10月17日(火)
「道の駅おがち」の朝が来た。
しつこい雨はかろうじて上がっていた。
道の駅の隣には「小町の郷公園」という散歩にうってつけの場所があるそうなので、行ってみよう。
これまた素晴らしい芝生の公園だ。
ここはドッグランが用意されているので、ありがたく利用させてもらった。
このドッグランの正式名称は「犬っ子エリア」だ。
楽しく散歩をしていたらまたしても雲行きが怪しくなり、パラパラ降ってきた。
公園には雨宿りにちょうどいい平安チックな東屋というか屋根があるので慌てて避難した。
雨が落ち着いたところで道の駅へと戻った。
「まるで車中泊のために作られたエリア」というクチコミを参考にして陣取った場所は、確かに落ち着いてて良かった。
ドッグランでも元気に走っていたエルだが、今朝は食欲が無く、トッピングしか食わなかった。昨日の雨ストレスのせいか。
トッピングを追加したりなだめすかしたりして、なんとかモサモサと食った。今日は楽しい散歩をスケジュールに入れないとヤバそうだ。
一安心して車外に出ると、ここでこの旅で最も大きな事件が起きた。
向こうから森末慎二さん的な優しそうなオジサマが近づいてきて、声をかけてくれた。お、同好の士かな?と思いきや、「このブログの方ですよね?」とスマホを見せてくる。覗き込んだスマホ画面には、よく知っているトップ画面が出ている。一瞬気が動転した。なんとこのブログの読者さんだとおっしゃるではないか。こんな真面目にUpもしないような不人気ブログに読者さんが居て、しかも声をかけてくれるとは。もちろん初めての体験なので嬉しいやら、恥ずかしいやら。実際、「最近更新してないですね」と痛いご指摘も頂戴したりして。
恐縮しながらも少し会話させて頂いた。静岡から来られたキャブコン車中泊erの方で、驚いたことに最初は散歩しているエルのシッポを見てピンと来たと言われるのを聞いてたまげた。その後、コンパスを見て確信したとのこと。9月に北海道を周られたようで、やはり今年は暑かったらしい。今日はこの後、寒河江、喜多方方面へ行き、お目当てのラーメン屋に寄って帰られるとのことだった。お気をつけて、良い旅を。
やはりどこで誰が見てるかわからないからヘタなことは出来ないね、としみじみ話しながら朝食を頂いた。メニューは、昨夜結局余らせたえび串だんごとスープだった。
相変わらずたまに降ったり止んだりという天気が続き、気温も低くいのでしばらくFFヒーターをつけてまったりと過ごした。
雨が止んだところで、ダメ押しの散歩に小町の郷公園にまた繰り出した。
何やら橋と銅像が見えてきた。
この地は、世界トップ3美女の一角である小野小町が生まれた地だそうな。その後、京の都で六歌仙として大活躍し、晩年はまたこの地へ戻って来たとのこと。
その小町さんを追っかけてはるばる京からやって来てこの地で死んだ深草少将というお方の像もあった。
さてこの近辺は稲庭うどんが名物なのでどこか名店にでも行こうと思っていたのだが、エルが拗ね気味で車内待ちなどさせようものならどうなるかわからないので泣く泣く断念だ。ここのレストランにもあるらしいので、昼飯をさくっと食ってから出発することにした。
寒いので温うどんにしたのだが、やはり冷に比べると柔らかくてにゅう麺風になるが、出汁も良く美味い。野菜が美味いのか天ぷらも良かった。親子丼は七戸のようなツユダクではなく、地鶏もブリブリで味が良いし、ラーメンのスープもいい出汁が出ていて美味かった。
のんびりさせてもらった道の駅おがちを後にし、国道13号を南へと走る。
すぐに県境を越えて秋田から山形へと入り、ノスタルジックなトンネルに入った。平日の13号はガラガラで、後ろからは何にも来ない。
牧歌的な田舎道をのんびりと走る。たまにパラつく雨だけが残念だった。
やがてビッグボスこと、新庄市へと入った。
かつての新庄城の跡地である最上公園に寄って、散歩する。
