2024 初夏の北海道旅第三十日ラストディナーは「ひとりデパ地下」で

6月19日（水）

「道の駅やまがた蔵王」の朝が来た。

非常に静かな夜だった。そして、朝から強烈な陽射しが降り注いでいる。

駐車場の周りを散歩すると、梅雨入りの時期に花がつきはじめ、梅雨明け頃には花が散るといわれているタチアオイがキレイに咲いていた。梅雨入りはまだ先なので、やはり季節が狂っているのだろうか。

トイレに行くと、

今朝もこけしたちが出迎えてくれた。

山形のこけしにはなんと10個も系統があるらしい。

こけしの他にも刃物や器などの伝統工芸品がこれでもかと飾ってある。

今朝は、隣の物産館「ぐっと山形」で買ったパンを頂く。まあ、可もなく不可もなくといった感じだった。佐藤錦は美味いに決まっている。

サブバッテリーは今朝も10.8Vまで下がっていた。東京へ戻ったら出費がかさむ予感。。

そしてこのお方。

我らも気づかなかったが、また虫でも飛んでいたのか、常設ベッドから飛び降りてきて奥さんの背中へ必死に頭を突っ込んでいる。虫から隠れているつもりなのか。

一方こちらのお方はお構いなしで、大好きな朝寝を楽しんでいた。

お世話になった道の駅を後にし、国道13号を南下する。

かつて競馬場があった上山を通過して南陽市へと入った。ここに30年以上前の我が思い出の地があるのでちょろっと立ち寄ってみよう。

見えてきた。あれか？

大学4年の春休みに単身乗り込んだ合宿免許の地がここ赤湯だった。たしか赤湯自動車学校というそのまんまの名前だったが、今検索してもここ「マツキドライビングスクール赤湯校」しか出てこない。他にも何校もある大手っぽいので、吸収されたのだろうか。

近くに寄っても全く何も憶えていないので、ここなのかどうかもわからない。

他のクラスメートは全て関東近辺の専門学校生のガキどもだったので、23歳とひとり年長な私は学校側から問答無用でクラス長に任命された。自分の教習の傍らで、全員の教習スケジュールを管理させられ毎日悪戦苦闘していた。あのバカなガキどもとはそれっきりだが、みんな元気にしているだろうか。事故ったり、免許取り消しになったりしてはいないか。ていうか、そもそも本当にここに通っていたのだろうか。

胸の奥がツンとノスタルジックになりつつも南下し続け、やがて米沢の町へと入った。

ここではこの旅最後のゼイタク飯を頂く。

やって来たのは、「米沢牛亭ぐっど」さんだ。

米沢牛が食いたくてたまらなかった奥さんは王道のすき焼き定食を、私は10食限定の得盛牛肉重を頼んでみた。

やはり肉はすき焼きの方が上質だったが、限定ランチの方も素晴らしい味わいだった。共に割り下が上品すぎるほどで、米も素晴らしかった。

最後にこれまた評判の肉団子を4つテイクアウトして、店を後にした。

留守番でヘソが曲がったエルのご機嫌取りに、次は散歩タイムだ。

やって来たのは、「米沢総合公園」だ。

芝生もキレイで広くて素敵な公園だ。

マナーを守れば犬の散歩もOKだ。

芝生の上にはポツポツと石が置かれている。

それぞれ山の名前が書かれている。どうやらジオラマになっているらしい。

公園には野球場やプールなどもあり、通りを挟んだ向こうにはそれはそれは立派なサッカー場もあった。

のんびりと散歩を楽しんだ後は、

ひとっ風呂浴びに、近くの「平安の湯」にやって来た。

300円だが源泉かけ流しで、43℃と熱々の湯だった。平日だけあって空いてて気持ちよかった。

サッパリしたところで、国道13号を福島方面へと南下する。

途中、左手に果物直売所が出てきたので衝動的に寄ってみた。

「マルショウ果樹園販売所」さんだ。

ここでも双子の佐藤錦が「ジャム用」ということで1パック300円で売っていた。ジャンク品だ。でも「美味しいよ」とおばちゃんが言うので迷わず買った。おばちゃんとしてはもう売り切りたいらしく、「３つ持ってってくれたら、ひとつ200円にするよ」とのことだったが、それだとちょっと多いので一つにしておいた。

ダメ押しでさくらんぼをゲット出来、さらに国道13号を福島市内へと進んだ。

さて今宵はこの旅の最後の晩餐だ。ラストディナーに相応しいオカズを求めてやって来たのは、

「するがや」さんだ。

やたらと評判の良いお惣菜屋さんだというので来てみたら、たまげた。

福島の何の変哲もない住宅街にあるのだが、品揃えが凄まじいのだ。まるで「RF1」のようだ。いや、RF1と比べたらこちらに失礼だ。RF1とあと2店舗くらい合わさったような、いわば「ひとりデパ地下」と呼ぶに相応しいレベルなのだ。最後にすげーのが出てきたもんだ。

何を買おうか迷うくらいあるので、今夜の分だけではなく明日の家メシ分にもとたっぷり買って店を後にした。

さあもう後はひたすら南下して東北道に乗るだけだと国道4号に出ると、ピタっと停まるくらいの渋滞にハマった。こんなド平日にどうした？？とノロノロ進んでいると、

交通整理の警官まで登場し、そのちょっと先では、

おお、こりゃーハデにやったな。渋滞するワケだわ。

事故現場を過ぎると国道4号は順調に流れ、すいすいと南下した。やがて二本松ICから東北道へ乗り、

すぐに安達太良SA（上り）に到着した。今夜はこちらでご厄介になることにする。

日が山に沈むまでのしつこい暑さには辟易したが、暮れてからは徐々に涼しくなってほっとした。

さあ、この旅最後の晩餐といこう。米沢牛の肉団子をメインに、するがやさんのハムカツに野菜を二品というラインナップだ。期待していた肉団子は、肉の味はいいのだがタレがちょっと甘すぎた。残念。二つにしておけばよかった。反面、するがやの品々は全てがハイレベルで美味かった。また近くを通った際には必ず寄ることにしよう。