2023 春の四国旅 第十一日 もうひとつの海道はまさに楽園だった

令和5年3月16日(木)

弓削港ひだまり公園」の朝が来た。

静寂、という言葉以外に表現のしようがない夜で、おかげ様でポップアップで熟睡出来た。間違いなく、これまでで5本の指に入る車中泊スポットだ。

朝焼けの弓削大橋

相変わらず海とは思えないほどの穏やかな水面が広がっていた。

向こう岸には昨夜飲んだ「ととや」が入っている上島町役場が見える。

朝焼けの貸し切りの公園を散歩させて頂く。

フェリーターミナルの屋上は展望デッキになっているようで、ちょっと上らせて頂いた。

なんと穏やかで良い所なのだろう。

コンパスへ戻り、今朝もスープを頂く。

甘平(左)とプリンセス清見(右)

今朝の柑橘は昨日に引き続き王者甘平ちゃんと、昨日耕三寺の傍の店で衝動買いしたプリンセス清見だ。そして今朝からは新兵器のムッキーちゃんが登場した。これさえあれば手で剥けないハードタイプの柑橘もイチコロなのだ。上の白い方は外皮をザクリと切り裂き、下の方のパーツはレターオープナーのような仕掛けで中身をサクっと簡単に一刀両断する。

甘平は今朝もさすがの美味さだったが、清見ちゃんは??と期待したほどではなかった。店でおばちゃんが試食で出してくれたのがベラボウに美味かったから買ったのだが、モノが違ったのだろうか。試食あるあるかもしれない。

ここ数日はFC今治一色だったが、ここは愛媛FCの縄張りらしい。同じ県内にライバルが居るのは羨ましくも思うが、色々と大変そうでもある。

さて今日もsora家のご好意でここ弓削島から橋で繋がった島々を案内して頂くことになっているが、まだ待ち合わせまで時間があるので洗濯をしに再び役場へとやって来た。

役場内で洗濯が出来るわけではなく、隣の「海の駅舎ふらっと」さんにランドリーがあるのだ。

洗濯中に不審者のように駅舎内を覗いていたらスタッフのお姉さんと目が合ってしまい、どうぞというお言葉に甘えて中にお邪魔した。旦那さんがYOUの写真家というこのお姉さんは移住者で、我が家のようなドMIX犬の子と幸せに暮らしているご様子だった。もうそのまんま「人生の楽園」に出れそうなご夫婦だ。こんなところで暮らせて羨ましいと妬んでいたら、空き家が「10万円くらいからいくらでもありますよ」とのことだった。10万円ならすぐ出せるが現状だときっとハクビシンやタヌキが先住者として住みついているだろう。それなりにリフォーム代がかかるだろうが、実に魅力的な情報ではある。こんな島で毎日釣りをしたり菜園作って暮らし、最後はコロっと電池が切れるようにくたばれれば人生成功なのだが。

洗濯も終わったところでsora家との待ち合わせ場所へと出発した。

昨日までの快晴ではなく白雲が多くなってきた。明日から少し天気が崩れるという予報が出ているのが気になりつつも、海沿いを快調に走る。

程なくして待ち合わせ場所に着くと、居た居たsoraさん。御機嫌よう。

ひっそりとした漁港なのだが、またしても素晴らしいロケーションにも関わらずだれ一人釣り人が居ない。

そして海は泣きたくなるほど美しい。

なんつーいい所なのだろう。

エルもきっとそう思っているに違いない表情をしていた。

ここでモンベルのシットオンカヤックで日がな一日ぷかぷか浮いていたいものだ。

港の散歩の後はBOOSUKAさんの叔父さん宅にお茶に招いて頂いた。この叔父貴、若い頃は遠洋船の司厨長として七つの海を股にかけ、荒くれの船乗りどもの胃袋の面倒を見ていたという猛者らしい。おそらく世界中の港港で泣かせた女は片手では足りないくらいだろう。そう聞くと、まんま昔ドハマリした西村寿行の無頼船シリーズではないか。くーー、人生二周目になったら私も絶対そういうロマンあふれる職につきたい。東京のリーマン生活なんぞクソ喰らえだ。そんなアホなことを想いながら叔母様が淹れてくれた絶品のコーヒーをすする。しかし美味いコーヒーだった。昨日「ミドリノコヤ」さんで頂いたのを完全に凌駕していた。

宴たけなわだったがキリが無いので泣く泣く叔父貴たちにお礼を言って後ろ髪引かれつつもお別れした。別れ際にここいらで採れた山のような柑橘類まで頂き、「きっとまた来るぜ」と心に誓いながら。