こじんまりとした城跡だが、散歩でくるっと一周するのにはちょうどよさそうだ。
御池のほとりに大量の鴨がおり、それに反応したエルブレだった。
曲がっていたエルのヘソも真っすぐに戻ったようだ。
それにしても高校時代は日本史を選択してそれで受験もしたクチなので、理系のヤツらなどに比べればそこそこ知ってるはずなのだが、奥州の歴史はほとんど習わず試験にも出なかったので新庄城と言われてもまるでピンと来ない。ヒマな隠居暮らしの身、独自に勉強し直しても面白いかもしれない。
再び国道13号に戻って南下し、尾花沢のちょい先の大石田という町を目指して走った。
そこは平日の片田舎に突然人だかりが出来ているのですぐにわかった。よそ者ナンバーのクルマもひっきりなしに出入りしている。
以前から気になっていたここは、やたらとテレビにも紹介されている「最上川千本だんご」だ。
本職は豆腐屋さんが、もち米ではなく普通の米で作る団子が色々なトッピングで売られていて、大人気の店だ。
あんことマスカルポーネがこれでもかと乗っかったスイーツ系と、焼いた海苔しょうゆを頼んだ。海苔しょうゆは焼いてもらうので若干時間がかかる。我が家以外はほぼ全員、スイーツ系しか頼んでいなかった。
もち米じゃないのであっさりとしていてふにゃっと柔らかくて美味い。ただアンコ&マスカルポーネはあまりにもトッピングの量が多くてさすがのうちの奥さんももて余していた。「しょっぱいのだったらもう一回食べたい」とまで。
次に向かった先は、「道の駅寒河江」だ。何か買えるかと建物に入ったが、道の駅というよりはデパ地下のようなノリで特にめぼしいものは無かった。こういうのじゃないんだよな。
ただ駅の裏手は寒河江川の河川敷で、何とも気持ちの良い散歩道があった。
昼間ずっとしつこく降っていた雨もこの時は上がり、虹も顔を見せてくれた。
広々とした河原を散歩して、エルの気も晴れたようだ。
ただ犬NGの看板がけっこうあちこちにあった。
さてそろそろ本日のねぐらへと行きたいところだが、そちらの方面にはいまだに真っ黒い雲が覆っていた。あまりの黒さに躊躇するが、風呂にも入りたいし致し方ない。
途中で夕食を調達出来なかったので、寒河江のマックスバリュで手を打ち、ねぐらへと向かう。真っ黒な雲に覆われていることもあってすぐに真っ暗になり、そんな中慣れない雨の夜道を泣きながらしばらく走る。
やがて到着したのは「道の駅にしかわ」だ。今宵はこちらで一晩ご厄介になる。にしかわといえば、昔サンジャポとかに出ていた西川先生を最近とんと見かけないがどうしているのやら。
信じがたいがこの真っ黒い雲が降らせる雨はもうじきあがるらしい。
先ずは併設の水沢温泉館へひとっ風呂浴びに行く。350円と安いがとてもキレイな施設だ。ちょっとしょっぱいお湯は素晴らしく、洗い場も仕切りがあり、シャワーも固定可能なタイプだった。ロッカーの扉もあのよくあるうざいバネがなく、言うことなし。これは、、、これまで入った立ち寄り湯の中で、コスパ最強なのではないだろうか。これまで最強のタイトルを保持していたのは山口は萩の田万川温泉憩いの湯だったのだが、本日新チャンピオンの誕生だ。
ダメ押しに、受付ではここの駅で激推ししている「月山ビール」の生が飲めるのだ。こんなん、「もう今夜はここで泊まってけ」と言われているようなもんではないか。
520円を払ってこぼさないようにヨチヨチとコンパスまで持ち帰ってグイっと一杯。たまらん。
今宵は、マックスバリュで調達したアジ刺身、握り寿司、チャーシューメンマ、いぶりがっこポテサラに、道の駅尾花沢で買った納豆モチと、意外と豪華になった。
期待してなかったアジ刺しと握りはまあまあで、チャーシューメンマは居酒屋のお通しのようで良かった。中でもやたらと安かったいぶりがっこポテサラが秀逸で、レタスとともに食えばいい働きをしてくれた。
今日も雨との闘いだったが、明日からはしばらく晴れるはずだ。
本日の走行距離:117㎞