2022 晩夏の北海道旅 二十六日目 帯広のハートフルな公園で癒され、最後は元祖の味に圧倒された一日

道の駅おとふけなつぞらのふる里」の朝が来た。

けっこうな数の車中泊erが泊まっていたようだ。5時台のトイレであんなに人を見かけたのはここまでで初だった。

パン屋「みちます」が7:30にOPENするのと同時に入って朝食を調達し、昨日のカレーの残りとともに頂いた。

いつもなら朝食後のまったりタイムのところだが、奥さんは張り切って小雨の中を出動していった。例のお買い得品をゲットするために柳月の9時の開店に向け、その45分前の出動だった。

だが、店の前には既に奥さんの想像を超えるほどの人数が並んでいたらしい。よく見ると昨夜ともに車中泊していたキャンカーが何台も柳月の前に移動している。

8時半になって整理券が配られ、無事ゲット出来たようだ。

やがて9時のOPENで店内に入り、

念願の「三方六のはじっこ」を買うことが出来て満面の笑みでコンパスに戻って来た。実際に目の前に置くとそのデカさに引く。

奥さんの獲物の数々

こんな巨大なモノを家族4人でひとりひとつずつ買っている一家もザラに居たそうな。早速少し切ってコーヒーとともに私も頂いたが、猛烈に甘い。一口で、ご馳走さん、と相成った。

無事買う物も買えたので道の駅おとふけを後にし、帯広方面へ南下を開始した。

さて帯広グルメといえば何は無くとも豚丼だろう。昨日のカレーもかなり期待していたのだが不完全燃焼に終わったので、今日は昼に最高の豚丼でリベンジしたいところだ。

問題は数ある豚丼屋の中からどこを選ぶかだ。かつては帯広に行った際には必ず元祖「ぱんちょう」でテイクアウトしてその美味さに唸っていたが、せっかくなのでどこか別の名店にも挑戦してみたい。

悩んだ挙句に訪れたのは「とん田」さんだ。平日の昼時で既に駐車場は車列が出来ていて、女性従業員が整理に追われていた。テイクアウトと伝えると、車列から少し離れたところで待たされ、20分後には受け取ることが出来た。

初めて食うとん田の豚丼にワクワクしながらすぐ近くの「緑ヶ丘公園」の駐車場にコンパスを停め、公園内のベンチで頂くことにした。

ロースとバラの二種類を味わえる盛り合わせを頼んだが、確かに美味いことは美味いのだが、何かが違う。先ず、ぱんちょうのような炭火の香ばしさがまるで無い。タレも甘めだ。違う。求めていた帯広の豚丼はこの味ではない。

昨夜に続きモヤっとした思いを胸にしまいつつ、公園内を散歩することにした。

ランチはいまひとつでも、この公園は実に素晴らしい。開放感があって広々としているが、人はほとんど居ない。

極めつけはこの愛犬家に向けたハートフルな看板だ。

犬はリードを付けて散歩するべし、というごく基本的なメッセージをこんなにも暖かい文章で書かれているのを今までに見たことがない。犬に何の愛情も無い自治体だと単に一番下の「リードをつけてください」とだけ書くか、「引き綱」「鎖」などという表現も多々ある。それがここでは愛犬を「パートナー」と表現し、リードをつけることを「手をつないでください」とまで言ってくれる。相当な愛犬家がアイデアを出して責任者に認めさせたか、はたまた責任者ご自身が愛犬家なのだと思う。山梨の鳴沢で見た「犬 連れ込み禁止」の看板を作った人間とは意識が絶望的なまでに違う。

エルもこのドッグフレンドリーな空気を敏感にキャッチしたのか、ニカニカといい顔で散歩を楽しんでいた。

もし将来北海道に移住することがあれば、帯広市にしようと思う。

さてお次はスイーツバカのうちの奥さんとしては帯広に来たのであればここだけは外すわけにはいかない、という場所へお連れした。

ご存知泣く子も黙るスイーツ界の大人気ブランド、六花亭の本店だ。駐車場は満車だったので近くにエルブレとともに待機し、興奮を抑えきれず買い込んでいるであろう奥さんを待つ。