さてここからはsora家にくっついてゆめしま海道ドライブだ。昨日から眺めてはいた弓削大橋を渡ってあっという間に隣の佐島を通過し、生名橋に入る。

しかしこの生名橋、なにゆえこんな狭く造ったのか。なぜセンターラインが無いのだ。

生名島の田舎道を走っていると左側に何か動くモノが居て、よく見ると野犬の親子だった。

慌てて撮ったから頭が欠けてるが、毛の感じがエルにそっくりの子で切なかった。

岩城橋を通過してゆめしま最後の岩城島へ入ると、途端に道が狭くなり離合困難な箇所が続いた。

ここ岩城島には、「海の駅舎ふらっと」のお姉さんが「車中泊するならオススメ」と言っていた西部海水浴場があるので、今後の参考までに行ってみた。

これまた人っ子一人居ない穴場臭がぷんぷんするスポットだった。キレイな海の向こうにはしまなみ海道の島々が見える。

キレイなトイレも完備されている。

さてそろそろランチでもと岩城の港へ行ってみた。

フェリーターミナル内の「喫茶レモン・ハート」に入る。なんでもレモンポークなる名物があるらしく、そいつを頂きに来たのだ。

レモンポーク丼

レモンポーク定食

レモン汁をふんだんにかけた肉なんだと思っていたら、レモンの搾りかすを餌に育った豚とのことでジューシーで甘く美味い肉になるらしい。食べてみると実に美味い豚肉だった。これぞB級グルメ。こういう店を求めていたのだ。

ペロリとポークを平らげ、ターミナルの売店で特産のレモンを買い、再び弓削を目指して岩城を後にした。

ゆめしまは本当にいい所だった。次に来る時は3日くらいはのんびりしたいものだ。また来るぜとあらためて心に誓い、後ろ髪をひかれながら上弓削港から船に乗って再び広島県である因島へ入った。

今回のしまなみ最後は、尾道市三庄公民館に案内して頂いた。公民館というよりは古ぼけた学校にしか見えないが、それもそのはずここはBOOSUKAさんの母校の元中学校なのだ。

最初BGMかと思ったが実は近所のママさんコーラス(ババさん?)グループが練習していたようで、その歌声がまたノスタルジックな雰囲気を増加させていた。

かつての校庭は広大で、両翼100mくらいありそうな野球場だった。

因島には道の駅が無いので、千葉の保田小学校のようにここをそれにしてくれればいいのでは、と思った。

今回のしまなみ・ゆめしま巡りはこれでグランドフィナーレとなった。sora家には二日間たっぷりとお世話にり、本当にありがとうございました。普通に周っていては到底訪れていないであろう貴重な場所をいくつも案内して頂き、感謝感激です。次はゆめしまはもちろん、呉の方のとびしま海道にもチャレンジしてみたいと思います。

sora家と別れて因島南ICからしまなみ海道に乗り、一路今治方面へと走る。

今治から国道196号に入って西へと向かう。

伊予北条なる町の「天然温泉シーパMAKOTO」という変わった名前の立ち寄り湯でひとっ風呂浴びさせてもらった。またまたしょっぱいお湯で、しかもここはシャワーまで若干しょっぱいので最後まで塩っ気を流せずちと困った。

さて今宵お世話になるのは、北条から今治方面へちょっと戻ったところにある「道の駅風早の郷・風和里」だ。目の前の国道に近く夜でもうるさそうだが、この先は松山を通り越して伊予市の方まで道の駅もRVパークも無いので致し方ない。

夕食は、ここの物販で買った牛スジ煮込みにサバの南蛮漬け、じゃこ天&白天と割とご当地ものをゲット出来た。

全て味も良く、いいディナーだった。

さてそろそろ夜も更けてきたので寝ようかと思いきや、爆音とともにシャコタンやらバイクやらが次々とやって来て宮崎はフェニックスの悪夢が脳裏をよぎった。こりゃあ参ったなと頭を抱えていると、22時くらいに恵みの雨が降り、特にバイクの連中は蜘蛛の子を散らすように解散して居なくなった。だが雨が小降りになるとしつこく入れ替わりでやって来るヤツらが後を絶たずで、まあフェニックスほどひどくは無いが下から5本の指に入る車中泊スポットであることは間違いないだろう。「ふわり」なんてユルい名前に全く似つかわしくないハードコアな環境である。昨夜の天国から一夜にしてどん底に落ちた。物販は良いのに、残念な駅であった。

本日の走行距離:119㎞

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