9月13日(水)
「道の駅すばしり」の朝が来た。
昨夜はポップアップでスウェットパーカにタオルケット一枚で寝たら、夜中にあまりに寒くて目が覚めた。あやうく風邪を引くところであった。
外に出てみると駅舎の方角に見事な赤富士が神々しい姿を見せてくれた。あらためてここが有名な須走口の麓にあるということを思い知らされた。
ところで「赤富士」と「紅富士」のどちらが正しいのか、あるいはどちらでも良いのかモヤっとしていたが、こちらのサイトを見て疑問が解けた。まだまだ夏とも言えるこの時期は「赤富士」の方が正解なのであろう。
足湯へと続く階段を上って駅舎の裏手に行ってみると、キレイな芝生とさらに大きくキレイな赤富士がお出迎えしてくれた。富士の方から朝の散歩であろうオッサンが歩いてきたので、後で向こうへ行ってみよう。
今朝も飽きもせずにスープを頂いた。コーヒーはいつものインスタントではなく、夕食の月見バーガーセットに付いてきたコーヒーを水筒に入れておいたのを飲んだ。
しばらくコンパスでまったりしてからドッグランへと繰り出した。
ブレアは暴れたいのにエルがいまいちノリが悪いので癇癪を起していた。
ドッグランを切り上げ、駅の裏手へズンズン進んでみた。
トンネルを抜けるとそこは、
須走多目的広場という名のちょっとした公園があった。
それでは早速散歩させて頂きましょう、と足取りも軽く階段を駆け上がるエルさんであった。
実に楽しそうなエルブレであった。ちなみにすぐ右隣の林の向こうのゴルフ場は、かつて会社の上司に誘われて二度ほど来たことがあると帰ってから気づいた。当時は土曜のプレーの後で東名のクソ渋滞に嫌と言うほどやられていたが、今なら「アタクシ、泊まっていきますんで」なんつって車中泊出来るな。
帰りにこの広場の駐車場を覗いてみたが、トイレもまあまあキレイで静かそうなので次はこちらにお世話になってもいいなと思った。
コンパスを駅の端っこへと移動し、しばらくエルブレを休ませてからお世話になった道の駅すばしりを後にして北上を開始した。
道の駅から山中湖へは国道138号を通ればすぐなのだが、いかんせん途中にヘアピンが待ち受けている。以前ケチってこの道を使った際にブレアがリバースした苦い経験があるので、今回もリッチに540円払って東富士五湖道路に乗った。今日は新たな鬼門である二日目ということもあるし。
山中湖ICで下りて100均が併設されたオギノ山中湖店でちょいと買い物をし、湖の方面へとコンパスを走らせた。
快晴の空の下、ランチを食おうと思っている店を目指す。
お目当ては「森のアルム」さんというお初のお店だが、開店時刻ちょい前に駐車場に着いたのだが、続々とクルマがやって来る。予約が出来ない早い者勝ちのお店のようで、これはかなりの人気店とみた。
何とかテラス席の一番をゲット出来、エルブレを連れてテラスへと通じる細い道を進んだ。そこに現れたのは、
恐ろしいほどのメルヘンチックな建物だった。ほとんどジブリなどから抜け出てきたか、テーマパークのノリだ。
ご夫婦?二人でやっているので一度に大量の接客が出来ないらしく、後から続々と来る客たちはかなり待たされる旨の対応をされていた。早く来て良かった。
店内もメルヘン一色だった。
やがてお待ちかねの料理が運ばれてきた。
待たされるだけあって、サンドイッチもパスタも実にしっかりと作られていた。味も共に申し分なく、他所の店とは被らない味で良い。ひと味違うモンが食いたいと思う人にはうってつけと思う。
リンツァートルテなるデザートもしっかりと頼んだ奥さんだが、お気に召したようだった。実はここに来る前に今や大人気店となった「ペーパー・ムーン」に寄ってケーキをテイクアウトしようとしたところ、既に今日の分はおろか明日の分まで無いと言われたらしい。開店と同時に行ったのにどういうこと!?と怒り心頭であったのだが、こちらの素朴なケーキをパクついている間にその怒りも徐々におさまったようで一安心だった。しかし、ペーパー・ムーンさん、その昔に先代犬と来ていた頃はもう少し敷居が低かったと記憶しているのだが。それから20数年、BIGになられたようだ。あ、でも店員さんはあくまでも腰は低かったようですよ。
大満足のランチを終え、いよいよ本日の正念場である国道413号、通称「道志みち」を走って今宵と明日の寝ぐらへと向かう。
平野の交差点を右折してしばらくはそんなでもなかったが、徐々に上り下りのワインディングになってきた。以前からこの道志というところには来てみたかったのだが、このクネクネ道のせいで躊躇しては諦めていた。
前回の蓼科でも二日目にやられたブレアさんのため慎重にコーナーをひとつずつクリアしていくが、後ろからは容赦なく煽られる。煽られたらすぐにケツをまくってお先へどうぞ、というのが私のポリシーなのだが、この道志みちの厄介なのが左側に退避するようなスペースがほとんど出てこないということだ。
それでも何とかノーゲロで道の駅どうしまで辿り着くことが出来た。えらいぞ、ブレちゃん。これは!ついにクルマ酔いに勝ったのか!?