しばらくすると戦利品をたっぷりと持った奥さんが満面の笑みで戻って来た。

とりあえずここでしか買えないというマルセイバターのアイスバージョンを車内で頂く。さすがは六花亭、なんという上品な甘さだ。甘党でなくとも虜になりそうだ。今朝食ったあの甘さとはまるで違う。

さて無事に六花亭本店も寄ったしもう帯広を離れても良いところだが、どうしても寄らないといけないところがまだある。寄らないと絶対に後悔するに決まっている。

元祖「ぱんちょう」だ。昼間の豚丼で締めるわけにはいかない。リベンジ用にひとつだけテイクアウトし、

エネオスでリッター158円で満タンにしてから、帯広をようやく後にした。

国道236号沿いには十勝らしい風景が延々に続いた。

愛国を過ぎたあたりだろうか、急にクルマの流れが悪くなり前が詰まり始めた。

前の車のそのまた前にどうやらヤバイ奴が居るようだった。

二台前の黒のビーエムが制限速度をはるかに下回るノロさで走っているのだが、それだけじゃなくユラユラとスラロームしている。しかも対向車線に大きくハミ出しながら。

対向車からしてみれば完全に「ひょっこりはん」だ。これは相当ヤバイ。完全に逆走レベルである。

シルバーのヴィッツもあまりのヤバさに追い越すに追い越せない。そりゃそうだ。追い越しをかけた瞬間にビーエムもひょっこり幅寄せしてきそうなヤバさを孕んでいるから。

50キロの道を40キロ未満でゆらゆら走っているので、こんな田舎の道が数珠つなぎになっていく。永遠に続く地獄かと思われたが、中札内に入った辺りでビーエムがゆらりと左折して悪夢は終わった。よそ者の90くらいの年寄りドライバーかと思っていたが、地元の帯広ナンバーだった。一体全体どんな奴だったのだろう。

とりあえず「道の駅なかさつない」で一休みだ。

駅の周りを少し散歩し、

アイスコーヒーを買って、六花亭のさくさくパイをお供にコーヒーブレイク。美味いなあ。

休憩した後は、おいしい水を汲ませて頂いてから中札内を後にした。

今日の停泊地だが、最初は風呂もある「道の駅忠類」にしようと思ったが、

隣接のナウマン公園に「犬NG」な看板を目にしたのでさらに先へ行くことにした。

着いた先は、ホリエモンも住民票を移したという大樹町の「道の駅コスモール大樹」だ。街中の駅なので落ち着かないかなとも思ったが、意外と静かそうなので今宵はここでお世話になることにする。

建物の周囲にグルリと駐車場があり、コープさっぽろの前の端っこが閉店後に落ち着きそうと判断し陣を張った。

この駅も情報では寄付金でゴミを引き取ってくれるとあったので、恐る恐る女優の小林きな子さん的なスタッフのお姉さんに聞いてみると、イヤな顔などひとつも見せずに快く引き受けてくれた。

寄付金箱

一宿お世話になりゴミも捨てさせて頂いたのでせめてもの金落としにコープさっぽろでお惣菜を仕入れた。

メインはもちろんぱんちょうの豚丼だ。

蓋を開けた瞬間、炭火のいい香りが鼻腔をくすぐる。そうだよ、グリーンピースも乗ってたっけ。一口食っただけで、昼のリベンジは完了した。甘さを抑えたタレの香ばしさ、冷えているのに柔らかな肉、タレが染みたご飯。全てにおいて段違いだ。やはり帯広ではぱんちょう一択だ。他に手を出してはいけなかったのだ。ああ、何で2個買わなかったのだろうかと後悔しながら、一個しかない豚丼を奥さんと奪い合いながらあっという間にペロリと平らげた。

ぱんちょうの偉大さをひしひしと感じながら、明け方の4m予報の風に備えノーポップアップの車内で静かに眠りにつく大樹の夜であった。

本日の走行距離:76㎞

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