11月15日(土)
「道の駅なかとさ」の朝が来た。

昨夜は2時くらいに普通車アイドラーの耳障りな騒音で先ず起こされた。やがてそれも収まり再びまどろみ始めたところに、
「ガガガガガガ!!!」
と、何か重たい金属をアスファルトの上で引き摺ってんの!?というくらいの物凄い音が定期的に聞こえてくるようになった。こうなるともう完全に寝てられない。そして外では続々とクルマが到着し、オッサンたちの声が轟き始めた。

暗い中で外に出ると、港にはクーラーボックスを並べて子供のようにはしゃぐ釣り人がわらわら居るではないか。そうかー、今日は土曜だったかーー。

早くから港に集まって釣り船を待っているようで、遠くからでも皆のワクワク感が手に取るようにわかる。
あの物凄い騒音の正体も判明した。

この左手の建物だ。漁港の製氷施設で早朝から氷を盛大に作って流している音だった模様。
気を取り直して早朝の港を散歩しようじゃないの。

今日もいい天気になりそうだ。

さて、お待ちかねの早朝ドッグランに行ってみようか。

朝一はやはり走る走る。

ブレアは今朝は催さなかった。リーダイが効いているかな?

さ、遊んだ後は朝メシだ。

今朝は食品庫から引っ張り出したおこげスープを頂く。

安定の美味さ。

食後のまったりタイムも終わり、鈴鹿パイセンご一家と朝のご挨拶後に雑談タイムとなった。

昨日の夕方は気づかなかったが、なんとパイセンの愛車も同じコンパスだった。

車中泊界のパイセンというだけでなく、コンパス乗りの大パイセンでもあったのだ。チープな我がコンパスと違ってイカしたアルミホイールを履いて顔もけっこうイジっており、テールランプも社外品に換えてキズひとつないピカピカの車体だが、なんと2006年式と我が家のよりも5年も年上だと聞きたまげた。走行距離は15万kmらしく、我が家が11万kmと言うとまだまだいけるとお墨付きを頂けた。ただ、オイル交換だけはこまめにね、とも。
サイドオーニングも完備しているが、外観で最も目を引くのが、

この特注のTVアンテナだ。全長・全高に影響が出ないように付けられているらしい。
外観も凄いが、車内も凄い。

我が家ではソファーに中寝用ベッドにと大活躍の二列目・三列目シートを豪快に取っ払い、貫禄の畳敷き仕様なのだ。寛げるしすぐにゴロ寝出来るし最高よ、とパイセンは語る。

特筆すべきはサブバッテリーシステムだ。リチウムの300Ahに換えているそうで、電気に不安は全く無いそうな。うらやましーー。

DIYもけっこうやられていて、右サイドの窓にはプラバンで自作されたバイザーが貼られていた。アムクラフト製コンパスの泣き所のひとつに、雨の日にこの窓を開けられないというのがあるが、これなら雨水が入ってこなそうだ。帰ったらマネしてみようかな。
今日のご予定は?とパイセンに聞くと、優雅にもここに連泊しようかなとおっしゃる。移動も疲れるし、なんでも今日は何かの祭りが近くであるのでと。
さて今日は我が家としては前半戦の食のハイライトであるアレを食いに行くのだが、パイセンも隣のキャラバンのご友人とともに行くらしい。

ここから1.1km程度なのでうちは歩いて行きますと言うと、鈴鹿パイセンは
「〇〇さぁーーーーん!こっから1.1kmだってよ!うちらも歩いてこかーー」
とそのご友人に声をかけ、歩いて行くことに決めたようだった。
「それでは一足先に行ってますんで」とパイセン方に声をかけ、エルブレ1号ことカートをちゃっちゃと組立て、出動した。

今日は土曜で現地は相当な人出が予想されるため、無用なトラブルを避けるべくカート出動となった次第だ。

だが道中、あっちこっちに寄り道しながら暢気に向かうエルのせいで、後から来たパイセン方にあっという間に追い越されてしまった。

この旅お馴染みの津波避難タワーを過ぎ、

道の狭い商店街が近づいてきたところで、エルもカートに乗ってもらう。

そして辿り着いたのが、


「久礼大正町市場」だ。

ここに来た目的は言うまでもなく、旬の戻りカツオを食いに来たのだ。

ここでカツオを食うならば「山本鮮魚店」と「田中鮮魚店」が不動の二横綱、ツートップのようだが、はたしてどちらで食うべきか?
市場の入り口の山本鮮魚店の前で悩んでいると、下をちょろちょろ動くものに目を奪われた。

ありゃー、猫がいっぱい居るでねーの!

