでついつい飲み過ぎた。
今回sora家には本当にたくさんおしゃべりに付き合って頂き楽しかった。ありがとうございました。また絶対訪れますので、宜しくお願い致します!
sora家と別れて国道2号をひたすら東へと走り、最後に432号を南下して本日のねぐらである「道の駅たけはら」に着いた頃にはもうすっかり暗くなっていた。この竹原というのはてっきり、村田諒太よりはるか昔の日本人初の世界ミドル級王者の竹原慎二の出身地だとばかり思っていたのだがあっさり違っていた。
今夜は途中でぐるなびでチェックしておいた駅の近くのお好み焼きのテイクアウトを予約しておいた。
特に予備知識もなく店まで歩いたが、実に風情のある町なのだと知った。これは明日の散策が楽しみだ。そんな町の一角にある「ほり川」さんでテイクアウトを受け取り、道の駅に戻った。
早速頂いたが、やはり本場の広島焼きは美味い。カキの味も濃厚なのだが、何と言ってもそばの味が違う。
駐車場は狭めの駅で、少し先にアイドラーが居るのでノーポップアップ確定な竹原の夜は更けていったのだった。
本日の走行距離:72㎞