11月4日(金)
「道の駅大山」の朝が来た。

明け方、というかほぼ夜中からバタンバタンとクルマのドアの音がして、それに伴ってジジイたちのでかい声が聞こえて来ていた。
「今日は××番から行きますか!!」
いったい何の話で盛り上がってんだろ?オヘンラーなのかな?

その騒がしさとは対照的に、眼下の伊尾木漁港は静かで美しかった。

さあ、その朝の港の散歩に出ましょうかね。

軽く散歩をしてから駅へ戻って来ると、エルはブレアにやたらとちょっかいを出し始めた。

何かがちょっと憎たらしかったのか、はたまた一緒に暴れたかったのか。

今朝は、昨日道中の道の駅でちょこちょこと買っておいたパンを頂く。

どれも美味い。

この旅は早稲みかんを楽しむというテーマもあり、今回の最初のみかんは「道の駅東洋町」で買った。悪くは無かったがべらぼうに美味い!というレベルではない。まだまだ今後に期待しよう。
食後にのんびりとコーヒーを啜りながら窓の外をぼんやりと見ていると、、昨夜忽然と消えたインバウンダーのバックパッカー夫婦がウロウロしているではないか!え??昨夜は一体どこで寝たの??ここの道の駅の建物には24時間開いている情報センターみたいなのは無いと思うが。。あ!昨夜のラスト散歩の時に、暗闇の彼方の河野公園に小さな明りがウロウロしていたな。もしかしてあれはヘッドライトを付けて公園にテントでも張る夫婦のものだったのか?
「ハイ!昨夜はどこで寝たんだい?」なーんて気軽に話しかけられればいいのだが、どうにもめんどくさい。散々金と時間をかけて英語の勉強をしてきたのに、今となっては無意味だ。そういや最近ようやく会議中に同時翻訳してくれるシステムが出始めたと後輩たちが言っていたな。もうちょっと早ければ俺も、、、、いやいやそんなこと考えても詮なきことよ。。
それにしてもそのバックパッカー夫婦、うちと同じくらいかちょい年上くらいに見えたが、今から奥さんと二人でリュックしょって知らない異国を旅して野宿するなんていう気力も体力も無いな。それだけ日本は安全ってことか。

お世話になった「道の駅大山」に別れを告げ、またまた国道55号を西へと向かった。
本日最初の立ち寄り先は、「道の駅やす」だ。

道の駅の向かいには、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線のホンモノの駅(夜須駅)がある。

隣には「ヤ・シィパーク」なる公園もあるようなので、散歩に行ってみよう。

おお、こりゃまたビックリするくらいキレイな芝生広場に美しいビーチ、そしてお約束の津波避難タワーがある。

素晴らしいロケーションに、エルのご機嫌度もぐんぐんUpする。

ブレアもいい顔しているではないの。
だがここでまたしてもピンチが訪れた。
それまで普通に散歩していたブレアがムズムズと催したらしく早足になりやがてしゃがむと、まさかの軟便だったのだ。うわーーー!マジか!?昨日から始めた”お弁当ちょこちょこ食い”作戦が功を奏して胃液リバースは止まったと思った矢先に、今度は下のトラブルか!
やばい。。これはすぐに手を打たねば昨年春と同様に早々と強制終了だ。
こんなこともあろうかと、今回は、

いつも腹を壊した時に主治医からもらっている「リーダイ」を持って来ている。早めのリーダイと、急いでコンパスへ戻りブレアに飲ませた。頼むから効いてくれぇーー!!
少し様子を見たが二度、三度とは催さないようなので、気を取り直して昼飯にでもしようか。