しかもやたらと人懐っこくて可愛いったらない。

すると向かいの佃煮屋の女将さんがエルブレを見て声をかけてくれた。オススメの店や、犬連れで食える外席なんかがあるのか?とか女将が色々と教えてくれている間に鈴鹿パイセンたちが通りがかり、「もう田中鮮魚店の方で待ちリストに名前書いたよ。早く行った方がいい」と言われて焦った。なんでも、圧倒的に田中の方が美味いみたいなことも言っていた。やばし、せっかく早く到着したのにここで時間取られて出遅れたか!?

女将さんにお礼を言って別れ、市場の先へと急いだ。

うお!あの黒山の人だかりが田中か!?

とりあえず名前を書いたがシステムがよくわからない。

なるほど、名前を書いた後は向かいの売り場で自分が食いたいカツオを選び、その時もらった番号を名前の横に書き、名前が呼ばれたら席に着き晴れて食えるという次第のようだ。

さて名前を書いたのはいいが、問題はどんだけ待つのかってことだ。パイセンたちは1時間と言われたそうな。てことはそのちょっと後に書いたうちは1時間半くらいか?
さらに問題は犬連れで食える外席はあるのか?ということ。その辺りを奥さんが店のお姉さんに聞きに行くと、名前のところに「犬連れ・外」情報を付加しておけば、中の席よりも若干早いと言われたようだ。よっしゃ!先ずは外で食える場所を確保だ。

ラッキーなことに店の裏口のところにある立ち飲み屋にあるような背の高いテーブルをゲット出来た。後は奥さんが魚を選び、ひたすら待つだけだ。

待っている間に向こうで並んでいるパイセンが軽トラでやって来た青年と会話し始めた。
「土曜だからけっこう並んでますねー」「これだと1時間くらいは待ちますねー」「でも絶対ここの味は間違いないですから」と青年。
ははーーんなるほど、この青年がパイセンが言ってた「道の駅の中の店でカツオを出している、田中鮮魚店の弟子の男」に違いないな。この瞬間、ここに並んだことが自信から確信に変わった。
やがてパイセン方が呼ばれて店の中へと入って行ったとほぼ同時に、

我らが立ち食いコーナーに夢にまで見たカツオちゃんが運ばれてキターー。

選んだ魚はタタキと刺身の二種類だ。それぞれ醤油とタレが分かれている。

オプションのご飯・味噌汁セットには、

ゴハンにかけるための鰹節と、カツオ用のにんにく&塩が添えてある。
それでは夢にまで見たカツオを頂いてみよう。先ずはタタキの分厚い一切れを口に運んだ瞬間、皮の香ばしさに唸る。ガブリと噛むとその香ばしさに身の濃厚な味が絡まり、あまりの美味さに気絶しそうになる。なんだ!?このカツオは!今まで食って来たのは一体何だったんだ。
刺身の方もこれまた凄い。タタキほどの厚さではないが充分なボリュームの身を噛むとトロけた。マグロよりも美味いと豪語する土佐人の言い分がようやく理解出来た。実際かなり値が張るがその価値は十二分にある。最後の晩餐は寿司と決めている生粋の中トロマニアのうちの奥さんからも「マグロより美味い」というセリフがついに出たほどだった。

いやーー美味かった。また来年も来ようかな。

最高レベルのカツオの余韻に浸りつつ、夕食になりそうなものを買い、



キレイな川の流れを見つつ、

道の駅へと戻って来た。
最後にここのパン屋で明日の朝食を買い、既に戻っていたパイセン方にお礼と別れを告げ、

次の目的地の四万十へと目指して出発した。
地図によると道中多少クネクネそうなので無理せずに高速に乗ろうと出発したのだが、行けども行けどもクネクネの山道を進む。どうやらナビの設定を間違ったようだ。エルに悪いことしたな。
しばらく山道を走ると左手に四万十町東というICの案内が出たので迷わず左折して乗った。
すぐに左手方向に進むので変だなと思ったら、、

