稀代の天才悪役技術者、逝く

子供の頃、大好きだった。

声を聞けば「ああ、あの声だ」とすぐにわかるが、今回の訃報で初めて「八奈見乗児さん」という、実はそんなかっこいい名前だったんだと知った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9a1d4cd0c514e2f91f35c1599b974cb0bd757826

我々の世代はまさにドンピシャである。訃報の中では「ヤッターマンのボヤッキーの声の、、、」と書かれている。確かに一般的には、唯一100話を超えるこの第二作がタイムボカンシリーズの代表作なのであろう。2009年に実写化されたのもこの作品だし。

しかし私の中では第一作の「タイムボカン」が文句なく最高傑作である。小学生の頃に初めて見たが、あっという間に引き込まれた。子供はもちろん、大人でも十分に楽しめる一流のコメディであった。主役の二人などはっきり言ってどうでもよく、三人の悪役たちのコミカルな掛け合いに捧腹絶倒だった。彼らが主役のエンディングテーマは、イントロから終いまで素晴らしい出来の傑作だと今でも思う。

このシリーズ全般に言えるが、実は彼ら「三悪」が真の主役なのだろう。ベビーフェースのダスティ・ローデスなどよりもヒールのブルーザー・ブロディが圧倒的に人気があったように。

特に天才技術者でもある「グロッキー」のセリフには毎回腹を抱えて笑わせて頂いた憶えがある。特に「ポチっとな」は、今でも皆さんネットショッピングの際には自然に口をついて出る人も多いのではないだろうか。他にも「全国の女子高生のみなしゃーん」、「今週の山場ぁーー」など名セリフがたくさんあるが、それらのほとんどが八奈見さんのアドリブだったと今回知り、自分が子供の頃の名(声)優がまた一人亡くなってしまったんだなと寂しい限りである。

八奈見さん、今まで私たちを楽しませて頂きありがとうございました。合掌。