ここの駅にはテラス席犬OKのカフェがあるそうなので、行ってみたが、

テラスはCLOSEしていた。
ま、メニューは大したことなさそうだったので代わりに近くを検索すると、一軒良さそげな店が見つかった。

再び国道55号に戻り、その店を目指す。

右手には、やなせセンセイワールド全開の列車が通過してゆく。
やがて到着したのは南国市にある、

「ログカフェコットンタイム」さんだ。

長閑な田園地帯に忽然と現れたが知る人ぞ知る店といった風で、駐車場には既に数台停まっていた。

テラス席に行くには一旦はお店のメイン玄関をくぐる必要がある。

通されたテラス席は広々としていてゆっくり出来そうだ。


昼は基本は日替わりランチと、

カレーセットの2種類だとアンニュイな雰囲気をまとう店員さんが言う。じゃあそれ一個ずつと注文する。困ったのはセットドリンクだ。

ドリンクの種類がハンパ無い多さなのだ。文句なくこれまででNo.1だ。

メニューをめくってもめくってもドリンクメニューが果てしなく続く。500円以上のを選ぶとランチ代に+50円というシステムだ。
その膨大なドリンクメニューから何とか選び出し、しばし待つ。


やがて運ばれてきたランチは、全てが素晴らしかった。メインから付け合わせに至るまで、手の込んだ料理で、美味いとしか言いようがない。

カレーはピリ辛スパイシーで業務用ルーの欠片もない。ライスの量も多いし、ラッキョウひとつに至るまで全てが手作り感が凄い。何というクオリティの高さよ。

今宵のオカズも買って帰ろうかと思ったが、入店時に少し残っていたアイテムは既にほとんど空になっていた。残念。



さらに食後のコーヒーまで全て美味しくて参った。付属のミニデザートはせいぜいカステラっぽいのに白いクリームをちょこっとかけた程度かと思い込んでいたが、まさかのしっかりとした和テイストで素晴らしかった。高知は南国市の田んぼの中に名店あり。

大満足なランチの後は、快晴の下で高知の中心部を目指す。それにしても今日は暑い。これ、11月の日差しじゃないだろ。

市街地に入り、高知駅前で土佐の三志士に見送られ、

本日のレクとしてやって来たのは、

「高知城」だ。

ご存知日本の現存天守12のうちのひとつだが、天守閣のごく周辺エリア以外は犬も歩かせて頂けるという太っ腹なお城だ。さすがは多くの豪傑を生んだ土佐ぜよ。

それではお言葉に甘えて、マナーに気をつけながらレクを開始致しましょう。
今回これまであまり見かけてこなかったインバウンダーだが、さすがに高知城ほどのメジャー処にもなると団体で居た。犬もちらほら歩いていた。
石段や斜面をずんずん上っていくと、

美しい天守閣がお出迎えしてくれた。



おっと、この先は、

犬NGゾーンだ。
それではと家族を代表して上り、写真だけ撮らせていただく。

エルブレは行ける範囲ギリギリまで攻め、



最後にもう一回拝み、高知城見学レクを終了した。

せっかく高知に来たからには有名な「ひろめ市場」なんかで鯨のように酒をがぶがぶ呑みたいところだが、犬連れではそれもままならない。

後ろ髪を引かれつつも高知を後にし、西へと進む。

快調に国道56号を西へと走りつつも、今宵の夕食を確保出来ていないことに焦り始めた。どうしよう。
そんな時、この先の須崎という町に何やら有名な惣菜店?があると奥さんが見つけたので向かってみる。

それがこちら「ショップたけざき須崎本店」さんだ。
玉子焼きとおむすびがウリのお店とのことだが、夕方で棚がほとんど空っぽだった。ほぼ唯一残っていたハーフサイズの玉子焼きをとりあえずひったくり、これでしゃーないか。。とレジへと向かおうとした時、店の奥から焼き立ての玉子焼きがいくつも運ばれてきた。やった!とレギュラーサイズのを無事買って、さらに先を目指して出発した。

西の空が徐々にいい色になってきた。
日が暮れる前になんとか到着した本日の宿場が、

「道の駅なかとさ」だ。
静かそうなところで、しかもすぐ隣が久礼漁港という、またしても「釣り道具持ってくりゃよかった!」と後悔するグッドロケーションだ。くーーー、大失敗。。。
泣きながらエルブレをコンパスから下して場内を歩きはじめると、「遠くからご苦労さん!!」と元気な声がかかった。