あれ!?これまた中土佐に戻ってない??
せっかく苦労して山道を走って南下したのが台無しになってしまった。。タイム&ガソリンロス。。我ながらバカすぎ。。

中土佐ICで下りてすぐまた乗り、再度南下する。

終点の四万十町中央ICで下り、いよいよ清流ゾーンを走る。

やがて左手には日本を代表する清流、四万十川が現れた。

四万十とくればやはり沈下橋。是非ともこの目で一度見てみたいと前から思っていた。地図によれば道中いくつか沈下橋があるようなのだが、近づくとどれもコンパスでは下りるには躊躇するような激細な道に見える。
そんな中、ようやく橋のたもとまでなら大丈夫そうだと判断したのが、

この上宮橋だ。

たもとの空き地にコンパスを停めさせてもらい、皆で徒歩で渡ってみることにした。
数ある沈下橋の中のたったひとつにすぎないが、ようやく来れたとちょっと満足した。

そんな中、お次にやって来たのは、

「道の駅とおわ」だ。
ここは奥さんたっての希望で立ち寄った駅で、そのお目当てはというと、

「おちゃくりcafé」の数量限定地栗もんぶらんプルミエだ。

売り切れご免を恐れていたようだが、なんとかありつけて幸せそうな奥さんだった。

テラス席から清流を眺める。


ここの駅は河原へと下りることが出来るので、行ってみよう。




イマイチ川が怖いのか、

さほど嬉しそうじゃないエルブレであった。

徐々に陽も傾きつつあるので、そろそろ本日の宿場へと向かおう。

国道381号を西へと進み、

やがて愛媛県へと入った。

やがて到着したのは「道の駅虹の森公園まつの」だ。今宵はこちらでご厄介になることにする。

ここの駅の裏手には広見川が流れ、河川敷には気持ちの良い散歩道があった。


ん??なんだありゃ?

駅のすぐ裏手の道に何やらゴールゲートのようなものがある。

誰も通過しないのにデジタルの時計がずっと動いている。今日マラソンの大会でもあったのか?でも柱にある提供各社の中にはGIANTやMAXXISと自転車関係のロゴがあるな。
駅の表側へとまわってみると、

やっぱり自転車のレースのようだ。サイトを検索してみると、ゲゲゲ!まさに明日の開催じゃねーか!

これ、ここで寝てたらもしかしてまた3時くらいから叩き起こされるってこと??
受付ブースに居た女性スタッフを捕まえて、あくまでもここに泊まるという体は伏せ、「明日、道の駅に普通に買い物とか来れるんですか、、、ね?」とわざとらしく聞いてみた。お姉さん曰く、5時頃にちょっと目の前の通りを塞いでスタートするがなるべくその時間も少なくするつもり、とのことだった。

道の駅のメイン駐車場を大会関係者で独占するようなことはしないと明言してはいたが、念のため通りを挟んだ向かいの公園側の駐車場へ移動することにした。
さて今宵のメニューは、

昼間久礼で買ったおかずセットに、

ここの売店で閉店間際に買った切り干し大根、

デザートに同じくここの売店で買ったみかんというラインナップだ。

おかずセットは全てが秀逸で、特にひじきのかき揚げというのは生まれて初めて出会ったメニューだが実に美味かった。高知の味付けはホントに合うわー。それに対して切り干し大根は頂けなかった。。味が濃すぎて一口でやめてしまうほど。半額だからダメージは最小限で済んだのがせめてもの救いだ。柑橘王国に一歩踏み込んだだけに、みかんは安くて美味い!
そして夜、ブレアがいいウン〇をした!いやーー良かった良かった。これにてリーダイ投与も無事終了だ。これでなんとか九州へと渡れる目処がついた。
静かな夜だが、明日の早朝にバイクライダーたちに起こされるのを覚悟の上で寝よう。
本日の走行距離:107km