その道の駅で木炭を買い、いよいよ本日からご厄介になる施設へと向かう。もうここからすぐのところだ。
着いたのは「RVパークAnnex道志」だ。今回お初の利用となるが、どうも大人気の施設らしい。最大で18台も停められるマンモスRVパークだが、週末ともなれば常に満車とのことだ。今回はこちらで2泊お世話になる。
チェックインの前にとりあえず適当な区画に停車して「どこがいいかねー」なんてキョロキョロしていたら、なんとそんな状態でブレアが突然リバース!克服して達成感に浸っているのかと思いきや、、やはり胃袋にはダメージが来ていたんだね。でも吐いたらスッキリしたようで、ケロっとしていたのが救いだったが、やはり二日目は鬼門のようだ。
気を取り直してチェックインのためフロントへと向かう。
ここは元々バブルの頃には大手の会社の保養所だったのだが、令和の現在はRVパークとして再生されたらしい。確かに建物の雰囲気はまさにTHE保養所といった趣きで、90年代によく会社の保養所を利用していたいわば保養所マニアだった私は胸の奥がツンと切ない何かで満ちた。
サーフェスが砂利のガーデンサイトのEとGが角地で人気らしく、Eには既にトレーラーの先客が居たのでGを確保した。1泊4500円で電源は別途500円かかる。とりあえずは電源なしで様子見とした。ゴミ袋がさらに別途500円なので、Total9500円のところ、くるま旅クラブで送られてきたクーポン500円引きが使えてしめて9000円をPayPayで支払った。RVパークとしては高めの料金設定だが、昨今のキャンプブームでちょっとしたキャンプ場は平気で1泊9000円とか取るのでそれに比べれば安いもんだろう。
さらにこちらの施設の素晴らしいところは、元々バブリーな保養所なだけあって浴室がいくつかあり、温泉ではないが24時間入り放題だというところではないだろうか。しかも、このようにフロントに30分単位での予約表があるという、気の利くオーナーのペンションなどではよく採用されているシステムなのだ。貸し切り風呂のくせにこれが無いと、せっかく行ったのに使用中でその度にまた戻って来るのを繰り返すハメになる。気の利かない経営者だと、平気で客にそういう面倒をかけるし、かけているという自覚すら無い。客商売で成功するかどうかは、そういう小さい所の積み重ねなんじゃないかと思う。
サイトも決まったところでいざタープの設営を開始した。
まだまだ真夏の日差しといった中、汗だくになってようやく張り終え、先ずはサッポロビール園サマーピルスでカラカラの喉を潤す。染みる。
こういう時にこそ使おうとコストコで買っておいたペンドルトンのマットをタープの下に敷いて、さあここに居なさい、と言っても言うことを聞かず、コンパスの後ろで拗ねたように寝るエルブレだった。
せめてもとエルブレ用の足拭きマットを敷いてやったが、それすら「要らね」と言うエル。親の心子知らずとはこのことだ。
エルブレはどうやらキャンプはあまり好きではないようで、コンパスの中に居る方が落ち着くらしい。
設営で大汗をかいたので、シャワーをお借りした。お湯がはられた檜風呂の方は先客が居たからだ。こちらの風呂は水風呂だったがシャワーは使えた。
暑かった日差しも山の奥へと沈み始めたので、BBQのスタートだ。
肉に合わせるのは、チリの格安ワインだ。こういう環境で飲めば600円くらいのワインも2000円くらいの味になる、ような気がする。
いやー、食った飲んだ。
少し腹が落ち着いて酔いも覚めたところでひとっ風呂浴びに行き、
サイトに戻ってさらに二次会だ。めんどくさくて行かなかったが、フロント棟に行けば氷ももらえる。
今宵は星空の下で静かに眠れそうだ。
本日の走行距離:34㎞