2023 秋 みちのく犬連れ旅 第十八日 会津のB級と高級を一日で味わう日

10月20日(金)

道の駅ばんだい」の朝が来た。

昨夜はアイドラーには囲まれず、静かに眠れた。

表側の駐車場でもラッキーなことに空いてて良かったのだが、建物の裏手にはもっと静かそうなスペースがあることに今朝気づいた。次回があればそちらへ行こう。

昨日の夕方に物販で買ったパンを朝食に頂いた。もう閉店間際だったから割引してくれもいいのにと思ったが、定価だった。

味はまあ、可もなく不可もなくといったところだった。

ここは気前よく何か所もゴミ箱が設置されている。夜中に隠したりうるさい張り紙を貼ったりとかそういうことも一切ない。素晴らしい。

なんとなく庶民的だが開放的な半外席があってのどかな雰囲気だ。こういう道の駅はなんか、いい。また来たい。

道の駅ばんだいからすぐのところに名水が汲める場所があるらしいので行ってみた。

慧日寺」だ。少し紅葉していた。

普通こういう名水がタダで汲める場所は、でかいポリタンクを山ほど抱えた老夫婦とかが押すな押すなと押しかけ、鬼の首を取るかの勢いで汲みまくっているものだが、ひっそりとしていた。どこで汲めるのかもわからないので境内を掃除していた親爺さんの一人に教えてもらって、やっとたどり着いた。

さすが名水、異常に冷たい。こりゃあ美味そうだとガンガン汲んだが、成分表みたいなのはどこにもない。これ、ほんとに飲んで大丈夫かな?まあ飲めなかったらさっき教えてくれた親爺さんが、「ありゃあ飲めねえよ」と言うだろうといいように解釈した。

水を汲んだ後は、すぐ傍のスーパー「リオン・ドール」で買い物と洗濯だ。

洗濯終了待ちの間に近所を散歩させて頂く。民家の軒先でコキアが色づいていてキレイだった。なんかやたらと東北でコキアを見かける気がするのだが、流行っているのだろうか?

洗濯も終了し、磐梯を出て猪苗代方面を目指す。

「道の駅猪苗代」に行ってみたが、これまたもの凄い人出だった。まだ金曜なのに何が起きているのやら。今日は最終目的地を那須にしようかとも思っていたのだが、猪苗代の金曜でこれだと那須の土曜はとんでもないことになりそうなので止めた。

さてそろそろ昼だがどうしようと検索し、一軒店内犬OKの店を見つけたので行ってみた。だが、犬OKは1テーブルのみで既に先客が居たので断念し、さらに検索しているとちょっと気になる店がJR猪苗代駅前にあるので行ってみた。

あまの食堂」さんだ。一目見て、期待せずにはいられない外観ではないか。

絶妙な「絶メシ」感だ。お客もよそ者は皆無で、リーマンとか地元民しか居ない。これは期待大だ。

メニューもなんという潔さ。ソースかつ丼のテイクアウトを2つ作ってもらい、早く食いたい思いを押さえつけながら次へと向かった。

到着したのは「肉のおおくぼ」さんだ。

大奮発して今宵はここの馬肉を頂こうという魂胆なのだ。

買う物を買って次に向かったのは、「会津レクリエーション公園」だ。

いきなり恐ろしい看板にお出迎えされた。今年は全国規模で多いらしいが、実際に出くわしたらエルは体を張って威嚇してくれるのだろうか。

ブレアはシッポ巻いて逃げるだろうが。

会津若松の小学校の一団が遠足に来ていてガキどもがギャーギャーはしゃいでいた。熊除けにちょうどいいやと、彼らから少しだけ離れたベンチでお待ちかねのソースかつ弁当を広げた。さあ食おうとした矢先、例によってエルブレが珍しいのか何人かが寄ってきたり走り回ったりして落ち着かないことこの上ない。

熊のリスクはあるが、一団から離れて別の場所を探した。だが、熊対策なのか何なのか知らんが、やたらとベンチを使用禁止にしてブルーシートを被せている。

ようやく見つけた東屋は周りに人っ子一人居ないという危険極まりないが、もうここしかない。

弁当を開いてみてたまげた。ものすごいボリュームだ。巨大なカツが大盛りライスの上にどっかと乗っている。ソースはほんのりと薄味で見た目よりはるかにアッサリしている。猪苗代産の米も実に美味い。ガツガツと箸が止まらない。

この絶品ソースかつの匂いを嗅ぎつけた熊が裏の藪でガサガサ動いていないかキョロキョロしながらペロリとたいらげた。満腹とはこのことだ。

腹ごなしの散歩を開始した。

すれ違った女性はくま鈴を鳴らしていた。次回の旅に向けてクルマに積んでおこう。

熊だけじゃなくてマムシまで居るらしい。熊よりも実はリスキーかもしれない。

広い園内をくるりと一周して散歩を終え、猪苗代を後にした。

国道294号をひたすら南下し、ふたつほど道の駅を冷やかしてから今宵のねぐらを目指した。

本日ご厄介になるのは「道の駅ひらた」だ。

到着した途端、「田舎の香水」がプンと強烈に鼻を襲ってきた。

駅の裏手の道を散策してみると、奥に牛舎があってモーモー鳴いてる。香りの元はあれか。

最初は大丈夫か?と思ったが、風向きによって香ったり香らなかったりするので何とかなりそうだ。

こちらの駅は「日本一きれいなトイレ」と豪語しているらしいので期待して行ってみた。キレイなことは確かだが、日本一かと言われるとちょっとわからない。

他にも「日本一辛い駅」とか何かと自画自賛気味だ。それよりも、やたらと「ゴミは持ち帰れ」の張り紙が多く、「不適切な道の駅の利用はチェックする」などと割と説教臭い方が気になった。

今日の夕食は豪華だ。メインはロース&モモの馬刺しで、

道の駅ばんだいで買った太巻きもある。

合わせる酒は、道の駅にしかわで買った寒河江の千代寿の大虎大辛口純米だ。キレ味鋭く、馬刺しもすーっと胃に消えていく。

馬刺しはお店推奨のニンニク味噌を付けて頂く。両方ともべらぼうに美味いのだが、ロースよりも安いモモの方が肉の味が濃くて美味いと感じた。チープなバカ舌のせいか。格付けの芸能人たちを笑えないかも。

今日は特別にエルブレにもモモを少しお裾分けだ。生肉の香りがもうたまらんといった様子。

馬刺しは一瞬で消えていった。

大虎で気持ちよく酔い、得意の食後のうたた寝をしている間にざーーっと降ったようだ。

一瞬止んだ隙を見て散歩に出た。

寝る間際は我が家の貸し切り状態だった。静かな夜になりそうだ。

本日の走行距離:122km

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