うちと同じハイエースワイドミドルベースの鈴鹿ナンバーの白いバンコンの親爺さんだった。その車内からはワンワン!と犬の鳴き声もした。

可愛らしいパピヨンちゃんが出てきて、いざ出してもらえたら一切吠えなくなった。

このご一家、夏は北海道、冬は沖縄と日本全国を楽しんでおられるご様子で、今年の夏も北海道に行ったがあまりの暑さで稚内から出られなかったそうだ。沖縄はどうやって行ってるんですか?と聞くと、バンコンを貨物船で沖縄へ送り、人と犬は飛行機で行くとのこと。それだとワンコは貨物室になるが去年の元旦みたいな事故が怖いですよね?と振ると、「そんなんめったに起こらんよ」と一笑に付す親爺さんと、本音では飛行機に乗せたくないと思っておられる感じの奥様とで対照的なリアクションだった。ちなみにあの事故であらためて「死んでも飛行機には乗せない!」と誓ったのがうちの奥さんだ。
キリのいいところで会話をお開きにし、せっかくあるというドッグランへと向かった。
と、そこでバッタリと出会ったのが、柴犬のふくちゃんだ。

若くて明るいふくちゃんであった。
お母さん曰く、高知県ではドッグランは珍しい存在で、わざわざ高知市内からここまで来ている人も多いとか。ネイティブの土佐弁で語るお母さんもふくちゃん同様にとても感じが良かった。ランチの時に店に居たお客さん方もそうだが、高知の人たちはどこか幸福度が高そうに感じた。笑顔に全く嫌味が無く実に感じがいいのだ。と思って実際に調べてみると、

11位とやはり上位に居た。ちなみに1位は沖縄だそうだ。

ランに入ってみたが、夕方だけに全く走らなかった。明日の朝だね。
エルブレに夕食を上げ、お次は風呂だ。この駅のすぐ上に立ち寄り湯をやっている「黒潮本陣」というお宿があるので行かせて頂くが、

普通はぐるっとクルマで行くのだろう。だがエルブレにもう食わせてしまったのでクルマを動かすのは避け、徒歩で行こうと思う。上の地図には表記されていないが、道の駅から宿まで階段があるらしいのだ。
宿泊客以外は夜の部は18時30からなので外はすっかり暗くなった。頭にヘッドライトを付け、いざ出発。昼間見てきた高知城天守のように、山の上に目的地の「黒潮本陣」が見える。

最初は斜面だが、

途中からは階段になった。どうやらこのルートは風呂に行く用というよりは、津波の避難路のようだ。

昨日から今日にかけていくつも見てきた津波避難タワーの倍以上はありそうな高さだ。
時間にして5,6分といったところだろうか。ハァハァ言いながらようやく到着した。

眼下には久礼港の夜景が見えた。

肝心の風呂だが、宿の風呂にしては700円とお安めだ。洗い場は6個しか無いが、シャワーヘッドもシャンプー類も高級だ。湯は実にアタリが良く深めで、座るとちょうど首のあたりまですっぽりと浸かれて温度もちょうど良く気持ち良い。空いているので珍しく露天にも行ってみたが、こちらは海水を汲んで沸かした汐湯でしょっぱい。内湯は冷泉を沸かしているらしい。
行きは辛かった階段を帰りはスイスイと下り、

コンパスでプハーと喉を濡らし、あーシアワセ。
夕食は20時をまわってしまったので、

須崎で買った玉子焼きと、

途中立ち寄ったスーパーで買ったサラダで軽く済ますことにした。

玉子焼きは出汁巻き風なのかと思いきや、ほとんどオムレツ的な(しかもスペイン風)感じで美味い。ハイボールのアテにぴったりだ。今のところ高知県の味付けは絶妙に我が家の舌に合う気がする。こりゃー明日食うアレも期待が高まるってもんだ。
夜になると静寂そのものなところのようなので、上寝でいってみよう。

あとブレアだが、その後軟便は出ていない。いいのが出るまで続けるのがセオリーなので、夜もリーダイ投与で様子見だ。なんとか効きますように。。。
本日の走行距離:100km

